「のりたま」60年「ゆかり」50年…定番と新商品入り乱れ百花繚乱のふりかけ市場

文=西川立一
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「GettyImages」より

 毎日の食卓に必要な食品を購入するために、日々、訪れるスーパーマーケット。野菜や肉、魚、豆腐、惣菜、パンといった売場には頻繁に足を運ぶが、貯蔵でき購入頻度が低い、調味料をはじめとする加工食品の売場には、必要なときだけたまにしか行かないのが一般的だ。

 売場の多くは店の中央に位置し面積も大きいが、意外と何があるかきちんと把握している人は少ないのではないだろうか。だが、加工食品はスーパーマーケットの売上の約4分の1を占め、10%台の野菜、肉、惣菜などより多い主力分野で稼ぎ頭でもある。

 そこでは一体何があり、どのようなことが起こっているのか、今回はふりかけ売場を例にとって探求してみることにする。

目立つ健康志向の商品群

 売場では丸美屋食品工業の「のりたま」、三島食品の「ゆかり」、永谷園の「おとなのふりかけ」といったロングセラーが幅を利かしており、のりたまは60年、ゆかりは50年と半世紀以上の歴史がある。そして、子ども向けには、アンパンマンやポケモンなどキャラクターものも根強い人気を集めている。

 ご飯や弁当の友として愛用している人も多いが、どちらかといえば地味なイメージで、あまり動きもなかったふりかけ。だが、最近は新顔も続々登場。ユニークな商品も投入し、活気づいている。

 なかでも目立つのが健康志向対応。永谷園は、いま注目素材の「たんぱく質」が手軽においしく補給できる「毎日パクパクたんぱく質!ふりかけ」を、2月17日から首都圏エリア限定で新発売した。

 高たんぱく質ブームを背景に、主に子どもとシニアをターゲットに、1食当たり約1.7gのたんぱく質が含まれ、カルシウム、食物繊維、鉄分も摂取でき、塩分も控えめにしている。「大豆ナッツ」と「おかか納豆」の2種類での展開だ。

 日本製粉もアマニ油人気を受けて、「アマニ粒入りふりかけ かつお味」を投入。原料は契約農家で栽培された希少種のゴールデン種のみ使用するなどこだわりをアピール。三島食品は主力商品の「ゆかり」に従来品より30%塩分をカットした減塩タイプを新発売する。

 大森屋の既存アイテムである12種類の野菜が摂れる「緑黄野菜」は、同社の主力アイテムに成長、人気を集めている。ニチフリ食品の「無添加シリーズ」は、化学調味料不使用、他社とコラボした商品もある。「CoCo壱番屋カレーふりかけ」(三島食品)、「松屋牛めし味」(ニチフリ食品)は、外食とのコラボレーション。ピザにふりかけて食べる提案も行っている。

 「ご飯がススムキムチ味ふりかけ」(ニチフリ食品)は、ピックルスコーポレーションの漬物「ご飯がススムキムチ」の甘辛いキムチの味を再現したふりかけだ。同社は、うなぎ、チャーシュー丼風、唐揚げ丼風、焼肉、バター醤油といったさまざまな味をふりかけで楽しめる商品も展開している。

 しっとりやわらかな食感を味わえるのが丸美屋食品工業の「ソフトふりかけ」シリーズ。ちりめん山椒、おかか昆布、豚みそそぼろなどをラインナップ、新たに「さば炙り焼き風」も登場した。白飯にふりかけるだけではなく、パスタ、チャーハン、カナッペなどに使われている。

高級商品からユニークなアイデア商品も

 一方で、ギフト・手土産需要の高級な商品も人気を集めている。京料理の下鴨茶寮の「料亭の昆布ふりかけ」は1瓶1296円。北海道産の最高級の昆布を使いこだわりの味を提供している。ランチやアウトドアなど利用シーンを想定し持ち歩きできるものもある。丸美屋食品工業の「手のりシリーズ」は、小容量の手軽に使える容器入り。

 ユニークな商品も発売されている。「カレーに、梅干しを<まるごと>入れてみた。」(永谷園)は、「食の世界は広大だ。」をテーマに、SNSなどで話題になっている進化形の食べ方を再現したふりかけ。濃厚でジューシーなカレーの味わいに、調味玉とフレークで梅干しの風味を表現。口に含んだ瞬間と噛んだ瞬間の2 段階で梅のインパクトが味わえる商品だ。「餃子を、酢と<大量の>コショウで食べてみた。」「牛丼に、紅生姜を<どっさり>のせてみた。」といった姉妹品も発売している。

 中身でなく容器がユニークなのが、ペンタイプのふりかけ「マジックふりかけ」。ヘソプロダクションが、ロングセラー商品「マジックインキ」とコラボレーションし、2018年9月に発売したもの。マジックインキは、1953年に寺西化学工業が発売した日本で最初の油性マーカー。「?」マークが目印の「どんなものにもよく書ける」ロングセラー商品だ。「マジックふりかけ」の見た目はマジックインキそのもの! 本体からキャップを外してペンをふると、ご当地名物の味のふりかけが出てくる仕組み。

 第一弾は大阪限定:串カツ、神戸限定:カレー、神戸限定:餃子、和歌山限定:梅干し、京都限定:七味唐辛子などがある。

 こうして、次々と新しい商品が投入されるふりかけ市場。スーパーマーケットのなかには売場を目立つところに移動したり、品揃えを充実させたりする動きもあり、100種類以上のアイテムを揃え大々的に展開しているところもある。

 たかがふりかけ、されどふりかけ。ヘルシー、新食感、機能性…のりたまは60年、ゆかりは50年、いまの食のトレンドを反映させながら、新しい味を提案し続ける。たまにはふりかけ売場を覗いてみては。新たな発見があるかもしれない。

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