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Dr.ストレッチの求人サイト改竄問題に社長は「悔やんでも悔やみきれない」

文=宮西瀬名
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「Dr.ストレッチ」公式サイトより

 求人情報サイト「engage」に掲載された、ストレッチ専門店「Dr.ストレッチ」をフランチャイズ展開する株式会社つながりの求人広告問題に進展が見られた。

 「engage」の求人ページでは、同社の執行役員と店長を務める人物のメッセージとして<サービス業で土日休みたいとか世間を舐めてますね><有給消化なんて周りのこと考えたら使えないはずです><残業代なんて出すわけがありません><新型コロナだって体調管理ができてない証拠>といった文言が掲載されていた。

 これに気づいたユーザーがTwitterで問題を指摘し、同社および「Dr.ストレッチ」を展開している大元である株式会社フュービックは、意図して記載した文言ではなく何者かが勝手に書き換えたものだと説明。

Dr.ストレッチの求人に「新型コロナは体調管理できてない証拠」不可解な炎上で運営会社「法的に対応する」

 ストレッチ専門店「Dr.ストレッチ」をフランチャイズ展開している株式会社つながりが、時代の価値観とあまりに異なるメッセージを求人情報サイト「engag…

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Dr.ストレッチの求人サイト改竄問題に社長は「悔やんでも悔やみきれない」の画像3 ウェジー 2020.03.10

 そして3月11日、株式会社フュービックは自社サイトにて今回起きた騒動の一連の経緯について、以下のように詳細を説明した。

・同社の元従業員は、Dr.ストレッチ事業以外での職務に関して同社経営陣と意見が対立し、同社に在籍していた2019年12月下旬より、同社への嫌がらせを目的として、求人サイト内において、同社幹部の役職を「Dr.ストレッチ執行役員」という実在しない名称に変更したうえ、同社幹部による「残業代は払わない」旨の虚偽のメッセージを掲載し、募集給与についても東京都の最低時給を下回る1000円に書き換える等の改竄を行った。

・同社の元従業員は、同社を退職後も、2020年2月中旬まで、上記した同社幹部が「新型コロナだって体調管理ができていない証拠」等と述べたかのような事実無根のメッセージの記載を行うなどして、同社への嫌がらせを目的とした改竄を継続した。

・同社の元従業員は、同社に在籍中、同社の本件求人サイトにおけるアカウント管理を担当していたが、元従業員の退職後も同社はパスワード変更の措置を講じていなかったため、元従業員は退職後も数回の不正アクセスを行った。

・同社の元従業員は2018年1月以降、当社のフランチャイズ事業であるDr.ストレッチの業務には関与しておらず、本件改竄当時、Dr.ストレッチの業務についての正確な知見は有していなかった。

・同社は、元従業員に対し、民事及び刑事での責任追及を行う予定である。

 株式会社つながりの元従業員が同社を逆恨みし、腹いせに求人ページ内の文章を変更したということのようだ。

 それにしても、元従業員が求人ページ内の文章を改竄を始めたのは2019年12月下旬だという。事実だとすれば、さすがに異変に気づくのが遅すぎるのではないか。2~3カ月も自社の求人ページを放置していたことになり、管理体制の不備は会社側の責任と言えるだろう。2018年1月以降はDr.ストレッチの業務には関与していない元従業員が、2019年12月下旬の時点でも管理ページにアクセスできてしまった点も同様だ。

 株式会社つながりの社長を務める間宮秀樹氏に説明を求めた。まず、元従業員と経営陣はどういった理由で対立していたのか。

間宮氏「“対立”という言葉に誤解を招いたところがあるかもしれません。当人(元従業員)が犯した罪の内容から推察すると、“対立”というよりも、『当時、当人が私に一方的な敵対心を持っていたことが背景にあった』と表現するのが妥当かと思います。当人の認識はそのように推察されますが、私としましては、退職前の最後の面談で、当人から『間宮さんとは仲悪くなりたくないです。これからも食事などもいきたいですから』という言葉を受けたこともあり、当人と対立したという認識は持っておりませんでした。

 元々、当人は『間宮さんと一緒に働きたいから』という理由で入社してきた人物です。私自身も当時の採用経験では一番の手応えを感じた人材でした。当人はプレイヤーとして期待通りに優秀な成績をおさめ、入社1年強で店長に抜擢したものの、感情が不安定な部分からスタッフの支持を得られず、2019年11月頃から店舗が空中分解しそうになりました。苦肉の策として、私から別事業での事実上の昇格ポストを提示し、同店の店長からは外れるよう促しました。

 当人はそれを『間宮に捨てられた』と曲解したようで、冷静さを保てない精神状況と思われたため、あくまで提案ではありますが、『残っていた有給休暇をとって、しばらく休みを取ってこちらの提案をゆっくり検討してはどうか』と伝えました。そして、この頃から今回の騒動となった改竄が少しずつ始まりまっていたようです。結局、当人の判断により有給をすべて消化した後に当人は退職したのですが、当人は『なぜ自分が辞めなければいけないのか』と思うようになり、弊社への嫌がらせを考えたようです」

 2019年12月下旬に求人サイト内の文章を改竄していたとのことだが、なぜ数カ月も気づかず放置してしまったのか。

間宮氏「12月下旬から改竄をし始めたと証言していますが、社内調査の結果、2月上旬に弊社管理者がアクセスをしております。その際は大きな違和感がなかったという弊社管理者の証言もあります。これだけ大きく変えられていて、気づかないということはないと思われるかもしれませんが、採用が冷え込んだ時期ということもあり、弊社管理者やスタッフもインタビュー記事を細かくチェックできていなかったことが原因です。

 当人からも不正アクセスはその後も断続的に何度か行ったという証言から、どの時点でどの表現が大きく改竄されたのかまでは、残念ながら支援ツールの特性上、掌握することができません。しかしながら、コロナウィルスの蔓延は12月下旬にはまだここまで予想できなかったと推察されるため、大きな改竄は12月よりもかなり後だと考えられます。

 また、『不正アクセス』という言葉が一人歩きしてしまい、世間の混乱を招いてしまった側面もありました。弊社からすれば、許可されていない人間からの『不正アクセス』に違いないのですが、世間では求人支援サイトへのハッキングと誤解されてしまった節があります。そのため、求人支援サイトから『不正アクセスはなかった』という旨の発表に矛盾を感じた人もいたようです。

 1社に1つ付与されるIDとパスワードを当人が不正に利用し、退職後でもアクセスできてしまった弊社の落ち度については、悔やんでも悔やみきれませんが、『当人によって記載された違法性のある内容は事実無根である』ということは改めて強調しておきたいと思います」

 Dr.ストレッチの顧客に関する情報はどのように管理しているのか。

間宮氏「顧客情報に関しては、まったく異なるシステムを採用しております。IDを1社で共有して無料で自由に編集できる採用支援ツールと異なり、顧客の個人情報については、より強固なまったく別のセキュリティシステムを採用しております」

 株式会社つながりでは、当人に対する法的措置は検討しているのか。

間宮氏「当社として失ったものは大きく、また社会的にも影響を与える騒動になってしまった点から、顧問弁護士に相談しながら当人にはしっかりと罪を償ってもらう所存です。また当人からも『一生かけてでも罪を償います』という言葉を受けています」

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