新型コロナ「30万円給付」に当てはまる個人事業主・フリーランスって?

文=川部紀子
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生き延びるためのマネー/川部紀子

 ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。新型コロナウィルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言が発表されたと同時期に緊急経済対策案も公表されました。その中で、最も注目されているのが一世帯に現金30万円の給付でしょう。

 しかし、「わかりにくい」「条件が厳し過ぎる」などの批判も相次ぎました。その後、政府は給付基準の変更を発表し、会社員・非正規雇用労働者など(給与所得者)(会社員・非正規雇用労働者版へ)についてはわかりやすくなりました。とはいえ現段階では、個人事業主・フリーランスの基準は発表されておりません(2020年4月10日時点)。受給できる可能性が高いのか低いのかだけでも知りたいという人も非常に多いでしょう。そこで、ハフポストの記事(小池晃書記長の発言)から予想される基準(東京23区住民税非課税世帯)について筆者が独自の試算をしてみました。目安として参考にしてください。

●個人事業主・フリーランスの方は、次の【パターン1】の手順で計算し、当てはまらなければ【パターン2】の手順で計算しましょう。

【パターン1】

①新型コロナが拡がってきた頃から売上がかなり下がった!(2~6月のいずれかの月)
 例)今月の売上が10万円に……。経費は4万円もかかるのに……。

下がった売上×12、経費×12を計算しましょう
 例)売上10万円×12=120万円、経費4万円×12=48万円

上の計算から年間の売上-経費を計算しましょう(青色申告特別控除を受けられる手続き、経理を行っている人は、さらに該当の青色申告特別控除額の10万円または65万円を引いてください)。
 例)120万円-48万円=72万円(青色申告の場合はさらに10万円または65万円を引く)

計算結果が次の数字以内かどうか確認しましょう
 ・独身(子や親など誰も扶養していない)、あるいは単身(既婚者でも、親などと同居でも構わないが「世帯分離」の手続き済み)
 ⇒35万円

 ・扶養している配偶者や親族が1人いる
 ⇒91万円

 ・扶養している配偶者や親族が2人いる
 ⇒126万円

 ・扶養している配偶者や親族が3人いる
 ⇒161万円

⑤計算結果が④の金額以内だと受給できる可能性がとても高いです。

 今回の例の場合、売上から経費を引いた額は72万円なので、独身・単身の場合はNG、扶養親族がいればOKということになります。

※住民票のある地域によって基準が数万円違う場合があるので、数字がギリギリの場合は、「給付の可能性が微妙なライン」と慎重に考えておきましょう

※既婚者であったり、親と同居でも、介護費用対策など裏ワザ的な理由で「世帯分離」という手続きをしている方がいます。この場合では、それぞれが「世帯」となるので、自分、親、配偶者などそれぞれが「単身」となり、それぞれが受給できる可能性があります(現在、このケースが非該当との発表はありません)。

 見込みありの場合は、昨年分の確定申告関連書類、売上が下がったことが確認できる帳簿・書類をスタンバイしましょう

【パターン2】上記パターン1よりは多く収入のある方はこちら

①新型コロナが拡がってきた頃から売上が半分以下になった!(2~6月のいずれかの月)
 例)売上30万円くらいだったのに15万円に……。経費は6万円もかかるのに……。

②下がった売上×12、経費×12を計算しましょう。
 例)売上15万円×12=180万円、経費6万円×12=71万円

③上の計算から年間の売上-経費を計算しましょう(青色申告特別控除を受けられる手続き、経理を行っている人は、さらに該当の青色申告特別控除額の10万円または65万円を引いてください)。
 例)180万円-71万円=109万円(青色申告の場合はさらに10万円または65万円を引く)

④計算結果が次の数字以内かどうか確認しましょう。

 ・独身(子や親など誰も扶養していない)、あるいは単身(既婚者でも、親などと同居でも構わないが「世帯分離」の手続き済み)
 ⇒70万円

 ・扶養している配偶者や親族が1人いる
 ⇒182万円

 ・扶養している配偶者や親族が2人いる
 ⇒252万円

 ・扶養している配偶者や親族が3人いる
 ⇒322万円

⑤計算結果が④の金額以内だと受給できる可能性がとても高いです。

 109万円なので、独身・単身の場合はNG。扶養親族がいればOKとなります。

※住民票のある地域によって基準が数万円違う場合があるので、数字がギリギリの場合は、「給付の可能性が微妙なライン」と慎重に考えておきましょう

※既婚者であったり、親と同居でも、介護費用対策など裏ワザ的な理由で「世帯分離」という手続きをしている方がいます。この場合では、それぞれが「世帯」となるので、自分、親、配偶者などそれぞれが「単身」となり、それぞれが受給できる可能性があります(現在、このケースが非該当との発表はありません)。

 見込みありの場合は、昨年分の確定申告関連書類、売上が下がったことが確認できる帳簿・書類をスタンバイしましょう

おわりに

 手続きは各市区町村となるようですので、該当する方は確実に受け取るよう手続き情報を待ちましょう。今後さらに詳しい受給要件が発表されることになると思います。連日、次々に新型コロナに関する新しい報道が流れてきますが、できるだけ情報を収集し、使える支援はできるだけ使うようにしてください。

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