Nizi Project・NiziUオーディションの「体重管理」問題と、韓国芸能界のダイエット・痩せ信仰

文=wezzy編集部
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Nizi Project番組ホームページより

 Nizi Projectオーディションの合格者が決まり、マコ、リク、リマ、リオ、マヤ、ミイヒ、マユカ、アヤカ、ニナの9人がこれからNiziUとして活動することが発表された。その最終発表で、J.Y. Park(パク・ジニョン)がミイヒにかけた言葉が話題となっている。

 6月25日深夜放送『虹のかけ橋』(日本テレビ系)では最終合格者をひとりずつ呼びJ.Y. Parkが一言ずつ言葉をかけるシーンが映されたが、そのなかでミイヒに対して彼はこのように語りかけたのだ。

<ご飯たくさん食べてね。少し痩せているから。分かった?>

 確かにミイヒはオーディションを通して見るからに痩せていき、視聴者の間でも「また痩せちゃってる」「ミイヒちゃん細すぎる、大丈夫?」と心配の声は絶えなかった。

 日韓どちらの芸能界でも「痩せ信仰」が蔓延し、その価値観が社会全体に強い影響を与えていることが問題となっている。ゆえに「ご飯たくさん食べてね」というJ.Y. Parkの言葉に多くの人が反応したのだ。

 だが一方で、J.Y. Parkは体重管理に厳しい。Nizi Projectオーディションでは、逆に「もっと体重を落としなさい」と再三言われたメンバーもいた。ファイナルステージまで残りながら、あと少しのところでNiziUのメンバーとなることが叶わなかったリリアだ。

 地方予選ではリリアのダンスを見たJ.Y. Parkが<本当に上手になりたくて練習を毎日やってきたようには見えない>とパフォーマンスを酷評。その理由はリリアの「体重管理」にあった。

<私が25年間歌手をしながら、一番大変だったことはなにか分かりますか? 「体重管理」です。体重はダンスに直接影響を与えるからです。(リリアは)踊るとき身体がとても重くて遅いです。いまよりもっとダンスを軽く、速くしないと>

 J.Y. Parkは音楽プロデューサーとしてWonder Girls、2AM、2PM、miss A、GOT7、TWICEなど数々のスターを育ててきたが、本人も歌手として活動している。韓国の大手芸能事務所・JYPエンターテインメントの創業者として会社を引っ張るいまも現役だ。そうした本人の歌手としての経験をもとに、より質の高いパフォーマンスをするために努力すべきことをアドバイスしたのだろう。

 結局、リリアは補欠合格のようなかたちで東京合宿審査まで駒を進めた。2カ月後に行われた合宿では3〜4kg体重を落とし、再びJ.Y. Parkの前でダンスを披露したのだが、今度はパフォーマンスを高く評価されている。評価後、J.Y. Parkは体重管理についてさらにこのようなアドバイスを重ねている。

<僕は自分がやらないことを皆さんにやってくださいとは言いません。僕は昨日もご飯を一食しか食べませんでした。ダンスを上手く踊りたいから。
 でも、食べるのを我慢するって本当に大変ですよね? 25年間歌手をやっていますが、体重管理が一番難しいと思います。でも、本当にダンスを上手く踊りたいなら、体重管理せざるを得ないです。体重が増える度に動きが鈍くなるから。
 でも、ガリガリに痩せないといけないわけではないです。自分に合っている体重を自分で見つけてコントロールしていけばいいのです>

 つまり、ただ痩せればいいというものではないのである。力強く、素早いパフォーマンスをするために適切な体重を見つけ、それを維持することがプロフェッショナルの歌手として必要なことなのだと、J.Y. Parkは伝えている。

TWICEモモは一週間飲まず食わずジム通い

 K-POPアイドルは男女共に徹底した体重管理を行い、質の高いパフォーマンスをファンに届けているが、なかでもJYPのトレーニングは厳しいと言われている。

 TWICEのモモによる壮絶なダイエットのエピソードは有名だ。モモはネットの動画配信で、練習生時代に1週間で7kgも痩せたと語っている。

 そのダイエットのきっかけは、会社のスタッフに「痩せなければステージに上がれない」と言われたことだった。その言葉を受けてモモは、事務所が求める体重に届かせるため、1週間飲まず食わずで毎日ジムに通ったという。1日通して氷を一粒しか口にしないような生活を続けたことは精神的にもすさまじいストレスで、夜寝るときには「もう起きれなくなるんじゃないか」と思い、恐怖のあまり涙が出たという。

 実に恐ろしい話で、ともすれば健康を損ねて生涯にわたり彼女自身の体を蝕みかねない。だが、JYPにおいてそれは「すべき努力」とされているようだ。

 この動画では同じTWICEのメンバーである、ジヒョ、ジョンヨン、ナヨンがモモの話を聞いていたのだが、モモのエピソードに付け足すように、類似のエピソードが続々とメンバーの口から語られている。

 会社の求める体重を200g超えていたためジヒョがプロフィール写真を撮影してもらえなかったという話や、痩せて水分を絞り出すためにみんなでサウナに行ったらそこでサナが倒れたという危険なエピソードがどんどん飛び出し、モモの話はJYPでは珍しいことでもなんでもないことがうかがえた。

 より良いパフォーマンスをするために自分にとってベストな体重を見つけ、それを維持するというJ.Y. Parkの意見は一理ある。だが、体重という数値にそこまでこだわる必要があるだろうか。また、ダイエットを命じるならばその過程において健康が維持されるようサポートするのは事務所の責務だろう。

 先日は、STU48のメンバーである榊美優が、過度なダイエットによって心身のバランスを崩し、過食嘔吐を繰り返すようになってしまったとTwitterで告白したことが話題になった。そうしたダイエットを始めたきっかけは、周囲の人間に<痩せろ>と言われたことだったという。

STU48榊美優が過食嘔吐を告白「痩せろと言われて」 日向坂46・渡邉美穂も「太ってる」と過酷ダイエット

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Nizi Project・NiziUオーディションの「体重管理」問題と、韓国芸能界のダイエット・痩せ信仰の画像2 ウェジー 2020.06.05

 モモが行ったという、1週間飲まず食わずに7kgも落としてしまうダイエットは明らかに健康的な体重管理の方法ではない。

 思春期の女性は体重が増加しやすく、そもそも体重管理が難しい。そんな時期にパフォーマンス向上のためタレントに体重の管理を要請するのであれば、マネジメント側が栄養学の専門家などによるカウンセリング体制を整えるなど、健康的に体重の管理ができる道筋を整えることが必要ではないか。

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