志村けんとのLINEを公開した「最後の女性」のインスタにある違和感

文=エリザベス松本
【この記事のキーワード】
志村けんとのLINEを公開した「最後の女性」のインスタにある違和感の画像1

奥村美香Instagramより引用

 新型コロナウイルスによる肺炎で3月29日に亡くなった志村けんさん(享年70)。その志村さんの「最後の女性」の2時間にも渡る独占告白を記事にしたのは、4月7日発売の「女性自身」(光文社)だ。おそかれ早かれこういう話が出てくるだろうな、と予想した人は多かっただろう。

 「女性自身」が志村さんの「最後の女性」と位置づけたのは、モデルの奥村美香(32)という人物だ。志村さんと奥村が出会ったのは2年半前のことで、すぐに深い仲となり多いときは週に3回会うこともあったそうだ。志村さんは奥村と会うときはたとえ昼間でも隠すようなこともなく、手をつないだり肩を組んだりして馴染みの街・麻布十番を堂々と歩いていたという。

 生涯独身を貫いた志村さんだが、側には常に女性がいたというのは周知の事実。芸能人、一般人問わず、数え切れないほどのツーショットを撮られてきた。だから、奥村が志村さんを取り巻く女性のひとりだったとしても何ら驚きはない。「女性自身」によると、奥村が同誌に「私が志村さんの最後の女です」と言って売り込んできたわけではなく、志村さんの関係者の証言から彼女の存在に辿り着いたのだという。

 記事内には奥村と志村さんのツーショットが何枚も掲載されているだけでなく、志村さんが奥村に送ったというLINEもスクリーンショットで載せられている。志村さんが送った言葉のうちのひとつ「月が綺麗です」――非常にロマンティックな文言である。だが「恋しましょう」「子づくりしませんか?」などの思いを綴った赤裸々なメッセージについては、正直、これを自分の死後に世間にさらされるなんて、送信した当の本人である志村さんもまさか思わなかったはずだ。

 志村さんと奥村がもし本当に愛し合っていたのだとしたら。こういった2人だけの言葉というのは、世間に公表することなく静かに自分の胸にしまっておきたいものではないだろうか。少なくとも筆者はそう考える。生前に「俺の子どもを産んでくれ」とまで言われたほどの仲なら、なおさらだ。大切な人の大切な言葉は、世間にひけらかすものではない。

 奥村のインスタグラムをチェックしてみると、そのコメント欄は案の定荒れていた。奥村は志村さんの訃報が世に知らされた3月30日に志村さんとのツーショット写真をインスタに2枚アップ。1枚はおそらく志村さん出演舞台の楽屋に訪れたときのものであろう写真。そしてもう1枚はどこか飲食店で並んで座る笑顔の2人の写真だ。奥村はワイングラスを持ち、志村さんは手をまわして奥村と肩を組んでいるように見える。

 「けんさん亡くなりました。お世話になっていたので本当に残念すぎます。楽しかったです」「突然すぎてショックすぎて本当悔しいです。なんでけんさんなんだろう…」等と綴られた文言に違和感はないのだが、気になってしまうのは文章が終わったあとに、彼女がハッシュタグをいくつもつけていることだ。#志村けん はまぁまだわかる(いらないとは思うけど)。だがそれだけではない。

#水着 #オーディション #タレント #マシェバラ #猫 #大好き #芸能人 #スタイル #寿司屋 #撮影会 #東京 #ファッションショー #携帯 #モデル #筋トレ #女優 #なんだろう

 最愛の人の死を知らせる投稿に、このハッシュタグ……要るだろうか。涙を流しながら「#スタイル」「#オーディション」? そこに違和感を覚えたのは筆者だけはないようで、週刊誌発売後の4月7日現在この投稿には80件のコメントがついており、そのほとんどが彼女を「売名行為」と非難する声だ。「女性自身」が記事の一部を掲載したネットニュースについたコメント数はもっと多い。現在2000件を超えるコメントがついており、ここでも「志村さんとの思い出」を公開したことへの非難が多数だ。

 彼女にしてみれば、週刊誌の取材を受け、素直に心情を吐露しただけにすぎないのかもしれないが、いまはまだ志村けんという喜劇王の突然の不在を受け止めきれず悲しむ声も大きい。志村さんは優しい人柄だったという。彼ならば「仕方ないなぁ」と笑って許すのかもしれない。だが、その言葉を直接聞くことがもうできない我々の胸には「いまこんな話をしなくても、LINEの内容をさらさなくても……」というなんとも言えないモヤモヤが残るのみである。

「志村けんとのLINEを公開した「最後の女性」のインスタにある違和感」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。