「1ヵ月の性交回数」を競い合うレースに没頭したリアルナンパアカデミーの塾生たち

文=高橋ユキ
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「Getty Images」より

【リアルナンパアカデミー事件 裁判傍聴記録/2】

 女性を酩酊状態にして性交する“メソッド”を共有していたリアルナンパアカデミー(以下RNA)の活動の実態が最初につまびらかになったのは、元塾生・羽生卓矢(当時33)の公判だった。

強引に酩酊させて犯し動画まで撮る、リアルナンパアカデミーのメソッド

【リアルナンパアカデミー事件 裁判傍聴記録/1】 女性に酒を飲ませ、酩酊状態にさせたうえ性交したとして、準強制性交等罪に問われていたナンパ塾『リアル…

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「1ヵ月の性交回数」を競い合うレースに没頭したリアルナンパアカデミーの塾生たちの画像3 ウェジー 2020.03.23

 2018年7月12日の初公判では、同じくRNA塾生で、共犯の東京メトロ社員、根本賢(当時27)と共謀し、昨年7月31日の夜から翌日の1時半ごろにかけ、新宿ハウスの一室でXさんが酒に酔って抵抗不能な状態になったことに乗じて性交したという「Xさん事件」についての起訴状と証拠書類読み上げまでが行われた。

 第二回公判では、大瀧と起こした被害者Yさんについての集団準強姦罪の追起訴があり、先のXさん事件とあわせて審理が行われた。「Yさん事件」が起きたのは2017年4月1日未明から朝にかけて。前月からRNAでは塾生同士が「1ヵ月の性交回数」を競い合っており、その期限が4月1日の朝8時であった。そのため性交回数を増やしたいと考えていた羽生は、大瀧から「Yさんとカラオケをしてる」と連絡を受け、渡りに船と合流。Yさんを新宿ハウス一室で酩酊させ、大瀧と共に性行為に及び、その様子を動画撮影した。いずれの事件についても羽生被告は「間違いありません、申し訳ございませんでした」と全て認めている。

 女性を酔わせる手口は共通していた。いずれも都内の店で飲んだ後に、新宿ハウスに移動。ダーツに負ければ度数の強い酒を一気飲みするというルールで、女性たちを酔わせる。さらにカードゲームでも同じルールを用い、酩酊させて性行為に及んでいた。ここでYさんはダーツに勝ち続けたため、羽生はカードゲームに勝負を移し、大瀧とこっそりメールで手札を教えあいながらイカサマをしてYさんを負けに追い込み一気飲みするよう仕向け、酩酊させたのだという。

 RNAの塾長・渡部被告は女性をナンパしてセックスに至るまでのテクニックを塾生たちにレクチャーしていただけでなく『合意を得た記録を残せ』と指導していたため、塾生たちは性交動画を撮影した上、塾長にそれを送信したり塾生間で共有していた。羽生らも、性交中にその様子を撮影したり録音したりしており、行為後にこのデータをRNAのグループLINEに送信している。

 前述したように、「Yさん事件」を起こした当時、RNA塾生らは「1ヵ月の性交回数」を競い合うレースの最終日ギリギリだったことから、頻繁に塾生らのニックネームとその月の彼らの性交回数が別の塾生によって集計され、グループLINEに投稿されていた。「Yさん事件」直前、羽生被告の月の性交回数は「21」、大瀧は「19」。集計締め切り時刻7分前の4月1日7時53分、羽生被告は「間に合った」という文言とともにBさんの写真をグループLINEに送信。これをもって一覧表は更新され、羽生被告は「22」、大瀧は「20」となった。

「20ゲットおめでとう」

 羽生は大瀧にこう労いの言葉をかけたという。RNAではひとりの女性と性交することを『ゲット』という単位で表現する。またナンパ界において、ナンパしてその日のうちに性交に至ることを『即』と呼ぶ慣習がある。

 さて、RNAの関係者が起訴された事件においては、必ず塾生か塾長といった“共犯”がいることに気づくだろう。これは彼らが『正3』というスタイルでナンパに励むことが多かったことと関係している。男2、女1という組み合わせはナンパ業界では『正3』と呼ばれ、RNAではこの『正3』を通じて、ナンパや性交に至る流れの技術伝承が行われることが多かった。ベテラン塾生が新米塾生にメソッドを伝えるのだ。

 公判でも、2名の被告がひとりの女性をナンパして事件に至るケースが目立った。ただ、塾長・渡部被告に関しては、複数の女性をナンパしており『正3』ではない。この場合『即』までのハードルは上がることになるが、それでも渡部被告が複数相手のナンパに挑んだのは、のちに女性同士を『セパレート』して『即』するスキルがあるという絶対的自信、もしくは塾長としての見栄によるものであろう。

 3月の月間性交回数を競い合うため、毎日のようにナンパし『22ゲット』を果たした羽生は公判で、性交人数にこだわりナンパを続けていたことを、こう振り返った。

「ナンパして、性交人数が増えること、ある種ステイタスのように感じてました。身勝手な思いで繰り返してた、バカだったと思います」

【リアルナンパアカデミー事件 裁判傍聴記録】

▼1:強引に酩酊させて犯し動画まで撮る、リアルナンパアカデミーのメソッド
▼2:「1ヵ月の性交回数」を競い合うレースに没頭したリアルナンパアカデミーの塾生たち
▼3:リアルナンパアカデミー事件「被害者の落ち度」をあげつらう卑劣
▼4:リアルナンパアカデミー塾長「女は同意していた」の言い分
▼5:リアルナンパアカデミー塾生にとって、女性は道具でしかなかった

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