
生き延びるためのマネー/川部紀子
ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。今回はお金に関して筆者が考える2020年6月中にやるべき、検討すべきことを3点お話したいと思います。いずれもリミットのあることなので、のんびり検討する時間はありません。できるだけ、完結にお伝えしていきますので、これを機に検討してみてはいかがでしょうか。
1)有料化するコンビニ大手3社のレジ袋
現代人の生活に欠かすことのできないコンビニ。買ったものに合ったサイズにレジ袋に入れてくれるのが当たり前になっていましたが、7月から大手3社のレジ袋が有料化されます。1枚3円、大きな袋は5円になるケースもあるようです。
会計時にレジ袋が必要かを聞かれることになります。レジ袋代を支払うか、エコバッグやレジ袋を持参するかを決めておきましょう。
有料といっても、3円・5円のお話なので、「決める」と表現するのは大げさに思えるかもしれません。筆者も3円・5円がもったいないという話をしたいのではなく、その「心がけ」が問題だと考えています。
「そのくらいならいいや」と毎回レジ袋を購入することになりそうな人は要注意です。「そのくらいならいいや」の精神はあらゆるところへ波及します。ATMの手数料、利用していないサブスクの料金など、払わなくても済むお金をあちこちで支払っている可能性があります。昨今の合理化思考も相まって、今後は小さな有料サービスが増えてくることが想定されるので、こういった出費への心がけや方針は決めておくと良いでしょう。
2)マイナンバーカードを作るべきか
新型コロナウイルスに関する特別定額給付金の申請で再注目されたマイナンバー(個人番号)。プラスチック製写真付きマイナンバーカードを持っていれば、インターネットで特別定額給付金の申請が行えますが、紙の申請書に記入しても申請することは可能です。
ただしまだマイナンバーカードを持っていない人はこれから検討すべきでしょう。というのも、政府が9月から始めるマイナポイント事業は、マイナンバーカードを持っていることと、キャッシュレス決済をすることで、最大5,000円分のマイナポイントを受け取れるからです。還元率は25%で、2万円分の決済やチャージで5000円分が最大とされており、還元率・上限金額ともに多くの一般生活者にとって魅力的だと思います。
マイナンバーカードを申請して手に入れるまでに約2カ月かかります。またマイナポイントを利用するためにはマイナンバーカードを使ってスマホかPCで「マイキーID」を取得する必要があります。そのマイナポイント取得のためのエントリーの締め切りが8月末まで。実は交付申請をするなら今がギリギリのタイミングなのです。仮に交付申請書を失くしていても、また受け取ることはできますので、今ならマイナンバーカードを持っていない全員に権利があります。
もちろん任意なので、自分の方針として、「たかが5000円ではマイナンバーカードは作らない」などであればそのままで構いません。「5000円分ももらえるなんて知らなかった」とならないように、今その判断する時だということを知っておいてほしいですね。
3)キャッシュレス還元事業が6月末で終了
2019年10月の消費税増税から始まったキャッシュレスポイント還元事業。対象の中小店舗などで5%、コンビニなどでも2%の即時値引きなどが行われていますが、6月末で終了してしまいます。消費税8%据え置き、または5%に実質減税は非常にお得な仕組みでしたが、今のところ延長の話は出ていません。
もしも、何かキャッシュレスで大きな買い物をする予定があるのなら、6月末までを1つのリミットとして考えるのがオススメです。無理に買う必要はありませんが、近い将来買うものであれお得が良いですよね。対象店舗はネット通販にもかなりありますので、検討して早いうちに決済し発送してもらいましょう。発送が6月末までに完了しなければ還元対象にならないケースもあるので、そろそろ動く必要がありそうです。
①コンビニレジ袋、②マイナンバーカード、③キャッシュレスポイント還元の3点について、「あ、忘れてた」という理由で損をしないように、そして、少しでもお得で嬉しい気持ちになれるように、考えるきっかけになればと思います。