
Johnny’s net
ジャニーズのアイドルグループSnow Manの最年少メンバー・ラウールの着用Tシャツに込められたメッセージが、ファンの間で話題となっている。
発端は、4月29日にSnow Man公式YouTubeチャンネルがUPした動画『「クイズ!正解はラウール」メンバー愛に溺れる!』。「ラウールが今一番欲しいものは?」「ラウールを動物に例えると?」「この世で一番カワイイものは?」といったクイズに、Snow Manの他のメンバーがラウールと同じ答えを出せるかを競うメンバー愛が試される企画だ。
その動画でラウールは「EMD Serono」と書かれた赤いTシャツを着ている。
このEMD Seronoは、ドイツの製薬・化学企業のメルクと、スイスの製薬会社・セローノの統合によって設立された製薬会社・メルクセローノの北米での企業名。
今年3月、ビル&メリンダ・ゲイツ財団とスイスの製薬会社・ノバルティスが新型コロナウイルスのワクチン開発や製造のための共同事業体を立ち上げたが、アメリカのファイザーや日本のエーザイとともに、このメルクセローノも参画している。
ラウールがEMD Seronoと書かれたTシャツを着てYouTube動画の収録に臨んだのは、たまたまなのだろうか。ただ、ラウールは4月22日に同YouTubeチャンネルで配信された動画『Snow Man「絵しりとり」リモートでやってみた』でも、メッセージTシャツを着用していた。
そのTシャツに書かれている文字は「MOVE TO END ALZHEIMER’S」。アルツハイマー病のケア・研究のための組織・アルツハイマー病協会が販売しているTシャツである。ラウールのTシャツには一貫したメッセージ性があるように感じる。
Sexy Zoneマリウス葉も着ていたTシャツが話題に
ラウールにとってジャニーズ事務所の先輩であるマリウス葉(Sexy Zone)も、着用Tシャツのメッセージ性で話題をさらったことがある。
2019年7月6日に放送された9時間半生放送の大型音楽番組『THE MUSIC DAY 時代』(日本テレビ系)でマリウスは「lol patriarchy」と書かれたTシャツを着て出演した。
「lol patriarchy」は「Laughing Out Loud」を略したスラングで、「patriarchy」は家父長制を意味する単語。意訳すると「家父長制とかちゃんちゃらおかしい」「家父長制とかウケるんですけど」といった意味合いになる。
「SPUR」(集英社)2019年6月号のインタビューでマリウスは、服を選ぶときにブランドが打ち出すメッセージを気にしていると明かしていた。
マリウスはTシャツを通じたメッセージの発信だけでなく、雑誌のインタビューや、テレビ・ラジオでのトークを通じて、ジェンダーの問題などについて積極的に意見を述べてきた。
<僕は影響力の強い大きなプラットフォームを持っていて、他の人とは状況がまた違いますよね。だからこそ、発言していかなくてはならない。自分が学んだことを、同世代や周囲の人に伝える責任がある。発言する機会を与えられないコミュニティもある。そういう人たちを代弁するのではなく、彼らが声を上げられるような場所をつくっていきたいんです>(前掲「SPUR」)
つまりマリウスは、大手芸能プロであるジャニーズ事務所に所属するアイドルとして、自身の発信力や影響力を正確に把握しているのである。ラウールもまた、そうなのかもしれない。
ちなみに、1月26日に行われたSnow Manの9時間生配信では、点字ブロックを踏んでしまった佐久間大介をラウールがやんわりと注意する場面があった。こうしたちょっとした配慮の積み重ねが、ファンの視野を広げることにつながる。ラウールやマリウスの行動には大きな意義があると言えるだろう。