「パステルkeep」半世紀近く続く消しゴム老舗ブランドに新しいラインナップが登場!

文=他故壁氏
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 みなさん思い出してみてください。消しゴムって、意外と同じものを延々と使っていませんか。個性があることに気づかず、「いつもの」を続けて買ってはいませんか。

 世間では、消しゴムと言えばすぐに脳裏の浮かぶほど広く使われている製品があります。東日本では、トンボ鉛筆のMONO。西日本では、シードのRader。

 そもそもMONO消しゴムは、MONO100鉛筆をダースで買うとついてくるおまけの消しゴムでした。その消しゴムが評判を呼び、1969年6月に現在も続く3色ストライプのスリーブをまとって単体販売され、今では鉛筆より有名になりました。

 それより1年前、1968年より先行して販売されていたRaderも、雑誌「暮しの手帖」(暮しの手帖社)1970年6月号の記事「消しゴムをテストする」にて「その中でもシードS-50は、性能から見て、トップだった上にねだんも安い」と最高の評価を取ったことにより、一躍有名になりました。

 もっとも、この「暮しの手帖」記事内でも語られているのですが、市販されているプラスチック字消し(ここでは塩ビ製のものを指します)の大半は消字性能に差がなく、該当記事で比較された8種類のうち7種類が「Aクラス」をもらっています。実はこの時代から、消しゴムの消字率──鉛筆の文字を消す能力にブランドでの差はなかったのです。

 

 keep消しゴムも、この時代に生まれたブランドでした。

 定規と下敷きをメイン商材としていた株式会社ホシヤがkeepブランドの消しゴムを販売するようになったのは、1970年ごろ。まさに上記の「暮しの手帖」の時期に重なります。打倒Raderに燃えるホシヤは、Raderにはない性能をkeepに加えます。keepを、Raderよりも硬いタッチの消しゴムに仕上げたのです。

 当時、消しゴムは学習用だけでなく、ひろく社会全般で使用されていました。中でも製図用品としてのニーズは高く、軽い消し心地で消しカスが少なく、細かな修正にも対応でき、またカスを刷毛でさっと払える消しゴムが求められていました。

 keepはそのニーズにぴったりとマッチしました。もちろん消字性能は他社に劣るものではありません。keepは発売当初は全国区ではなかったMONOを上回る販売地区を持ち、特に東北、山梨、静岡では無敵の存在となるほどの製品に成長しました。

 時代は流れ、文房具の流通も変わりました。企業として大きな総合文房具メーカーの拡販戦略に押され、keepは次第に販路を失っていきます。今では東北の一部と静岡、九州の一部で発見例があるにとどまる存在になりました。

 そんなkeepに、新製品がラインナップされました。それが今回ご紹介する「パステルkeep」です。

 スリーブカラーは4色あります。それぞれ本体消しゴムにフルーツの香りがついています。

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 パステルバイオレットのスリーブに包まれた消しゴムは、ブドウの香りがします。

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 パステルグリーンのスリーブは、メロンの香り。

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 パステルピンクのスリーブは、ピーチの香り。

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 パステルブルーのスリーブは、青りんごの香り。

 こういった香りつき消しゴムは学童用──ターゲットが小学生女児に設定されていることが多いので、たいていの製品はスリーブデザインがもっと児童受けするキャラクターやゴチャゴチャしたイラストで埋められ、表面に大きく「○○の香り!」などと惹句が踊るのが定番ですが、本製品のデザインはそれらに較べ実にシンプルです。

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 ロゴはオリジナルkeepとまったく同じです。keepというブランドを守る、keepという製品を改めて知ってもらう──そんなメーカーの思いがここに結実しています。学童だけでなく、年代を問わず広い層に使用してもらいたいという気持ちも表れています。

 香りつきの製品は消しゴム本体が連想される色に着色されていることが多いですが、パステルkeepは白い本体を採用しています。小学校によっては、白い消しゴム以外の色つきのものを禁止しているところがあり、そういった部分も配慮されています。

 また混ぜ物を増やせば、無添加で白い消しゴムに較べ消字率は下がります。香料も消字率に影響のない範囲で使用しているので、香りは仄かです。

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 消し心地は固めで、かすは少なくさっと手で払うことができます。ここは製図用として好評を得ているオリジナルkeepを踏襲しています。そして立ちのぼる、ほのかなフルーツの香り。

 お子様にも安心してお薦めできますし、大人になってからも学習の友として存分にお使いいただけます。もしお手元にある消しゴムが「いつもの」だったら、たまには気分を変えてみてはいかがでしょうか。

(他故壁氏)

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