志村けんと相葉雅紀の優しい思い出「俺の膝で寝ちゃってね」

文=秘密のアツコちゃん
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志村けんさんInstagramより

 志村けんさんの突然の訃報に、悲しみの声が溢れています。アツコも志村けんさんには取材などでお世話になった一人として、温かな記憶を振り返ります。舞台裏での優しい人柄が偲ばれる、嵐・相葉雅紀さんとの出会いのエピソードとは?

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 皆さん、ごきげんよう。アツこと秘密のアツコちゃんです!

 志村けんさんが急逝されました。新型コロナウイルスに感染……との報が流れてから、わずか数日後の訃報。志村さんのことだからすぐに元気になられてまたいっぱい笑わせてくれるに違いないと、誰もが強く信じていたのに。あまりに早い旅立ちでした。

高級リムジンから「乗る~?」

 アツが初めて志村さんをインタビューしたのは、もう随分と前のこと。取材場所の近くに長ーいリムジンが止まっていたので「どんな人が乗るんだろうね?」と、中に人が乗っているとは考えずに覗き込んじゃって。「どの位の長さなんだろう?」と測ってみたら大股で7歩分もあって、スタッフと「すごーいっ、長ーい」とひとしきり大騒ぎ。すると突然、扉が開いて「乗る~?」と言いながらラフなジーンズ姿でふらりと降りていらしたその方が、志村さんでした。お恥ずかしい~!

 当時はまだタバコを吸っていた頃で「どこもかしこも禁煙で、喫煙者の肩身は狭くなるばかりだよ。新幹線移動なんてホント大変なんだから」なんて苦笑いしながら愚痴っていたんだけど、タバコをくゆらす姿がとてつもなくカッコよくて、そのままタバコを手に写真撮影をさせていただいたの。

 テレビではテンション高く「変なおじさん」や「バカ殿」に扮する志村さんだけど、取材時の声のトーンは穏やかで、その姿がとても新鮮でね。ただ驚いたのは、インタビュー途中、唐突に「アナタはA型かO型でしょ?」とおっしゃるので「ハイ」と答えつつ、何でかなと思い聞いてみると「うん、そんな気がした。俺、B型の女性にはいつも振り回されちゃってさ、ちょっと懲りたのよ。それ以来、B型女子は勘で分かるようになっちゃった」なんて言うので大笑いしちゃったのよね。大御所と呼ばれる立場なのに、アツなんかにも「気を使われるのはイヤだから、何でも好きに聞いて」と優しく接してくださって。「あ~、やっぱり本物は違うわ。器がデカイなぁ」と感動したのよ。

 同じくザ・ドリフターズの加藤茶さんもそうなんだけど「これからもずっと『加トちゃん 』って呼んでよ。子供の頃から見てくれてたんでしょ? だったら加トちゃんでしょう。取材だろうと何だろうと『加藤さん』なんて呼んだら返事しないからね~」等と言ってくださって。

 ま、でも志村さんは最後まで加藤茶さんのことを「加藤さん」と呼んでいたから、傍若無人なアツでもそう簡単には「加トちゃん」とは呼べなかったんだけど……取材が進むうちいつの間にか「加トちゃん」と呼んじゃうようになっていて(笑)。ザ・ドリフターズの皆さんはどなたも優しい空気を身にまとっていらっしゃって、いつもすごく助けられてたの。

 志村さんにはその後も『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ系)など、折に触れ何度も取材をさせていただいたんだけど、共演する相葉雅紀くんのことをとっても可愛がっていて、収録終わりによく一緒にご飯を食べに行ってたのよね。ある時、志村さんが話してくださったことで大笑いしちゃったんだけど、それはこんなこと。

「相葉くんと収録をして、その後に初めてご飯に行った時のことなんだけどね。相葉くんは緊張したって言ってたんだけどお酒も進んできて、いい調子で楽しく飲んでたら、気がついた時には相葉くんが寝ちゃってて。

疲れもあっただろうし緊張してたのかもしれないなと思ってそのまま寝かしておいたんだけど、俺の膝の上で眠っちゃってね。おねーちゃんにしか貸したことのない俺の膝枕でスヤスヤ寝ててさ、可愛いなぁと思って。俺の膝、相葉くんにならいつでも迷わず貸しちゃうよね」

 もう本当にいい人! 相葉くんが尊敬し慕うのも当然だわ。志村さんは「歳をとるって大変なことだと思うけど、面白い『変なおじーさん』になりたいよね」とおっしゃっていて。そう簡単にはなれないだろうけど、志村さんみたいな歳の重ね方をしたいなと心底、思ったものよ。

大切なことを淡々と教えてくれた

 で、その『~志村どうぶつ園』なんだけど、志村さんへの敬意を払い、当面の間タイトルなどは変更せず、メインMCを意を汲んだ相葉くんが務めるそうなの。4月4日には『特別編』として、多くの動物たちを愛した志村園長の姿を振り返るんですって。志村さんと一緒に仕事をしていたスタッフは誰もが志村さんが大好きで「背中で教えてくれるという感じかな。口でクドクド説明したり、自慢話や説教じみたことは一切言わなかったね。淡々とした口調で、大切なことをしっかり教えてくれた」んですって。さすがだわ。

 ……と、志村さんの偉大さを改めて感じていたそんな矢先のこと。志村さんよりはだいぶ年上であろう大道具の男性が若手に向かって「オイ、そこの。“げんのう”持ってこい」と大声を張り上げていて、若いスタッフがキョトンとして動けずにいるところに遭遇。異変に気づいた現場チーフが駆けつけて「金づちだよ、トンカチ」と訳して、ようやく事態を飲み込んだ若手は走ってトンカチを取りに……ってことがあったの。

 スタジオで大道具さんのあまりの剣幕にアツたちも固まっちゃったわけなんだけど、検索してみると“げんのう”=「玄翁」=金槌。現場のチーフは「職人気質のじーさんだから仕方ないんだ。意地悪でわざと言って誰彼構わず喧嘩を売るのが常。長い説教と自慢話しかしないから困ったもんだよ。志村さんみたいな超一流の人は決して威張ったり、むやみに怒鳴ったりしないしね。人間としての技量が違うんだよな」としみじみ。そう言えば先日まで放送されていた『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日系)の中で、倉本聰先生が描かれたセリフにこんなのがあったんだけど、ついつい思い出しちゃったわ。

 それはね、歳をとると、「人がどう思うか、間違ってるか間違ってないか、そこんところもわかんなくなる」というご老人のセリフだったんだけど。

 倉本作品だったし、ちょうど志村さんのこともあったから、このセリフがどうにも引っかかってしまって。無理をしてまで好々爺になる必要はないだろうけど、周りの人からことごとく嫌われるような人間にはなりたくないなぁ。言ってることとやってることがまるで違うなんて言語道断だし、志村さんのように人の心と時代をきちんと読み取れる人になりたいしね。素敵な歳の取り方ができるようアツも精進しなくっちゃ!

 志村さん、沢山の笑いを本当にどうもありがとうございました。心よりご冥福をお祈り致します。

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