自己肯定感を高めるコーチングセミナーで見た、主催者と取り巻きの異様な実態

文=山田ノジル
【この記事のキーワード】
自己肯定感を高めるコーチングセミナーで見た、主催者と取り巻きの異様な実態の画像1

GettyImagesより

 過激な思想を植えつける料理教室や自称魔女コミュニティなど、星の数ある「謎物件」。当連載ではそれらに足を踏み入れた体験談をお届けしてきましたが、今回は新たに「スピリチュアルや心理学、コーチング」を合体させたというセミナーに通っていた女性のお話です。セミナーの目的は「自己肯定感を高めること」。主催者のHPには「全ての人の使命や魅力を引き出したい!」というようなことが書かれています。

ヴィーガン料理教室体験、高額講座で学ぶこととは?

 「毎日がキラキラ輝きだす!」と謳う、1回5万円越えのヴィーガン(完全菜食)セミナー。誰でも受講できるという入門編的な講座は、全3回を受講するとトータル…

自己肯定感を高めるコーチングセミナーで見た、主催者と取り巻きの異様な実態の画像2
自己肯定感を高めるコーチングセミナーで見た、主催者と取り巻きの異様な実態の画像3 ウェジー 2020.02.11

わたしが家族の死をきっかけに“自称・魔女”コミュニティにはまっていたころ

 おかしな思想にハマった家族の悩みを語ってもらう「身内がトンデモになりまして」シリーズ。その姉妹編である「わたしがトンデモだったころ」シリーズ、第2弾を…

SpiYakou134_tn
自己肯定感を高めるコーチングセミナーで見た、主催者と取り巻きの異様な実態の画像3 ウェジー 2019.08.27

 今回お話してくれた会社員の女性Hさんがそのコーチングセミナーに足を踏み入れたのは、30歳のとき。それまで活動していた撮影モデルに年齢的な限界を感じていたり、恋愛の悩みもあったところに大好きだった親戚が亡くなるという不幸が重なり、鬱状態に。そこから「死にたい」という思いがつのり自殺の方法をネット検索していたところ、偶然見つけたものだったそう。

H:本当にたまたまなんですが、目にしたサイトで『自殺はよくない!』みたいなことが書かれていたんです。今となってはなぜそれに感銘を受けたのかまったく思い出せないんですが、とにかくそのときはサイトのおかげで自殺は思い留まりました。そしてそこで紹介されていたコーチング塾にも、興味を持つようになったんです。

 コーチングと言えば、一般的には人材を開発する手法のようなもの。ビジネスがらみの話題で「主体性を引き出す、育成方法」なんて紹介されている記事もよく見かけます。Hさんが参加したセミナーの主催者のプロフィールにも、大手メーカー幹部へのコーチング研修を担当したというエピソードが。そして講演やセミナーは超満員! 個人セッションの予約は千人待ち! いえいえ、真に受けているわけではありませんが(こういった手合いのものは演出で数字を盛りますから)、つい声に出して読み上げたくなる華麗な経歴です。

『気づきをありがとう』

H:私は本当に偶然で参加してしまったんですが、それが参加者たちのひんしゅくを買ってしまった。セミナーのはじめに主催者が『私のこと知らない人、いますかー?』みたいな声かけをしたので、馬鹿正直に手を挙げてしまったんですよね。すると参加動機を聞かれたので、これまた馬鹿正直に答えたら主催者からも周りからも『え…そんな理由?』みたいな感じで集中砲火(笑)。主催者は知る人ぞ知る有名人で、ようやくお会いできて感激! というテンションじゃないといけなかったみたいです。

 主催者を神格化しないといけないような空気だったというそのセミナーは、お値段1カ月で約10万円。グループワークは週に1回開催されるというので、計4回ですね。

H:セミナーではコーチングの概要を学ぶほか、瞑想があったりもしました。使う言葉も独特で、主催者が泣きごとを言ってみんなが口々に励ますと『愛のシャワーをありがとう』と返したり。何か締めくくりのたびに、参加者が必ず『気づきをありがとう』って言わなくてはいけなかったり。自分の過去を語り、大泣きする人もいましたね。自己肯定感を高めるという目的が謳われていましたが、妙な宗教のような独特な雰囲気にやられてしまい、肯定感がどうこうできるとは感じられませんでした。

グループワークのメンバーも強烈だった。私も十分病んでいた状態でしたが、さらに鬱屈とした感じの女性からひたすら『あなたは恵まれてていいわよね』『あなたはまだ若いからうらやましい』とか何度も何度もじっとり言われるので、すごく疲れてしまって。実は私、病んだ理由のひとつに年齢的なことがありました。30歳近くなってモデル活動しているとメンバーの一部から『ババア』と陰口を叩かれるようになり……。ところが場所を変えると、こちらでは若いからといって、ねちねち言われる。

 内面を向上させるためのセミナーに参加して、そんなことを言われるとは。しかしそれは序の口で、さらに意味不明になっていく、お次のエピソードにも注目です。セミナーでは「ダイビング」というワークがあり、過去にされた嫌だったことや気にしていることを赤裸々に口にしていくのだそう。そこで以前より身体作りに意欲的だったHさんが「体重のコントロールが難しい」「歳をとるのが怖い」ということを口にしたところ……。

H:セミナー後は、必ずレストランで懇親会が行われるのですが、体重のことを口にした日、主催者が私の皿に次々ピザを盛りつけてくるんですよ。『Hちゃんは、そのままでも十分かわいいわよ!』と。体重を気にしてるなら、むしろ太れという荒療治……? とは思えず、単純に陰湿な嫌がらせだと感じました。

 内面の向上! 成長! を謳う界隈とは思えないやりとり。これに1カ月10万円はらうというのが、さらに泣けます。

1 2

あなたにオススメ

「自己肯定感を高めるコーチングセミナーで見た、主催者と取り巻きの異様な実態」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。