自己肯定感を高めるコーチングセミナーで見た、主催者と取り巻きの異様な実態

文=山田ノジル
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H:私が長年続けていた趣味についても、しつこくからまれました。私は昔から、フィギュア収集が大好き。それを言うと『物質に囚われている!』と、非難されるんです。

 そういう主催者の発信を拝見すると「ヴァンサンカンだな!」と思わず声に出したくなるエレガンス演出。『25ans(ヴァンサンカン)』とは、富裕層の女性をターゲットにした女性誌で、取り上げるコンテンツはキラキラしたコンサバファッションやエレガントなラグジュアリー生活が特徴です。シミシワひとつなさそうなピシーッとした白いジャケット。ふんわり上品な巻き髪。控えめなメイクと微笑み。つーかこれもまた、物質の塊なのでは? 

H:趣味に関しては、主催者の取り巻きにもさんざん言われました。なんとかあなたを正したい! って、大きなお世話すぎません? 主催者も『そんなもの、死んだら持ってけないのに』『この世で何をしたいのあなた』と。

 趣味で心が潤うのは、ダメなの~? どのような意図でHさんの趣味を否定するのか真意はわかりませんが、このエピソードを聞きながらぼんやり思ったのは「囲い込み」。俗世と手を切らせ、余計な情報が入ってこないようにする定番手法なんでしょうか。単に、ご自身のテイストとかけ離れて理解できないから気に入らない! ってだけかもしれませんが。

H:なのに、自分の著書は大量に買わせようとする。セミナー受講生には、100冊買っている人までいるので、ひとり10冊くらいはもう当たり前。みんな、周りの人に配るんですって。主催者に『なぜ買わないのか』と聞かれるので、1冊で十分です答えると『物に囲まれて、物に執着しているわりには、本というものを読まないよね』ですって。

「物質に囚われない」のであれば、量はどうでもよさそうですのにね? 一応「本を読め」というのであれば、巷には推し本を交換する「ブクブク交換」なるイベントなどもあるのでそこへ持参するという手もありますが、そういった場におけるこの手の本の需要は、果てしなく低そうです。

小林麻耶も実践する占いに…

H:しょうもないトラブルはまだまだあります。占いの一種である数秘というものがあるのですが、それで食べていきたい! という参加メンバーがいまして、『Hちゃんを占ったら、旦那さんはデブだよね! わかるよ!』と言うんです。いやでも私の彼(現夫)、めちゃくちゃ細い。ですから『こんな感じだよ?』と、スマホに入っていた彼の写真を見せました。そうしたらそれがまた、大ごとになってしまって。『数秘が正しいのに、どうしてそうやっていじめるの?』『数秘は素晴らしいんだよ?』『つぶそうとするのって、よくない」とまたまた周りから総攻撃です。

 小学生か! 数秘といえば、ここ最近何かとスピリチュアル界とのつながりが話題に上るフリーアナウンサーの小林麻耶さんが、「小林麻耶の幸せ数秘」なるサービスをリリースしていましたね。数秘が人を狂わせるのか、おかしな人が数秘に引き寄せられるのか(もちろん真っ当な方もたくさんいると思いますけど)。

H:結局私の思っていたコーチングとまったく違ったことと、その場に馴染めない疲れで、深入りはしませんでした。今でもあれは何だったんだろう……と不思議な気持ちになります。ほかにもひとつ、主催者がやたら強気な自己啓発セミナーをのぞきましたが、この女性主催者のセミナーは疲弊するだけでなく、お金をドブに捨てた、徒労だったという思いだけが残ります。

 おかしな健康法や反社会的なことを指導されるわけではないけれど、不必要なものを買うように圧をかけてくる、参加者が不快になる状態を放置するセミナーは、十分批判されてしかるべきでしょう。おそらく、この手の話はまだまだ無数に存在しているはず。成長! 使命! 気づき! 人生のステージ! といったキラキラワードの陰に隠されたしょうもない現実を、まだまだ掘り起こしていきたいものです。

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