岡江久美子さんへ感謝を込めて 30年前の連ドラ収録で感じた温かさ

文=秘密のアツコちゃん
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岡江久美子さん公式サイトより

 新型コロナウイルス予防で今なお全国的な自粛モードが継続中。大変残念なことに、芸能界でも志村けんさんに続いて女優の岡江久美子さんが亡くなりました。若い頃から取材現場で岡江さんにはとてもお世話になったというアツが、故人を偲んで思い出を綴ります。

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 皆さん、ごきげんよう。アツこと秘密のアツコちゃんです!

 予想はしていたけれど、緊急事態宣言が5月末までに延長されました。関東地区では地震も頻発していて不安は増すばかり。テレビ業界は「こんなご時世だからこそ、テレビに出来ることがある!」と息巻いてるんだけど、視聴者からは「ニュースは見るけど、後は再放送ばかりだしテレビつまんな~い」との辛辣な意見が多数で胸が痛いわ。

 テレビ局のスタッフも「ゴールデンタイムの連ドラが一向に始まらないとのお叱りも、しっかり耳に届いてる」と自覚しつつも、「だけど緊急事態宣言が延長したこともあって、なかなか収録が再開出来ない」と頭を抱えていてね。「このままだと7月クールのドラマにも影響が出てくる。全く先が見えないから、ズレ込むのは必至。もうどうすりゃいいんだよってみんな慌ててる」とのこと。

 スタッフがそれなりに頑張っているのは分かるんだけど、事態は好転せずだからテレビ離れは加速の一途を辿るのみ。コロナ禍での"テレビ返り"を目論んでいたテレビマンの期待は、あっさり打ち砕かれちゃったのよね。

 そんな矢先、"いつメン"たちから「再放送なんだけどドラマ『となりのシムラ』(NHK総合)が異色キャストで面白かった。何かジワジワ沁みるの」と教えられて見てみたらハマっちゃってね。志村けんさんを偲んでの再放送なんだけど、ちょうど毎朝、楽しみにしているNHK連続テレビ小説『エール』にも志村さんが登場されてきたところだから、みんなと「志村さんが亡くなられたなんて、まだ信じられないよね」とつい言い合っちゃうの。

 でも、志村さんが逝去されたショックも癒えない4月23日、突然飛び込んできたのは岡江久美子さんが新型コロナウイルスによる肺炎のため、東京都内の病院で亡くなられたという訃報。63歳というあまりにも早い旅立ちに愕然とし、記者たちも「追悼記事なんて書けないよ」とショックを隠せない状態だったの。

 すぐに対応したのはテレビ朝日で、翌日の『徹子の部屋』は急遽、岡江さんの追悼番組に。冒頭で若かしり頃の黒柳徹子さんが「今日は大変に元気の良いお客様においで頂いております」と紹介していたけれど、岡江さんと言えばいつどんな時も元気でキュートで、頭の回転がとても早くて、周りの空気を一瞬にして明るくさせてしまう素敵な女優さんという印象でしょう? 「岡江さんに限って」という感じで、病とは一番遠い場所にいるようなイメージがしていたのよね。ところが昨年末に初期の乳がんの手術を受けて、年明けからは放射線治療を行なっていたとのこと。免疫力が低下していたこともあって、重症化したのではないかと言われているけれど、本当に突然過ぎて、とてもじゃないけどいまだに信じられないの。

不仲だったら『はなまる』も続かなかった

 岡江久美子さんと言えば、何と言っても『連想ゲーム』(NHK総合)は外せないでしょ。アツも子供の頃から見ていたけど、解答する時の岡江さんの表情がとっても豊かで可愛くて、間髪入れずズバズバ答えていく姿を見て「何て頭のよい人だろう」とずっと思っていたの。結婚相手がその『連想ゲーム』で最高の好敵手だった大和田獏さんだと知った時は感動すら覚えちゃってね。いいご夫婦だなぁと憧れたものよ。

 岡江さんは才女なんだけど上から目線で知識をひけらかしたりなんて絶対にしないし、どこかちょっと庶民的で。アツが初めてナマの岡江さんをお見かけしたのは確か、連ドラ『七人の女弁護士』(テレビ朝日系)の記者会見だったと思うの。今からおよそ30年前、1991年から1993年に放送した人気シリーズね。

 賀来千香子さんの主演作で岡江さんや菅井きんさん、松金よね子さん、佐藤友美さんほか七人の女弁護士が、不利な状況に立たされている女性たちを救おうと全力で立ち向かっていく法廷ヒューマンドラマ。まだペーペーで右も左も分からない新米記者だったアツは美しい女優さんを前に圧倒されちゃって、ただ見とれるばっかり。

 その会見では今もバリバリ活躍中のIプロデューサーが「女優さんが七人も揃うといろいろ大変なんですよ~」と笑いながら、でも真剣に言っていて、アツは「いったい何が大変なんだろう?」なんてチンプンカンプンだったの。もちろん今ならIプロデューサーたちがどれだけ神経をすり減らしていたか、十二分に分かるんだけどね。あちらもこちらも立てなきゃいけないし、それぞれの見せ場も作らなくちゃいけないしで大変だったろうなぁって。

 で、記者会見から少し経って、七人の美しき弁護士軍団を取材させていただくことになったんだけど、ベテランの女優さんとこんなに近くでお話するのも初めての体験だったし、もう緊張しまくりで冷や汗タラ~リで。その時、岡江さんが明るく「あ、取材なの?  こっちこっち。もうそんなにガチガチにならなくて大丈夫だからぁ」と声をかけてくださって、めちゃくちゃ面白い座談会になったのよ。

 賀来さんや岡江さんが話してくださったのはこんな楽しいナイショ話。「普通は女優さんってね、翌日の顔写りを考えて、夜遅くまで飲んだり食べたりしないものなのよ。むくんじゃうから。だけどこのチームは顔写りなんか誰一人として気にしてなくて、もうみんなで飲んだり食べたりおしゃべりしたりで止まらないの。笑いすぎて声が枯れちゃったりね。夜もみんなで一緒に食べるんだけど、ロケに出てもお昼は賀来さんのワゴンに押しかけてみんなでランチしてるし、笑いジワができちゃうぐらいでね。すっかり女子校ノリなのよ。プロデューサーがよく『女優がいっぱいいると気を使って大変だ』なんて言うんだけど、この女弁護士チームに限っては問題ナシよ。すっごく仲良しなの」って。

 話は大いに盛り上がりあっちへこっちへと飛んで、女優陣に「子供の頃に見た映画『小さな恋のメロディ』が好きだったわ。ビージーズの主題歌も印象深いし、主演のマーク・レスターやトレイシー・ハイドが凄く可愛かったのよ。見なくちゃダメよ。すぐ見てみて」と教えてもらったり。で、確か岡江さんだったと思うのだけど「マーク・レスターが初恋に近い」と言ってらして、あらま、もしかしたら凄いことを聞いちゃったのかも!?  と驚いたのを覚えているの。

 七人の大女優さんたちがみんな乙女のようにはしゃいでいて、可愛かったなぁ。

 初めて来た素人同然のダメ記者に現場のことをあれこれ教えてくださって、とてつもなく楽しいトークで盛り上げていただき、その時からアツの中で岡江さんはまさに「女神」。その後も中居正広さんの主演ドラマ『味いちもんめ』(テレビ朝日系)や、山口達也さんの主演ドラマ『上を向いて歩こう~坂本九物語~』(テレビ東京系)で地方ロケにも同伴させてもらったんだけど、岡江さんは何年経ってもびっくりするぐらい容姿が変わらず。小柄でスッピンもめちゃくちゃ可愛くて、いつお会いしても、もうウットリ見とれちゃうぐらいだったのよ。

 薬丸裕英さんとコンビを組んで17年半も続いた情報番組『はなまるマーケット』(TBS系)では、よく不仲説が取り沙汰されたりしていたけど、岡江さんはさらりと否定していたわ。

 「これだけ長く続いているんだからそれが証拠よ。本当に仲が悪くてギクシャクしてたらムリでしょ。でもね、もともと性格も何もかもが正反対なのよ。例えば私はお腹が緩い方だけど、やっくんは便秘気味だしね。だけど正反対だからこそ長く続けてこれたんだと思うの」って。「やっぱり岡江さんは女神だなぁ」と改めて思ったの。聡明だけど、時にカミカミトークを披露したり、しっかり者なのにおちゃめで可愛くて元気で、誰に対しても分け隔てなく優しくて。

 追悼番組になってしまった『徹子の部屋』でも、26歳の新婚当時の話をされていたんだけど、初々しいウエディングドレス姿が映し出されていて。岡江さんが「私、リボンとフリフリがとっても好きなんです」と言ってらして、もう可愛くて可愛くて。「獏ちゃん」と呼ぶ姿も初々しくて、今は女優となった娘の美帆さんの話もしていらして、岡江さんは女優として名を馳せたけど、プライベートでは愛情深い妻でママだったんだなって。最後は2019年の出演で、よく作るお料理の話や、夫婦での旅の話やお孫ちゃんの話も。徹子さんとの掛け合いも自然体でスムーズで、元気な岡江さんが画面いっぱいに現れていたから、まだ信じたくないし、信じられないしね。

 いつもピカピカに輝いていた岡江さん、画面で見てもお綺麗だったけど、生で見ちゃうと本当に本当に可愛くて可憐で、目を離すことが出来なくなっちゃうぐらい魅力的で、明朗で聡明な女優さんでした。今でもまだコロコロ笑う岡江さんの声が頭の奥にこだましています。心よりご冥福をお祈り申し上げます。岡江さん、ありがとうございました。『小さな恋のメロディ』を見直しておきますので、またいつかどこかで……。ね、絶対ですよ!

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