リアルナンパアカデミー塾長「女の証言だけで!」罪を認めない姿勢貫く理由

文=高橋ユキ
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「Getty Images」より

【リアルナンパアカデミー事件 裁判傍聴記録/6】

 RNAの教材『ナンパの技術』は、初級編から上級編まで3冊ある。これらを紐解くと、RNAにおいては“モテること”が『ゲット数を増やすこと』と同義に扱われており、その前提で技術の解説がなされている。

 初級編ではいきなり「初級~中級レベルでは素の自分と相性の良い女の子だけをゲットしていくだけでも良いですが、上級レベルになると、様々なタイプの女の子に対応する能力も身につけるべきです。」と、あらゆるタイプの女性を『ゲット』できるようになることこそが重要と説いている。その他、

「ターゲットの女の子の後をつけるだけで、結局声をかけられない人を「歩き地蔵」などと言います。こういった地蔵に関する問題ですが、その問題に直面している人にはかなり精神的な負担がかかっています。しかしナンパを実践していく上では必ず解決しなくてはならない問題です。」

「ナンパが非日常の行為であれば、コンスタントに結果を出すことはできません。そのため、ナンパを始めた初期の頃の理想としては週に3~4回、1回につき3時間以上ナンパをするのが好ましくなります。ナンパをするという行為に慣れ、ナンパを日常的なものとして、かわいい女の子がいればナンパするのが当たり前という心理をできるだけ早く身につけてください」

 など、とにかく高みを目指すように読者を鼓舞する。

 ナンパの教材であるから、こうした解説自体は非難されるべきものではない。だが、いささか気になる解説も散見された。

「相当可能性は低いですが、美人局や恐喝といったケースがあります。可能性としては0ではないので、一応解説しておきます。基本的には冷静に対応して相手の言質などを録音してしまってください。こういった場合は警察に対応してもらうのが一番です。しかし、警察はしっかりとした証拠がなければ、なかなか動いてくれませんので、言質などをしっかり押さえたり、相手の身元につながるような情報を押えたりしてください」

「ゲーム紹介:ここでは2対2などの人数の多い飲みの席でのゲームを紹介します。ゲームをすることによってみんなで楽しみ距離を縮めたり、罰ゲームでお酒を飲むというルールを作ることによって、女の子が早く酔うようにするという効果があります。お酒を無理に飲ませて泥酔させたりしてはいけませんが、女の子もお酒を飲むとHになったりするので、ゲットするのにプラスに働きます。

 男2人でAとBがいるとして、Aが言う時にはBはいつも○本あげる、Bの時にはAはいつも○本あげる……という打ち合わせをしておくと、多少、勝ち抜けやすくなります」

 教材には泥酔した状態の女性との性行為に注意を促すなどの“タテマエ”的な記述もみられる中、すでにゲームでのイカサマを豆知識的に散りばめている。

 また“女性から訴えて来られたときのために証拠を残しておく”ことも推奨している。事件時に渡部被告は『和姦の証拠を残せ』と指導しており、塾生らもそれを鵜呑みにして『ゲット』時の動画を撮影していたが、実際のところ、こうした動画データ撮影は、女性による被害を訴えづらくする目的もあったのではないかと思われる。自分の性交動画を相手が所有しているという恐怖はあったはずだ。実際に、公判で陳述した被害者らはいずれも「動画データの拡散」を非常に恐れていた。

 渡部被告が『即によるゲット数』にこだわった理由をもうひとつ挙げるとするならば、それはRNAの運営のためであろう。新規入塾者を呼び込むためには自分のカリスマ性を誇示し、またそれなりの成果を見せることが重要だからだ。

「渡部被告は昔は、失敗も話していましたが、いつしか、万能の人間という空気感を醸し出すようになりました。失敗を話さなくなったというのか、それが故に、失敗できなくなってきたというのがあります。『あの塾長が、女の子に断られた』なんていうことはあってはいけないという状況になってきたわけです。年齢を重ねれば、ルックスも落ちるわけですから、断られる回数も増えていったんだと思います。そのような状況もあり、塾長もウメリタスの回数が増えていったように思います」

 こう語るのは、古くから渡部被告を知る人物。ウメリタスとはスピリタスと梅酒を混ぜるドリンクだ。ハウスでのゲームの際、負けた女性にこのウメリタスを飲ませ、泥酔させたうえで性交するという“メソッド”により『ゲット数』を維持するようになった渡部被告は、事件数年前から自分が認めた塾生だけにこの技を伝授していたという。自分の塾長としてのカリスマ性を誇示し続けるために、違法な行為に手を染め、それを一部の塾生に共有し、事件は起こったのである。

リアルナンパアカデミー塾長「女は同意していた」の言い分

【リアルナンパアカデミー事件 裁判傍聴記録/4】 女性に酒を飲ませ、酩酊状態にさせたうえ性交した罪に問われていたナンパ塾・リアルナンパアカデミー(以…

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リアルナンパアカデミー塾長「女の証言だけで!」罪を認めない姿勢貫く理由の画像3 ウェジー 2020.03.26

「女の証言だけで逮捕されて有罪になる日本」

 渡部被告は逮捕まで、Twitterを更新しており、先に逮捕起訴された塾生に有罪判決が下された際、上記のようにつぶやいていた。

 単なる独り言としてのつぶやきだけでなかった。筆者のTwitterアカウントには、たびたび渡部被告からのリプライが届いた。

「記者やってて女の証言だけでえん罪で有罪になって刑務所に入ってる人がたくさんいる事実も知らないんですか?警察・検察は必ずしも正義ではないし裁判官もいい加減、被害者が真実を語ってるとは限らない。曲りなりにも記者なら真実見ましょうね。」

 一連の行為が犯罪であると認めることは、塾長・渡部被告にとって、自分を否定することと同義である。自分の築いてきたRNAという組織、塾長という存在が犯罪行為の上に成り立っていた虚像だと認めることなど、できるはずもない。そのため公判では否認し、被害者となった女性に詫びることもなかった。おそらく今後もこの姿勢を貫くことだろう。

【リアルナンパアカデミー事件 裁判傍聴記録】

▼1:強引に酩酊させて犯し動画まで撮る、リアルナンパアカデミーのメソッド
▼2:「1ヵ月の性交回数」を競い合うレースに没頭したリアルナンパアカデミーの塾生たち
▼3:リアルナンパアカデミー事件「被害者の落ち度」をあげつらう卑劣
▼4:リアルナンパアカデミー塾長「女は同意していた」の言い分
▼5:リアルナンパアカデミー塾生にとって、女性は道具でしかなかった
▼6:リアルナンパアカデミー塾長「女の証言だけで!」罪を認めない姿勢貫く理由

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