鞘師里保にマリウス葉…アイドルやアーティストがジェンダーについて言葉を発信する意義

文=wezzy編集部
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左・鞘師里保Instagramより/右・Johnny’s netより

 モーニング娘。の元メンバーで、現在はBABYMETALのサポートダンサーとしても活躍している鞘師里保が、「性的マイノリティであることを友人に打ち明けるのが怖い」という相談に、自分なりの短い答えを寄せた。

 6月13日、鞘師里保はInstagramのストーリーでファンからの質問に答える企画を開催。そのなかで寄せられた<わたしは女性ですが女性のパートナーがいます。りほちゃんの周りにこういう人たちは居ますか?><もし女友達から「彼女はいる」と言われたらどう思いますか? 友人に嫌われるのが怖くて言えない…>という質問に対し、こう返した。

<いたね
 私なら自分を信頼して勇気を出して話してくれた事をありがたく思います>

 鞘師の言葉は簡潔だが、しかし確かなメッセージとして受け取れる。

 トップアイドルとして活躍する若者が、多様性やジェンダーに関するメッセージを発信する機会は徐々に増えつつあるが、まだ日本においては少数派だ。政治や社会問題に触れるだけでも「変な色がつく」と敬遠するファンは少なくなく、芸能事務所側も警戒しがちだという。

 だがアンジュルム(スマイレージ)の元メンバーである和田彩花は、より積極的にそうした問題に切り込んでいくひとり。和田は「ぴあ」の連載で、性別と名前を変えたトランスジェンダーをテーマにしたキュンチョメの作品『声枯れるまで』を鑑賞した感想として、このようなコメントを寄せている。

<ここで描かれるテーマはLGBT。まだまだ難しい問題です。でもこの作品は、私たちにこういう世界があるということを教えてもくれ、さらに作品に吸い込まれるような力を持っているんです。
 どんな世界であれ、問題であれ、知らないからと、知ろうともせずに拒否する人もいますよね。
 でも知らないから拒否するのではなく、きちんと知る、そして考えるということが大事だと思わされたイベントでした>

 また、AKB48の岡田奈々は、ドラマ『AKBラブナイト 恋工場』(テレビ朝日)で同性愛のストーリーを演じた際に、Twitterに<愛に性別も何も関係ない>と綴っていた。岡田は漫画『あさがおと加瀬さん。』(高嶋ひろみ/新書館)や、映画『アデル、ブルーは熱い色』といった女性同士の恋愛を描いた作品への偏愛もしばしば語っている。

 Sexy Zoneのマリウス葉はジェンダーバイアスの撤廃や多様性の獲得について積極的に発言してきた。マリウス葉は「SPUR」(集英社)2019年6月号に掲載されたインタビューで、社会的なメッセージを積極的に発信する理由について、このように語っている。

<僕は影響力の強い大きなプラットフォームを持っていて、他の人とは状況がまたちょっと違いますよね。だからこそ、発言していかなくてはならない。自分が学んだことを、同世代や周囲の人に伝える責任がある。発言する機会を与えられないコミュニティもある。そういう人たちを代弁するのではなく、彼らが声を上げられるような場所をつくっていきたいんです>

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鞘師里保にマリウス葉…アイドルやアーティストがジェンダーについて言葉を発信する意義の画像2 ウェジー 2020.03.24

BTS、TWICEらK-POPアイドルの動きは加速

 K-POPのアーティストたちは、さらに踏み込んだメッセージを出してもいる。2018年にBTSのRMはニューヨークの国連総会で「自尊心」に関するスピーチを行い、世界中で大きな話題となった。

<あなたの声を聞きたい。あなたの信念を聞きたい。あなたが誰なのか、どこから来たのか、肌の色やジェンダー意識は関係ありません。ただ、あなたのことを話してください。話すことで、自分の名前と声を見つけてください>(日本ユニセフ協会ホームページより)

 TWICEはメンバーが作詞を担当した曲でLGBTへのメッセージをテーマにしたことがある。2019年リリースのミニアルバム『Feel Special』収録の「RAINBOW」はナヨンが作詞を担当。歌詞で直接的な単語を使用しているわけではないが、レインボーフラッグはLGBTの社会運動のシンボルである。

 「RAINBOW」という示唆的な曲名に、「君は君のままでいい/それだけで十分だと自分を信じてみて」「新しい道を切り開いてみて/あなたの道が広がる/広い空を歩んでどこにだって行けるんだ」「私を守ってよ/そして覚えていて/私も彼らと変わらないということを」といった言葉が並ぶ。ナヨンがこの曲でどんなメッセージを伝えたいかは明白だ。

 他にも、MONSTA Xのウォノ(現在は脱退)とジュホンが動画配信サービスのV LIVEでファンと交流し、「LGBTであることを親が認めてくれない」というファンからの悩み相談に対して、ジュホンが「状況がどうであれ、あなたが正しいと思うことが正しいことです」と応援のメッセージを送って話題になったこともある。

 アイドルやアーティストがファンに向けて発信するメッセージは、当事者を鼓舞するだけでなく、「自分は部外者だ」と思い込み目を閉ざしてきた層にもインスピレーションを与えることが出来る。強いパワーを自覚し、言葉を紡ぐ彼らを応援したい。

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