「NETTUNO」1911年生まれのイタリア最古万年筆ブランドが現代によみがえる

文=出雲義和
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1911年のイタリアで産声をあげた万年筆ブランドNETTUNO(ネットウーノ)

NETTUNOの歴史

 第一次世界大戦が起こる少し前の1911年、ボローニャにある万年筆専門店VECCHIETTI(ヴェッキエッティ)が作った、イタリアで最も古く歴史ある万年筆ブランドがNETTUNOでした。

 NETTOUNOはイタリア語の海王神ネプチューンを意味して、世界に知られるブランドに成長しましたが、1950年代に多くのファンから惜しまれながら、歴史の舞台から姿を隠すことになってしまいました。

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デルタの遺伝子を引き継ぐ万年筆

 そんなNETTOUNOを21世紀の今日、息を吹き込んだのはMAIORA.company(以下マイオーラ)のNino Marino氏でした。

 Nino Marino氏といえば元DELTAの代表を務めた方で、美しいオレンジマーブルが特徴の万年筆ドルチェビータなど名万年筆を生んだ南イタリアの高級筆記具ブランドでしたが、2017年に姿を消すことになりました。

 そのNino Marino氏がイタリア最古のブランドNETTOUNOを復活させることにあたり、かつてDELTAを支えてきた人たちが彼の元に集まりました、DELTA万年筆をお持ち方ならこのパッケージを見て「おや?」思われたかもしれません。

 新生NETTUNOはイタリアでもっとも古い万年筆ブランドにDELTAの遺伝子を受け継いだ、新しい万年筆ブランドとして生まれ変わりました。

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NETTUNO 1911コレクションのBLACK SAND

 すでに海外では複数のラインナップが揃い、熱心なユーザーの中には海外へ直接発注して手にしている人たちがいるNETTUNOは、2020年から日本での正規代理店が決まり1911コレクションの最新モデルBLACK SANDの販売がはじまりました。

 首都圏に続いて、先行販売が行われた関西の万年筆専門店では、開店と同時に買い求めるファンが来店するなど、多くの万年筆愛好家から待ち焦がれていた万年筆です。

NETTUNOの魅力

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ボローニャの街を象徴するポルティコのアーチ

 Porticoとは屋根のある柱廊を意味し、NETTUNOが誕生したイタリアのボローニャは赤い煉瓦の屋根が街を覆う「芸術の街」として知られ、この美しい街には柱廊アーケード(ポルティコ)が長く続きます。

 BLACK SANDには、このボローニャを代表するポルティコをイメージしたアーチが本体軸に手彫りで描かれています。

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クリップにもボローニャに愛される海神がアイコン化されています

 ポルティコと同様にボローニャの街では海神ネプチューン(NETTUNO)像ををいたるところで見る事ができます。中でもマッジョーレ広場の大噴水にあるネプチューンが代表的で、ボローニャの人にとってとても生活に近い親しい存在だということが伺えます。そのネプチューンのシンボルともいうべき三つ叉の槍(トライデント)をイメージしたアイコンがクリップ部分にも描かれ、万年筆そのものがイタリア・ボローニャの街を体現しています。

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日本限定のNETTUNO SAND BLACKは万年筆とボールペンの二刀流

 美しい工芸品の域にもあるNETTUNO SAND BLACKは実用性の上でも日本の筆記具ではあまり例を見ないユニークな特徴を持っています。
それは万年筆でありながら、ペン先部分のユニットを交換することでボールペンとしても使うことが可能なコンバーティブルシステムを採用して、1本で2本分の役割を果たしてくれます。

 ボールペンユニットはヨーロッパタイプG-2規格に準じており、パーカーやペリカン、アウロラなど、日本で人気の三菱鉛筆のジェットストリームのリフィルも使用が可能です。現在、このボールペンユニットが付属するのは日本販売モデルだけとあって、ファンにはたまらなく魅力的なセットです。

NETTUNO魅力のまとめ

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メーカー MAIORA company
シリーズ NETTUNO-1911- Nineteen-Eleven Collection
モデル BLACK SAND
スチールペン先 Fのみ
カードリッジとコンバーター両用式
付属品 コンバーチブルボールペンフォルダー(パーカータイプ黒色芯1本)
本体価格 48000円(税別)

 スチールペン先で48000円の万年筆は日本人の感覚だと「えっ!金ペンじゃないの?」と思う方が大半かも知れません、実際に国内メーカーであれば1万円台で14金ペン先の万年筆が購入可能です。

 ところが、ヨーロッパの万年筆ユーザーの間では日本のような金ペン至上主義的な風潮は強くなく、ペン先がなんであれ良い物は良いという感覚を持ち合わせているようです。

 実際に使ってみると、手に馴染む感触、適度な重さ、そして堅すぎず柔らかすぎない書き心地はとても書きやすい万年筆ように感じます。
日常用の筆記具としてなら万年筆の飾りは少ないすっきりしたデザインがいいかも知れません、しかし筆記の妨げにならない装飾のNETTUNO BLACK SANDは、手の中にイタリアボローニャの歴史を感じさせる工芸品のような存在でありながら、筆記具として万年筆の役割を十分に満たしてくれています。

 ほどよい贅沢感を満たしながら実用性のある大人の万年筆として、温故知新という言葉が不思議なほどによく似合うハイブリッドな万年筆です。

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