小児科専門医でアレルギー専門医でもある「ほむほむ先生」こと堀向健太さんとの共著書『マンガでわかる! 子どものアトピー性皮膚炎のケア』が大好評の、漫画家・青鹿ユウさん。
じつは、ご自身の娘さんも生後数カ月の頃からアトピーになったといいます。当時は、ステロイド外用薬を怖い薬だと思っていて、治療も躊躇してしまったそうです。が、信頼できるお医者さんに出会って考えが変わったのだとか。そんな体験をエッセイ漫画にしてもらいました! 監修は、ほむほむ先生です。
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娘が生まれて2カ月の頃、赤いプツプツができてかゆがるようになり、心配になった私はすぐに小児科へ行きました。
ところが、そこでは「乳児湿疹でしょ」「お母さん慌てすぎ! こんなことでオロオロして今後どうするの?」と叱られた後に笑われ、あまりきちんと見もせず薬を処方され「塗っておいてね」と帰されてしまいました。
もらった薬を塗れどあまりよくならず…。このまま通院したほうがいいのか、病院を変えたほうがいいのか、インターネットで検索しては怖い情報にあたり、落ち込み悩む毎日でした。
そしていよいよ娘の湿疹がひどくなり、このままではいけないと思い足を運んだのが、この漫画に出てくる近所の皮膚科の病院でした。
当時、まだアトピーの仕組みや治療について十分な知識のなかった私は、漫画にあるように口コミやインターネットなどでよく目や耳にする「ステロイド外用薬は怖い」という噂におびえていました。娘はまだ赤ちゃんだったこともあり、本当に使って大丈夫なのか心配だったのです。
この医師は、私の不安を笑うことなく、ステロイド外用薬を使う意義について教えてくれました。ステロイド外用薬の強さについても、一覧表を出して一つずつ説明してくれたのです。おかげで、娘に適切な治療を受けさせることができました。
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それから時がすぎて、ツイッター上でほむほむ先生と出会い、アトピー性皮膚炎についてのコラボ漫画を作ってネット上で公開し、今春には『子どものアトピー性皮膚炎のケア』という本を出すこともできました。 あの頃の私のように、子どものアトピーが心配だけど、どうしていいかわからない、何が正しいのか不安だ、ステロイドは怖いと思っている保護者の方がいたら、ぜひ読んでいただけたらと思っています。
正しい医療情報を知ることは、とても大切なことです。
そして、大前提として、この漫画に出てくる主治医が教えてくれたように、「子どもにしてあげたいことは何か」「どういう状態を目指したいか」を親である私が見失わないこと、目的と手段が入れ替われないようにしていくことが大切だと思っています。
コロナ禍の今、正確な医療情報を見分けるコツ!【マンガ】第1回
新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっていますが、未知の病気ゆえに「かかると、その後どうなるのか」「本当に治るのか」など、強い不安を覚えている人は多いのでは…

『マンガでわかる!子どものアトピー性皮膚炎のケア』(青鹿ユウ、堀向健太著/内外出版社)
エビデンスがあって正確で、しかもマンガでわかりやすく、子育てに忙しい読者にやさしい一冊です。アトピー性皮膚炎の基本から、スキンケア、薬物療法、悪化要因対策のことことまで、しっかり理解できます!

漫画:青鹿ユウ(あおしか・ゆう)
漫画家。夫と娘と猫と生活中。自身の経験や専門家から学んだことを「気軽にやさしく読めて、ちょっとためになる」をモットーに描いている。

監修:堀向健太(ほりむかい・けんた)
日本アレルギー学会専門医/指導医/代議員。小児科専門医/指導医。診療の傍ら様々な医学サイトで執筆しながら、SNSでも出典の明らかな情報を発信している。