新型コロナは「宇宙の意思」!? 死者を引き合いに出すゲスさ、安倍昭恵夫人の「お友達」も登場の老舗雑誌

文=山田ノジル
【この記事のキーワード】

 ドクタードルフィンの主張は、こんな感じです。

・不安と恐れに特化したプログラムコードを持つのはコロナウイルスのみ。
・人の感情との共鳴力が大きい。
・人類が不安と恐怖でパニックを起こし、敵意を抱くほど、エゴで行動するほど学ばせるためにウイルスは広がる。
・ウイルスは人から人へ感染すると思われているがそう見えるだけで事実はそうではありません。空間に遍満(へんまん)しているホワイトホールから突如現れ、物質化する。役目を終わると突如ブラックホールへと消失していく。
・恐れる人のエネルギーに共鳴して、隔離されている部屋に、口の中に、突如ウイルスが現れます。それが感染したように見える。

 そして感謝でウイルスを受け止め、「学ばせてくれてありがとう」と伝えることが大切なんだとか。だからコロナウイルスの感染者数は、国民の霊性の進化度と反比例しているそう。

 確かに非常時下はモラルが低下し、犯罪が増えることは過去の出来事からも明かです。ですから今の時期、あの手この手でそこへ向かわないような発信は、求められるコンテンツでしょう。しかし「民度」(麻生太郎財務大臣の発言)やら「霊性」を持ち出すのはどうなのか。それは「信心がないから、感謝がないから病気になる」と脅す輩と同類に思えてしまうのですよね。いいことを言っているようで、さりげなく脅す言説も、スピしぐさとしてカウントしておきましょう。

死者を引き合いに出すゲスさ

 そうそう。権威といえば、もう一人スーパー有名人が特集に登場しています。ノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士直系の弟子である、理論物理学者の保江邦夫氏です。保江氏のトークは天才的かつエキセントリックな視点が特徴で、今回の記事でも、今アツい陰謀論として出回っている「5Gでコロナウイルスが活性化」説を取り上げています。そして「愛(光)に覚醒することこそ、コロナや電磁波から身を守る特効薬」であると。数学や物理の世界も、突き詰めていくと大変な神秘であり神の世界を見出す人はめずらしくない……と聞きますので、スピリチュアルな世界に理解があるのはわからなくもありません。ですがこういった媒体に登場することで、ほかの与太話レベルのお説にもお墨付きを与えてしまいそうで、なんだかなあ~と思ってしまうのでした。

 さてスピしぐさに話しを戻しましょう。「我らが選ばれしもの」という選民意識を持って発言するのも重要ポイントです。かつては宇宙人だったり、イエス・キリストが父であったというすごいプロフィールを持つサアラ氏のページでは、「銀河群全体の進化を推進するための指揮をとる」という立場からのメッセージが紹介されています。ここは、感染者の一部に子どもたちも含まれることについての説明が注目ポイント。

「子どもの感染者、若い人たちもやはり、この先の社会に適応できるかどうかを選別されている」「いま、子どもたちを選別する、という段階に入っている」「魂に見合った完全な選択をする時期にさしかかっている」

 自分が感染してそう結論づけるならともかく、感染症で亡くなった子どもたちを引き合いに、自分たちの世界を盛り上げるために使うゲスさよ(あ、社会の出来事を独自すぎる解釈で発信するのも、スピしぐさでしたね!)。この手の言説は誰がなんと言おうと、受け入れたくありません。

ナショナリズムをくすぐる

 以前も胎内記憶本で、目黒女児虐待事件について亡くなった結愛ちゃんを「愛を教えてくれるために、この世に生まれてきた」と説明していたのも最悪でしたが、こちらもなかなかのものですなあ。どうぞ一刻も早く、別の宇宙へ飛び立っていただきたいものです。

 まだまだ未知な部分が多い新型コロナウウイルスを、ユニークな視点で語るのはもちろん自由です。ただ、科学っぽい説明で荒唐無稽なお説を発したり、民度やら霊性やらを持ち出しナショナリズムをくすぐったりする点だけは、ご勘弁いただきたい。スピしぐさにおいても、その辺を精査してブラッシュアップしていかれてはいかがでしょう。そのほうがよっほど、波動や霊性が高くなりそうなんですが。

 さて、こんなものを読んでいたら、サントリーの広告記事に登場する「宇宙ビジネス」や、子どもに向けのYouTubeチャンネル「おうちで宇宙」のアカウントを目にするなり、「あっちの話しだ!」と勘違いしてしまうこともしばしば(瞬時に気づいて「あっ…」てなる)。毒されすぎですね。もしかしたら自分も、息をするようにスピしぐさをくり出せるようになる日が、近いかもしれません。

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