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18年もの時を経て再放送された連続ドラマ『ごくせん』第一シリーズ(日本テレビ系)。その撮影当時、まだ初々しかった仲間由紀恵さん、松本潤さん、小栗旬さん、成宮寛貴さんたちの思い出をアツが振り返りました。
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皆さん、ごきげんよう。アツこと秘密のアツコちゃんです!
まさかこんな時がくるなんて。ご覧になった方も多いと思うのだけど、仲間由紀恵さん主演の大ヒットドラマ『ごくせん』(日本テレビ系)が、『ごくせん2002特別編』となって、6月3日から再放送されているのよね。放送が始まった瞬間から大興奮して、当時、生徒役だった出演者のみんなやいつメンたちとLINEを開始しちゃった。
「懐かしい~、もう18年も経つんだね」とか「みんな若い~」だとか「あの川のロケは大変だった」とか「大江戸一家の門のロケ地は〇〇だったよね。よく通ったなぁ」等と思い出話に花が咲き大騒ぎ。懐かしがったり大笑いしたり、後半の生徒を守るためにヤンクミが一肌脱ぐ大一番の見せ場乱闘シーンでは号泣しちゃうし、忙しいったらありゃしない。往年のファンの皆さんはもちろん楽しめただろうけど、初めて見たという若い視聴者の人たちもいたんじゃないかしら。気に入っていただけたかなぁ?
というわけで、2020年から2002年にどっぷりタイムスリップしちゃったアツの『ごくせん』思い出話をご紹介。
まずは簡単にストーリーをおさらいすると、仲間さん演じる山口久美子は家を継がなきゃいけない身ながら、長年の夢だった教師への道へと進み、晴れて白金(しろきん)学院高等学校3年D組の担任に。担当するのは数学。正義感と希望と熱すぎる気持ちを抱きつつ意気揚々と教室に向かうものの、何と3Dは問題児ばかりが集う悪の巣窟。授業中も誰も話なんか聞いちゃいないし、すぐにケンカはするわ、先生を先生とも思わずナメきった態度で久美子にも接し、コミュニケーションさえ取れず、久美子の毎日は散々で……!
何かあってもいつでも逃げられるように、学校での久美子は赤いジャージ姿が定番。色気もへったくれもないんだけど、なぜか当時はヤンクミ(久美子のニックネーム)ジャージが大きな話題になって、スボーツ店なんかで売れに売れたんだから面白いでしょ。アツも取材の時によく着て行って笑われたっけ。
赤いジャージにお下げ髪&メガネの純朴そうな新米教師だから、やんちゃな男子生徒たちは威嚇しまくりなんだけど、そんなことにビクともしないのがヤンクミ。なぜなら実家は任侠の世界に生きる男たちの集まり大江戸一家で、唯一の肉親である祖父の黒田龍一郎は大江戸一家3代目。本来ならお嬢である彼女が組を継ぐべきなんだけど、宇津井健さん演じる懐深いおじいちゃんの龍一郎さんが「久美子の好きなように生きろ」と応援してくれて教師になったというわけ。
むくつけきコワモテの男たちに囲まれて育ったヤンクミ、高校生なんかにすごまれたってちょっとやそっとじゃビビるわけもなく、腕っ節も強いのなんのって。言うことをきかない不良生徒ばかりだけど、可愛い生徒を守るためなら何でもやっちゃうのがヤンクミ。3Dを目の敵にする教頭一派や、大勢の屈強な男たちだってたった1人でボコスカやっつけちゃうし、もうカッコイイったらないの。2つに結んだお下げ髪をほどいて、メガネを投げ捨てて、いざ戦闘モードに入った時のヤンクミの決め台詞「私? 私は担任の先生だよ」を聞くと胸アツになっちゃうしね。ヘアゴムとメガネを取るといきなり美女に変身する仕様も、もうたまんないの。
再放送の冒頭で仲間さんが「こんな時代だから、見てスカッとして欲しい」と言ってたけど、本当にスッキリ爽快な感動あり、泣き笑いありの王道学園ドラマなのよ。身震いするぐらい仲間さんが美しいし、実はヤンクミが乱闘シーンで外すメガネは1つしかないから、投げ捨てるシーンではスタッフが命懸けでメガネを拾うのが裏でのお決まりでね。乱闘シーンは表も裏もなかなかスリリングな展開だったのよ。
アクションも本格的だったから、撮影は長時間に渡り丁寧に撮っていて。怪我をしないよう段取りから真剣に取り組んでいた仲間さん。乱闘シーンのロケ地はだいたい使われていない倉庫や郊外のだだっ広い空き地だったから、何しろちょっと動くだけで埃が舞い上がってしまって。そんな中で体を駆使して1日中、文句も言わず黙々と撮影する仲間さんには頭が下がる思いだったわ。監督とも感心しあってたんだけど仲間さんは絶対に「疲れた」って言わないの。凄くない?
倉庫だと喉は痛くなるし鼻も真っ黒になっちゃうし、髪の毛も埃や砂まみれになって肌も荒れちゃうし。過酷すぎるハードな撮影がずっと続いていたから、可哀想に時に肌荒れしちゃったりしていてね。どんな時も撮影が終わるとすぐにメイクを落としてスッピンで帰って行ってたわ。でも少ない睡眠時間であっても翌日には美肌を取り戻していたからさすが女優。仲間さんは『ごくせん』第2シリーズ辺りからは「きれいなおねえさん」のCMキャラを担当していたけれど、まさにそれを実践で証明していて、感動すら覚えちゃったわよ。生徒たちもみんな神々しい仲間さんを憧れの女性として見ていたの。
当時の仲間さんは23歳ぐらいだったんだけど、大勢の男子生徒を前にひるむことなく堂々と演技をされていて、既にちょっとした貫禄があってね。生徒たちとのやり取りやクセの強い教師たちとのやりとり、家業とはある意味、敵対する刑事さんに淡い恋心を抱いちゃったりで、シリアスな演技とコメディータッチの恋にとんでもなく奥手な初々しい演技、ド迫力なアクション等々、とにかくやることが多くて大変だったのよ。
それにたまの撮休でも、CM撮りや他の仕事が目一杯詰め込まれていて、たぶんストレスもめちゃくちゃたくさん抱えていたと思うんだけど、その辺は嫌味な教頭役の生瀬勝久さんや、3Dのトップである悪ガキの松本潤くんなんかがさりげなくフォローしていてね。すごーくいいムードだったのよ。生瀬さんと仲間さんは今でもプライベートでもとっても仲良しだもの。
ヤンクミと教頭の言い合いはシーズンを重ねるごと激しくなっていくんだけど、とにかく生瀬さんの顔芸が面白すぎて、どうしたって笑っちゃって、NG連発になることもしばしば。スタッフだって笑いを堪えていたぐらいだし、生瀬さんがムードメーカー役をしてくださって、若い仲間さんや生徒たちを常に元気づけていて、現場は笑いが絶えなかったのよね。しかもどんなに忙しくても仲間さんはきっちり台本を覚えてくる頑張り屋さんで、いつ寝てるんだろう? って心配になるぐらいだったわ。
あの頃、仲間さんと潤くんが「付き合ってるんじゃ?」なんて噂も立ったけど、確かに近くで見ていてもいい雰囲気だったわね。年下の男の子だった潤くんが仲間さんをそっと陰ながら支えている感じで、仲間さんに何かあると潤くんは「あの子も、多分いっぱいいっぱいなんだよね」な~んて言って庇っていて。その度に「ヤダ、潤くんったら『あの子』って呼んでる」なんて1人でこっそり盛り上がるアツだったんだけど。
さてその潤くん。沢田慎役には人一倍、気合いが入っていて、まぁやることなすことかっこよくて惚れ惚れしちゃったわよ。毛先だけが派手な茶髪のロン毛をなびかせながら華麗な演技で魅了してくれて。アツもあっちへこっちへロケに同行したけど、皆さんが気になったであろう他の男子生徒たちとの仲についてなんだけど……。
第1シリーズの『ごくせん』には、その後ビックリするぐらい人気者になった松山ケンイチくんや上地雄輔くんもワラワラ生徒の中にいたのよ。『科捜研の女』(テレビ朝日系)シリーズにレギュラー出演して活躍した泉政行くん(いっちゃん)も生徒役で出演していて、真面目で優しかったいっちゃんが若くして旅立った時には生徒の皆んなと涙したわ。『仮面ライダー』(テレビ朝日系)でも人気を博し、今でもヒーローとして活躍中の森本亮治くんも出ていたし、地道に芸能活動を続けている人たちが多くて、うっかりしてたけどこの時に始まったお付き合いももう18年にもなっていたのよね~。みんな素敵なアラフォー世代になっているわ。
で、そんな中でも話題が尽きないのが潤くんを支える生徒の4トップの面々よね。第1シリーズは小栗旬くん、成宮寛貴くん、石垣佑磨くん、脇知弘くんが出演していたんだけど、そりゃまぁいろいろあったわよ。だって当時はまだみんな若かったから。『ごくせん』は学園ドラマで、どんなに人気があって立場は違っても3Dの生徒ということで、一応はみんなマネージャーなしで、自分のことは自分でという一律システム。あの潤くんであろうと基本は個人の楽屋はなしで、生徒みんなが生田スタジオの大部屋にワラワ 集うって感じだったのよ。
夜中になってくるとテンションがヘンに高くなっちゃって、旬くんやナリィが衣装部屋に忍び込んで、シークレットなコスプレ合戦をしてみたり、それをお互い写メっては大笑いしたり。表向きは潤くん、旬くん、ナリィはいつもフツーに談笑してたからてっきり仲良しかと思いきや、後で潤くんに聞いたら「最終的に旬と仲良くなったのは『花より男子』(TBS系)の時だったんだよ」と言っていて、ビックリしちゃったの。
旬くんも「最初は潤が嫌いだった。カッコつけてんなって思ってた」って言ってて、苦笑いしかなかったんだけど、そんなものなのかもね。ナリィも「旬の家に行くようになったのは『ごくせん』が終わってから。旬がいなくても実家に行って、風呂に入ってご飯食べさせてもらったりしてた」んですって。
潤くんが「まだ『ごくせん』の時はみんな何者でもなかったから、自分が自分がって前に出ちゃってて。何も見えてなかったんだろうな。誰にも負けたくないっていう気持ちだけで肩肘張ってた」と言っていたし、そんな時代があってこその今よね。
そういえば『ごくせん』で断トツのブレイクを果たした旬くんと、『ごくせん』クランクアップのすぐあとに恵比寿で会ってインタビューさせてもらったんだけど、派手な金髪が目立っていて、街ゆく人がすぐ気づいちゃって。指をさされた旬くんったらこんなことを言ってたの。
「あ~、クランクアップしたから一刻も早く金髪辞めたい。イメージが付きすぎた。どこに行っても見つかるんだ。このブームが早く過ぎるといい。みんなに飽きられるところから始めなくちゃダメだと思うんだ。ブームはすぐ終わる。ヒョイとブームだけに乗っかるのはイヤだ」
ブレイク直後って調子に乗りやすいものなのに、旬くんは若い時から骨太だったのよね。まぁ残念ながら!? 未だに“小栗旬ブーム”は続いているけど、でもどんなに人気が出ても、ちゃんと地に足つけて役者業を続けているし、世界で活躍しようと挑戦している彼を応援したいわね。
改めて思うに、旬くんは責任感が強く友情に厚い有言実行男。今でも潤くんと旬くんは盟友で、いい意味で最大のライバルだろうな。みんな今の方が輝いてるし素敵な年齢の重ね方をしているから惚れ直しちゃうわ。これからの彼らの活躍がますます楽しみ。
それにしても仲間さんも18年経ってもきれいなまま。と言うか「きれいなおねえさん」から「きれいなママ」になっていて感慨深いわぁ。彼女を初めてインタビューしてからもう18年か、月日が経つのが早すぎる、どうしましょ? さぁて来週もヤンクミ大活躍の『ごくせん』は続きますぞ~。気合いを入れる時のヤンクミの合言葉「ファイト、オッ!」が今こそ身に染みる昨今。皆さんご一緒に、見てスカッとして、いっぱい元気を貰っちゃいましょ~!