日本政府のイベント事業者への補償がひどすぎる しかるべき補償策とは?

文=wezzy編集部
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Getty Imagesより

 新型コロナウイルス感染拡大の影響から、2月26日に安倍首相がイベント自粛要請を出して1カ月以上が経った。これにより、イベント会社やライブハウスのなかには事業継続が難しくなり始めたところも出てきている。

 自粛要請ばかりが先行し補償のない状況に、業界関係者からは悲鳴の声があがっている。3月24日に政府ヒアリングに参加したチケット事業大手・ぴあの矢内廣社長は「自粛要請を受けて自らの判断で中止・延期した人たちへの補助をきちんとしてほしい」と訴えた。

 そうした声を受け、政府・与党からもようやく補償の話が出てきた。一部報道によると、中止となりチケット払い戻しとなった公演でチケットを買った人が払い戻しをしなかった場合、主催者に対して寄附をしたとみなして所得税の優遇措置を受けられる対象とする検討に入ったという。

 これが実現すれば、自分が応援するアーティストや劇団のためにチケット払い戻しを控えるファンも一定層出てきて、イベント事業者の負担も少しは減るだろう、という算段のようだ。

 しかしなぜ、この期に及んで、表現者に対するファンの愛情に頼りきり、「自助努力」ですべてを背負わせるような補填策しか出てこないのかは甚だ疑問。

 政府からの自粛要請を受け、どのイベント事業者も新型コロナ感染症の拡大を防ぐために協力している。その結果としての窮状である以上、自粛要請と同時に補償策も出てしかるべきだ。

海外に比べてあまりに遅れている日本の支援策

 コロナ禍にあえぐ文化・芸術への支援をめぐる状況は、諸外国の補償策と比べると絶望的な開きがある。

 イギリスは雇用を守る企業に給与の最大80%(2500ポンド、日本円で約34万円を上限とする)を助成すると発表しているが、それ以外にも、アーツカウンシル・イングランドは1.6億ポンド(約216億円)の緊急支出を打ち出している。

 アメリカは家計支援として大人1人に最大1200ドル(約13万円)の現金給付を行うなどを行う史上最大規模の経済支援策を打ち出しているが、NEA(米国芸術基金)も、非営利芸術団体向けに7500万ドル(約83億円)の緊急支援の方針を発表している。

 フランスでは、映画・音楽・舞台芸術・美術のジャンルごとにそれぞれ数億円規模の支援基金が創設されている。カナダでも、失業保険の対象とならないフリーランス事業者向けの緊急支援手当を打ち出した。

 芸術家やフリーランス事業者への支援策で話題となっているのがドイツだ。モニカ・グリュッタース文化相は「クリエイティブな人々のクリエイティブな勇気は危機を克服するのに役立つ。私たちは未来のために良いものを創造するあらゆる機会をつかむべきだ。そのため、次のことが言える。アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだ。特に今は」と、国がエンターテインメントや芸術産業を守る必要があるとの認識を示した。その結果、助成金に加えて、フリーランス事業者でも失業保険を含む社会保障を利用できる補償策が用意されている。

 3月28日の会見で安倍首相は「人びとの心を癒やす文化や芸術、スポーツの力が必要です。困難にあっても文化の灯は絶対に絶やしてはなりません」と語った。本当にそういった認識があるのであれば、いますぐやるべきことがあるはずだ。

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