エイベックス松浦勝人氏の違法薬物疑惑報道で明らかになったもう一つの問題

文=wezzy編集部
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松浦勝人Instagramより

 エイベックス・松浦勝人会長と浜崎あゆみの恋愛関係が描かれるドラマ『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日系)の放送にぶつけるかのように、「文春オンライン」が松浦会長の大麻使用疑惑を報じる記事を掲載した。

 報道は、元エイベックス社員で現在はフリーライターとして活動している女性の告発によってなされたものだ。女性は松浦氏の自伝を執筆するため密着取材を重ねていたが、その原稿が世に出ることはなかった。

 「文春オンライン」は、女性の証言と音声記録などをもとに、松浦氏の日常的な違法薬物使用を糾弾。一方の松浦氏は、「事実ではない」「女性の妄想」と真っ向否定しており、「上場企業の社長やっててそんなこと、もうやってられないです」「沢尻然り、浦田然り、色々なことが起きているなかでそこまで僕は脇は甘くはないので、そういったことはありません」と話している。

 記事によると、この女性は大学卒業後の2012年にエイベックスに入社したが、パワハラに遭って心身のバランスを崩し、3年ほど勤めた後に退社したという。

 しかし、エイベックスは学生時代から憧れていた会社でパワハラに遭っても愛着は消えなかったので、辞める直前にエイベックスへの思いを書いたメールを会社に提出。それがきっかけで松浦氏との間に交流が生まれたそうだ。

「好きで仕事をやっている人は仕事と遊びの境目なんてない」

 エイベックスの労働環境に問題があることは過去にもメディアで指摘されてきた。

 経済誌「ZAITEN」(財界展望新社)2011年7月号によれば、新卒でエイベックスに入社する人の3〜4割が入社5年で辞めていくという。

 その原因のひとつは過重労働。特にマネージメント部門に配属される従業員は若手だと休みがほぼゼロになることが一般的で、タレントの身代わりとなって交通違反で出頭することさえあると「ZAITEN」は報じていた。

 2016年12 月には、エイベックス・グループ・ホールディングスが「長時間労働をさせている」「社員の実労働時間を管理していない」「残業代を適正に払っていない」として三田労働基準監督署から労働基準法に基づく是正勧告を受けている。

 この後、グループで働く従業員約1500人を対象に勤務状況を調べたところ、約半数で残業代の未払いが判明。2017年3月期決算で未払い残業代約10億円を計上し、また、従業員の報告で労働時間を管理する仕組みを導入すると明らかにしている(2017年5月11日付朝日新聞デジタルより)。

 しかし松浦氏がすんなりとエイベックス内の問題を受け止め、改善の必要性に納得していたかは甚だ疑問だ。

 というのも、労基署からの勧告を受けた同月に更新したブログでは、労基署から法令違反があると指摘された企業はたくさんあるのにも関わらずエイベックスのように一部の目立つ企業だけがメディアで取り上げられることに不満を漏らし、このように綴っているからだ。

<望まない長時間労働を抑制する事はもちろん大事だ。ただ、好きで仕事をやっている人に対しての労働時間だけの抑制は絶対に望まない。好きで仕事をやっている人は仕事と遊びの境目なんてない。僕らの業界はそういう人の「夢中」から世の中を感動させるものが生まれる。それを否定して欲しくない>

 自らの裁量で仕事を選ぶことができるフリーランサーならともかく、労働者を束ねる経営者の言葉である。経営者がこうした発想でいる以上、雇用の喪失を恐れる労働者には「仕事が好きです」と言う以外の選択肢がなく、経営者側が「好き」を口実に従業員を過剰に働かせることも正当化されてしまう。松浦氏はその危険性を理解していないのだろうか。

 違法薬物問題の真偽を問うとともに、エイベックスのコンプライアンスとしては、こうした労働環境の問題もまた深刻ではないだろうか。

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