水道料金の免除、ひとり親世帯に5万円支給 新型コロナダメージに各市区町村の取り組み

文=宮西瀬名
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GettyImagesより

 新型コロナウィルスの流行による事業縮小や給与減少で、少なくない数の人々が不安を抱えながら生活している。日本政府は緊急経済対策として国民へ一人当たり一律10万円を給付すると決めたが、多くの自治体でも市民や事業者を救済するための支援策の取り決めを進めている。

 東京都では感染拡大の阻止、経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化などに充てる緊急対策に総額およそ8000億円を捻出する。感染リスクの高い妊婦へのタクシーチケット配布、活動を自粛しているアーティストに発表の場を提供するなどの対策も盛り込まれている。

 福井県では、全国的にマスクが品薄状態にある状況を鑑みて、50枚入りのマスク30万箱、計150万枚を独自に確保し、2箱まで買うことできる購入券を県内の全世帯に配布することを決めた。同県坂井市に本社があるドラッグストアチェーン「ゲンキー」の県内64店舗に、配られた購入券を持参すれば1箱50枚入り税込み2350円のマスクを2箱まで購入できる。

水道料金を数カ月間免除も

 福岡県福岡市では、100億円規模の支援策を発表した。休業の協力要請・協力依頼を受けて休業した中小事業者の店舗の賃料を50万円まで支援するという。

 ライブハウスなどの文化・エンターテイメント施設を対象に、無観客での映像配信設備などにかかる費用を経費として上限50万円を支給。さらに、同市内の医療機関に40万円~600万円の給付や、新型コロナウィルスの患者の入院を受け入れた医療機関には1人につき30万円を支給すると決めた。

 愛知県刈谷市では、5月の請求から4カ月分、水道の基本料金を免除する。同市によると、外出自粛により家にいる時間が長くなるため、家庭の水道使用量が増えると分析。一般家庭では6400円ほどの負担軽減が望めると試算した。

 兵庫県明石市では、児童扶養手当を受給しているひとり親世帯に現金5万円を上乗せすることを決定した。かねてより子育て支援に手厚い明石市らしいやり方と言える。また、休業要請などで減収した家賃50万円以下の個人事業者を対象に、2カ月分の賃料として最大で100万円を無利子で貸し付ける制度も新設した。

 山梨県富士吉田市では、市民の経済的ダメージの軽減や不安を少しでも払拭することを目的とし、収入の増減や年齢に関係なく全市民に一律1万円を支給するという。

 千葉県千葉市では、集団感染が起きていても事業者側の協力が得られずに自治体が施設名を非公表するケースが珍しくないため、スーパーや飲食店、遊興施設などを対象に新型コロナウィルスの集団感染が発生した施設名の公表に協力する事業者に、100万円の協力金を支給する支援策を発表した。

 これらはほんの一部ではあるが、一律の現金支給や水道料金の免除など、市民の求める支援策を出来る限り迅速に講じるよう、多くの自治体が市区町村レベルでも奮闘していることは確かだ。

 しかし各自治体ができることには限度があり、どれだけ良いアイデアがあっても予算の都合上、実施できない・継続できないとなってしまうと救えるものも救えない。新型コロナウイルスの収束までは長い期間を要すると見られており、夏になれば感染力が衰えるというものでもなさそうだ。活発な経済活動を再開できるまではまだ時間がかかるだろう。

 政府は20日、今年度の補正予算案を見直し、8兆8800億円余りの追加歳出が決まった。これで緊急経済対策の事業規模は117兆1000億円程度になる。布マスク配布と一律10万円給付以外にも、事業者向けの様々な支援策などはあるが、長期スパンになることを見越しての継続的な支援が求められる。

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