
圷由美子弁護士
安心して働けるはずの職場で、もしセクハラ被害に遭ったら、もしセクハラ被害を目撃したら、あなたはどうしますか。
平成 30 年度の「都道府県労働局雇用環境・均等部(室)での法施行状況」によると、セクハラに関する相談は7,639件ありました。
一方で、日本マスコミ文化情報労組会議が2019年に実施した「セクシャルハラスメント被害と職場の対応に関するWEBアンケート」では、セクハラ被害について「相談・通報しようと思わなかったので、しなかった」「相談・通報したかったが、できなかった」と回答している人が6割を超えます。また、「相談した」と答えた人で、相談先が「会社や組織の関係者」だった人のうち約66%、「会社や組織が設けた相談窓口」だった人のうち約78%が、「不適切な対応だった」と回答しています。
このことから、セクハラは会社に相談しにくいものであること、さらに相談したにもかかわらず適切な対応をしてもらえない経験をした人が少なくないことが見えてきます。
セクハラ被害に遭ったらどうすればいいのか、職場でセクハラ被害を目撃したら周囲に何ができるのか――セクハラ問題に詳しい東京駿河台法律事務所の圷由美子弁護士にお話を伺いました。

■圷(あくつ)由美子弁護士
東京駿河台法律事務所所属。東京弁護士会男女共同参画推進本部事務局次長。中央大学大学院法務研究科兼任教員。
人事院(本府省幹部)、厚労省、特許庁、弁護士会、司法書士会、社労士会、公益財団法人21世紀職業財団(ハラスメント防止コンサルタント)等各所でセクハラ等防止研修実施。ステイホームではまっているアニメは『鬼滅の刃』と『キングダム』。
セクハラ被害に遭ったらまず身支度 「丸腰でリングに上がらないで」
――圷先生が対応したケースの中では、被害者が離職をせずに解決した例は少ないのでしょうか。
圷由美子弁護士(以下、圷):在職できている方々もおられますが、数で比較すると、残念ながら離職される方のほうが多いですね。とくに小規模職場は、結局加害者と毎日顔を合わせなければならず、被害者が心身共に耐えられなくなってしまう場合があります。主治医からも何よりご本人が壊れぬようにと、医学的見地から離職を勧められることもあります。
被害を訴えたことで、職場で“面倒な人間”扱いされてしまうこともある。セクハラごときで「波風立てるな」と、セクハラを軽んじる根深い風土の問題ともいえます。
――セクハラを許してしまう職場には、性被害への意識の低さがあると思います。
圷:「(性行為が)最後までいってなかったのだからいいでしょう」と言う人もいます。そもそもセクハラ被害を何と見るか、被害の本質の捉え方の問題ですが、性行為や性器そのものへの執拗な接触などでなければ性被害とは言えない、などと考えているのだとしたら、それはもはや「昭和」と言われてしまうでしょう。
「最後まで」などという発想も、“加害者がどれだけ目的を達成できたか”という話であって、被害者にとっては、性行為を至ることも、頭や肩など身体を触られることも、性的な発言を繰り返されることも、すべて等しく「働く者としての人格そのものを傷つけられた」ことに変わりはなく、実際もその点に大いに傷つくものなのです。
――セクハラの本質は性暴力、接触も発言も、被害者の人格を傷つける暴力という意味で同じということなのですね。セクハラ被害に遭ったときですが、まず社内の人に相談したり、社内の相談窓口に行こうとする人が多いのではないかと思いますが……。
圷:セクハラだけでなく「ハラスメント対応は初動が肝」。私はこれを標語のように申し上げてきましたが、これは会社、加害者だけでなく、被害者についても言えることです。
セクハラ被害に遭ったら、
①絶対に一人で悩まない
②社内窓口へ行く前に専門家のスキャニングを
この2点を覚えておいてください。
研修などで、「相談は社内相談窓口へ」と案内されている会社も多いですよね。男女雇用機会均等法も相談窓口設置措置を義務付けています。
ただ、窓口はあれど、実際は持ち回りだったり、担当者への実践的な研修や困ったときのサポートなどもないために、ほとんど機能しない場合もあります。担当者から「加害者に注意してもいいけれど、あなたが逆恨みされるかもしれない」などと言われ、正式な相談扱いとしてもらえなかったというケースもあります。
相談を受け付けたとしても、その後の対応が手探りだったり適切でないがために、加害者などから更なる嫌がらせなどを受け、かえって被害者の職場環境が悪化してしまうこともあります。
セクハラ対応は難しい。この問題に20年間携わってきて、しみじみそう思います。なぜなら、当事者の言い分が真っ向から対立するうえに、当該相談窓口の方含め、様々な利害関係を有するプレイヤーが複数いるからです。
近年はセクハラに関する意識の高まりか、被害者視点も重視した適切な対応をしたいとのご相談を受け、会社と二人三脚で対応を考えることがありますが、調査一つをとっても、誰から、どういった内容を、どの段階で、どう尋ねていくか、しかも、法律上の対処義務も踏まえねばなりませんので、高度な専門性が求められ、一定の経験を重ねていないときついだろうなあと思います。
いよいよ2020年6月から、いわゆるパワハラ等防止対策関連法(改正労働施策総合推進法、均等法等)が施行されます。
均等法指針も改正され、適切な相談窓口対応例として、「相談窓口担当者に対する、相談を受けた場合の対応の研修を行うこと」が明記されました。窓口担当者が困惑したり板挟みにあったりしないよう、形式的なものでなく、ケーススタディなどによる実践的研修が不可欠かと思います。
ーー相談する前に、自分の会社の相談窓口が機能しているかどうかを見極めるポイントはありますか。
圷:結果が全て、したがって、見極めポイントは「対応実績」です。具体的には、
①これまでにその相談窓口を通じて解決したケースがあるか
②セクハラに関する懲戒処分事例があるか
③その懲戒処分は事例に即した相当なものだったか
などです。
もっとも、周知のレベルも様々、会社によっては、これらを社員に周知していない場合もあります。周知レベルが、懲戒処分のみ、懲戒事由も含めて、と詳細になっていけばいくほど、対応実績の信頼度も上がっていくものといえるでしょう。
相談するに当たって、セクハラへの対応実績が知りたい、と聞いてみるのも良いかもしれません。慎重を期すならば、特定されない範囲で社員である旨伝えたうえで、ということになるでしょう。
ーー相談窓口に話をもっていくかどうか、判断に迷った場合はどうしたらいいでしょうか。
圷:迷う、というのは、ご自身の中で迷われる何かがあるからこそ、です。そんな時こそ、転ばぬ先の杖、判断に後悔しないよう、専門家に相談してください。
これもいつも申し上げていることですが、
「社内窓口に相談すること」=「一ファイターとして、会社や加害者との闘いのリングに上がること」に等しいということ。
被害に傷つき、そしてすぐさま社内窓口に相談し、期待を裏切るその対応に、さらに傷を深めた方々を多く見てきた者としては、現状、そうご忠告せざるを得ません。
なので、大事なこととしては、すぐに「丸腰でリングに上がらない」こと。
もし、その先の「挑む」覚悟もお持ちならば、なおさら事前に専門家へ相談を、そして自身のサポーターを確保したうえで、しっかり装備し、リングに上がりましょう。
ーーセクハラ相談の専門家とは?
圷:公的機関としては、国であれば、各都道府県設置の労働局雇用均等室、都道府県レベル、東京都の場合なら都が運営する労働相談情報センターなどが挙げられます。いずれも無料です。
民間では、各弁護士会にセクハラ専門があればそちら、その他、専門性を有する相談先として、日本労働弁護団の無料ホットラインがあります(詳細は後述)。
ケースによって、どの機関のどの窓口を利用するのが良いとの判断もあるので、ファーストステージを間違わぬよう、単発で、気軽に相談されたら良いと思います。
弁護士によるアクションも、相談者の希望が「離職」か「在職」で変わる
ーー弁護士さんに相談するのはお金がかかるイメージがあり、若い人にとっては特にハードルが高いのではないかと。
圷:弁護士の活用方法としては、事件として依頼し、解決に向け包括的に動いてもらうことのほか、単発ないしその都度、相談に乗ってもらうという方法があります。相談料は各弁護士によって異なりますが、1時間程度で終了となれば、1~5万円くらいではないかと思います。相談料や計算方法についても、ためらわず、遠慮なく、弁護士に聞いてもらって構いません。
ーーセクハラ被害の味方になってくれる弁護士さんは、どうやって見つけたらいいのでしょうか。
圷:民間団体ですが、日本労働弁護団では「女性のためのホットライン」も設けています。
女性専用の無料の電話相談で、相談を受ける弁護士も女性です。日本労働弁護団では常設の「労働トラブルホットライン」もあり、もちろん、こちらでもセクハラ相談は可能です。
各弁護士会でも、「性の平等委員会」等を立ち上げ、セクハラ問題に積極的に取り組んでいたり、定期不定期のセクハラ相談窓口を設けたりしています。各弁護士会にお尋ねください。
とくに若い方は、ネットで弁護士を見つけようとされるのかもしれません。弁護士の世界も、ネット広告を経営戦略と位置付ける者も増えていて、「○○に強い」などのキーワードでバナー広告を打っているケースも少なくありません。例えば「ハラスメントに強い」と謳っている場合でも、まさに先程のハラスメント窓口と同様、「強い」とする根拠は何か、セクハラ案件の実績の有無など要確認、相談の際に、遠慮なく聞いてみてください。
ーー弁護士にセクハラについて相談し、依頼した後の流れは、どのようになるのでしょうか。
圷:ケースバイケースですが、前提として相談者が在職を望んでいる場合と、離職しても構わないと考えている場合では、弁護士のアクションの詳細も異なるかと思います。
ハラスメントは残念ながら被害者が離職してしまうケースが多いですが、それは弁護士が介入することで、被害者が職場の狭い人間関係の中で不利なレッテルを貼られ、働きにくくなってしまう、という現状があるからなんです。相談者が離職する意向であれば、遠慮なく、代表者含めた職場の不適切な対応など厳しく追及していくのですが、相談者が在職を希望している場合には、弁護士はその後の人間関係や職場環境にも配慮しながら対応していくことになります。
私の場合は、いきなり表に出ずに、黒子のような役割に徹し、解決に向け継続的にアドバイスしていく、というスタイルを取ることもあります。組織のトップ、管理職や人事、士業研修の際には、後ろに弁護士がいる、といったことを想定して動いて下さいね、私がいるかもしれませんよ、と話すと、皆さん少し笑ってくださいます。
例えば、実際に会社に良く対応していただいたケースとして、依頼者の方に名刺を渡しておき、何かあったら会社に「この弁護士に相談をしています。ちゃんとやってくれなければ出ていくよ、と言っているので、社内で起きたセクハラに対して適切な対応をとってください」と言っていただくこともあります。被害者側が弁護士に相談しているとわかると、リスク管理含めきちんとされている会社であれば、襟を正して適切な対応を講じてくれる場合もあります。
ただ、なかには弁護士に相談した、というだけで、「波風を立てた」などとし、被害者により攻撃的な対応や嫌がらせを行う会社もありますので、実態を見極めて対応することが大切です。
ーーセクハラについて、弁護士として心がけていることはありますでしょうか。
圷:私は、人にとって最も大切なものは時間だと考えています。なぜなら、時間は人にとってかけがえのない命の一刻、だからです。そして、これは被害者のみならず、加害者、会社人事担当者などにとっても同じ、なので、争いの長期化ほど、すべての者にとって無意味なものはないという理解です。
紛争解決に向けてのアクションそのものは、何より被害者が未来への第一歩を踏み出すにあたって不可欠なプロセスであることが多く、それ自体も大切に考えています。
したがって、迅速かつ適切な解決こそ、すべての人、ひいては組織、社会にとって望ましく、何よりそれを目指すべきと考えます。
弁護士は、インハウス(組織内弁護士)でない限り、所詮外部の人間です。しかし、外部のしかも法律家だからこそできる役割があるのではないかとも思います。
組織の内部から、自分たちの風土を変えるのって、本当に大変です。それこそ、「波風立てるな」「秩序を乱すな」などと攻撃されることもしばしばです。
これは、私もハマっているアニメ『鬼滅の刃』的発想ですが、依頼者はもとより相手方との対峙も貴重なご縁、せっかく関与させていただくなら、何かより良い化学反応を起こしたい、そういう思いで、仕事をさせてもらっています。
なので、「え、弁護士が入って来ちゃったの?」と思われるかもしれませんし、トップは気が気じゃないかもしれませんが、人事担当者など少し引いたお立場であればなおさら、外部の弁護士の介入を好機として、組織の風土を見直したり、議論していただくのも良いのでは、と思います。
ーーセクハラに対応することは、むしろ企業にとってチャンスになると。
圷:「セクハラ罪なんてない」と言ってしまうと、某大臣のようになってしまうわけで……。時代は確実に変化しています。それに伴い、権利関係も確実に「進化」している事実、まずはそれを真正面から受け止めましょう、と申し上げています。
そして今や、セクハラにも毅然と対応することこそが、企業としての評価を上げる時代となりつつあります。なので、職場環境を改善する良い端緒として、プラス志向の対応をしていただければと思います。各職場の地道な前進が風土を変え、ハラスメントを限りなく少なくし、すべての者が自分らしく生き生きと働くことのできる職場の実現へとつながっていくはずです。
ーー加害者ではなく、会社側に働きかける。
圷:自分が会社側の立場でない場合、なおさら、組織側への働きかけは重要と捉えています。個人的には、訴訟は時間もお金も労力もかかるので、必ずしも望ましい解決の場とは思っていません。「裁判前で解決することこそ弁護士の実力」と言い放つ先輩弁護士の言葉、私もその通りだと思っています。
長期戦、とりわけ裁判において、争点に基づく適切な主張整理がされぬ場合、当事者は延々と無意味な泥仕合を余儀なくされ、しまいにはお互い傷だらけです。なので、私としても極力、短期決戦かつ適切な解決が、何よりの弁護士の腕の見せ所という理解です。筋のいい組織は、裁判に発展する前に、社内で力を持つトップや人事などが英断をされますね。
セクハラ被害者が仕事を続けるため、より良い職場環境のため、周囲ができること
ーー安心して働ける環境が確保されるなら、やはり引き続き同じ職場で働き続けたいと考える被害者もいるのではないかと思います。被害者が在職し続けるためには、どのようなことが必要なのでしょうか。
圷:被害者が孤立しない構図が重要です。そのためには、周囲のアクションがキーになってきます。例えば、AさんがBさんにセクハラをしていて、それを同じ職場のCさんとDさんが目撃しているとします。この場合、CさんとDさん自身にも「不快なのでやめてください」と言う権利があります。たとえBさん自身が声を挙げなくとも、自分たちが不快で職場環境を乱されているという点で、CさんやDさんも「セクハラをやめてほしい」と主張することができるのです。こうして周囲が介入することで、Bさんも一人で闘わなくて済みますよね。
もちろん、職場によっては、周囲の人がそうした問題提起をすることさえ難しいケースもあるでしょう。そういった場合は、まずは被害者の気持ちに寄り添うだけでもいいんです。被害に遭った人が、「セクハラくらいいなせなきゃだめだ」とか「自分に隙があったからに違いない」などと自分を責めてしまうことは珍しくないので、「あなたは悪くない」と声をかけていただくだけでもいい。弁護士は職場で日常的に見守ることができないので、職場で味方になってくれる人の存在こそとても重要です。会社によっては労働組合が強い場合もあるので、労働組合と連携して、孤独なアプローチから脱するという方法もあります。
ただ、残念ながら、職場で親身に話を聞いてくれていたはずの人の中に、セクハラを“なかったこと”にしたい加害者や会社側の方がいて、情報をすべて流していたというケースもありました。日頃の人間関係などで見極めることが大切です。
ーーそんなこともあるんですね……。もし、相談窓口や職場の人から二次被害を受けた場合には、どのように対応したらいいのでしょうか。
圷:記録を残しておきましょう。やり取りそのものを録音することが最も正確な記録となるでしょうが、その時々の日記や、友人とのメール、LINE上のやり取りも、後々、出来事を裏づける大事な記録となります。「○月○日の○時に、どこで、誰が、どういった言動をしたか」など、5W1Hでなるべく詳しく記録しておくことが重要です。
男女雇用機会均等法第11条第1項には、<事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない>と書かれています。会社が適切な対応をとらなかった場合、職場環境配慮義務」に反した等として、責任が問われている裁判例が相次いでいます。
ーー先程もお話に出た、いわゆるパワハラ等防止対策関連法(改正労働施策総合推進法、均等法等)で、職場のハラスメント対策がより強化され、セクハラ(パワハラ、マタハラも含む)防止が国や企業の責務である旨が明記されました。相談した労働者への不利益取り扱い(解雇や減給、労働契約内容の変更など)も禁止されましたが、今後セクハラは減っていくのでしょうか。
圷:今までも、一応の法の定めはあったものの、「法と実態の乖離」の状況が続いていました。今後、セクハラのない職場が実現していくかは、加害当事者はもちろん、組織のトップや管理職、人事、そして社会の構成員である私たち一人ひとりが、セクハラとどう向き合っていくかにかかっていると思います。セクハラは女性だけが嫌がるものと思われがちですが、最近は若い男性からも、セクハラそのものを嫌悪する声が挙がるようになりました。
ーー日本労働組合総連合会(連合)が行った「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019」では、就職活動中にセクハラを受けたことがあると回答した人のうち、最も多かったのは20代の男性でした。たとえば飲み会の席などで「男なら下ネタが好きなはず」というステレオタイプな空気感はまだ根強くあると感じますが、本当は性的な言動を嫌がっている男性も結構いるのではないかと思います。
圷:おっしゃる通りです。そもそもセクハラは、性別や立場を問わず、人の人格そのものを傷つける行為であり、女にはダメだが男にはいい、ということにはなりません。
「自分達の頃はこれが普通だった」「許されていた」と考える人達もいますね。しかし、これからは「セクハラ罪はない」という昭和的な態度を貫くことこそが、その方や組織にとっての最大のリスクになりかねません。
コロナ禍で「行動変容」というキーワードを目にする機会が増えましたが、時代は確実に進んでいます。セクハラについても、「行動変容」が求められます。
これからは、会社が労働者を選ぶのではなく、労働者が会社を選ぶ時代。セクハラがはびこる組織は、労働者からも選ばれず、組織として致命的も明確なデメリットとなるはずです。
セクハラが起きたという過去は変えられるのは不可能です。しかし、セクハラが起きにくい、もしくは、仮に起きたとして、きちんと対処できる職場に変えていくことはできます。今や、就活生にとっては、性別問わず、企業トップが「セクハラは許さない」と明言しているかどうかは不可欠なチェックポイントの一つです。
ブラック企業という言葉に恐れおののく若者たち、職場も社会の一部であり、私たちは後継する彼らのためにそれらを変える責任があります。
2020年6月のパワハラ等防止対策関連法施行もよき好機、未来の担い手が希望の持てる職場づくりのため、セクハラ等ハラスメント防止・対策をツールとして、ともに、職場、社会を「行動変容」していきましょう。
(取材・構成・写真:雪代すみれ)