「丸善 森林楽」大切なコレクションを優しく収納できる万年筆箱

文=出雲義和
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 万年筆の魅力に取り憑かれると、はじめの1本が、気がつくと10本に、またさらに10本と加速度的に増えていく傾向が見られます。これは一部のマニアだけでなく、比較的手頃な価格の万年筆を購入したビギナーや若いユーザーにも見られる傾向です。

 そうなると万年筆を納める場所、大切な万年筆を安全に保管する器が必要となってきます。

 持ち運びができるくらいの本数のうちなら、ペンケースにざっくりまとめておいてもいいかもしれませんが、高額な万年筆が加わってくると、それらの万年筆に相応しい置き場所にも気を配りたくなります。

森林楽シリーズから万年筆箱

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温もりのある木製収納ケース

 丸善 MARUZEN(以下、丸善)から発売されている森林楽(しんりんがく)シリーズは、北米産アルダー材(はんの木)と国産の木材を使い、工芸品のクオリティと木製品ならでは温もりを感じさせる製品です。

 万年筆箱は上中の2段にはそれぞれ10本の筆記具スペースが、底が深い引き出し式の下段には万年筆インクボトルを収納するスペースが用意されています。

 しっかりと作り込まれた森林楽万年筆箱なら大切な万年筆を安心して任せることができます。

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見える収納ができる上段

 アクリル樹脂を使った透明の跳上げ式の上段は、中に並べた万年筆をひと目で確認できます、コレクターにとっては、みずからのコレクションをいつでも愛でることができる嬉しい仕様です。

 視認性の良さは、使い終わったあとに戻す場所がわかりやすいので、紛失などのトラブルを回避させる効果も望めます。

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見せない収納の中段

 中段の引き出しには上段と同様に10本分の万年筆を並べる溝があり、互いが接触することなく並べられて、普段あまり使用する機会がすくない万年筆の収納に向いていますが、物理的に外から見えないので、家族から自分のコレクションを知られたくない人にもこの中段は有効です。

 底板は裏返すことで布貼りのフラットな敷板に変わります、まだ所有する筆記具が少ないひとには、インクカートリッジやボールペンのリフィルなどをはじめ、時計やアクセサリー類を納めるスペースにも活用できます。

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下段のもっと深い引出しには万年筆インクが収納

 もっとも深い下段の引き出しは、万年筆インクボトルが収納できるスペースです。

 標準で9箇所に仕切る板が付属していているので、インクボトルを安定して置くことができますが、現在販売されている万年筆インクボトルには統一規格がないためメーカー毎にその形状や大きさが異なります。なので、仕切り板を外した方が収まりが良い場合もあります。

 加えて、万年筆インクボトルの大きさの関係で収納できないものもあるので、実際のインクボトルを使い検証してみました。

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お気に入りインクを収納する下段

 下段引き出しの内側のサイズは幅210mm×奥行き175mm×高さ70mm、ここでの1番の問題は高さです、高さが70mmを越えるインクボトルは頭がつかえてしまい引き出しが閉まりません。

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収納可能な国産インク

 国内3大メーカー(写真右から)の、セーラー万年筆ジェントルインク50ml、セーラー万年筆50ml、プラチナ万年筆60ml、パイロットコーポレーション30ml(以下パイロット)の各インクはOKです。セーラー万年筆50mlのカタログスペックでは70mmとギリギリの寸法でしたが、つかえることなく収納できたので若干の余裕があるのかもしれません。

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収納可能な海外ブランドのインク

 海外の万年筆ブランドとして誰もが知っているモンブラン、ペリカン(エーデルシュタインインク)、パーカーの各定番インクはOKでした。モンブランは独特なデザインですが仕切り板を一枚外すだけで2本が丁度並べられるのはモンブランファンには嬉しい仕様です。

 ただし、限定品などイレギュラーなインクボトルに関して収納できないケースがあるかもしれません。

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NGな国産インク

 国内のブランドでも収納できないモデルがありました。

 万年筆インクブームの火付け役となったパイロットの色彩雫シリーズは頭ひとつつかえてしまい断念、同じくパイロットのリザーバー付き70ml、ご当地インクとして全国の文具店がオリジナルインクを販売する際によく使われているインクボトル(セーラー万年筆製)も残念ながら収納できませんでした。

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NGな海外ブランドのインク

 海外の万年筆インクは個性的なデザインのボトルも多く、見た目は入りそうだけれどNGだった一例が、左からDIAMINE(ダイアミン)のシマーリングインク50ml、ハンドメイドインクで人気のドクターヤンセン、ローラー&クライナーも微妙なサイズでしたが結果はNGでした。

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エンプティボトルを利用して問題解決

 森林楽・万年筆箱には使う頻度の高い万年筆とインクボトルをまとめて収納することで、両方の管理を一元化させ、よりスムーズなインクの補充が可能になります。

 高さが70mmを越えるインクボトルを下段に収納する事はできませんが、市販されている空のインクボトル、例えばプラチナ万年筆の「エンプティボトル」などを利用すれば、お好みの万年筆インクを移し替えて収納する事が可能になります。

 また、使い終えたインクボトルを再利用する手もあり、ちょっとした工夫で万年筆箱のメリットをより活かすことができます。

 万年筆と万年筆インクの関係をより親密な間柄へと導く森林楽・万年筆箱は、あなたと万年筆との距離をぐっと近づけてくれる存在になる筆箱です。

●データ
丸善森林楽シリーズ・万年筆箱 S-1366
メーカー 丸善 MARUZEN
サイズ(外寸)
幅248mm×奥行き202mm×高さ160mm
価格 18150円(税込)

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