ノートには、大きく分けて綴じノートとリングノートがあります。どちらがお好みですか。
綴じノートとは、糸でかがってあったり、糊で貼ってあったり、あるいは針金を使用したりなどの違いはありますが、総じて紙を折って綴じた、綴じ具の露出していないノートを指します。
対してリングノートとは、一枚の紙に穴を開け、金属やプラスチックのリングパーツを使って紙を綴じる、リングパーツの露出したノートのことを言います。
綴じノートは飛び出している部分がないので持ち運びや収納に優れていますが、見開きページを段差なくフラットに開かせるためには綴じ方法に工夫が必要です。また、左ページを右ページの後ろに回して省スペースを保つことが困難な製品でもあります。
リングノートはフラットに開くための制約がありませんし、記入や閲覧に不要な左ページを裏面に回してしまうことで机上スペースを効率よく使用できます。反面、硬いリング部分が大きく飛び出しているため、右利きの方なら左ページを、左利きの方なら右ページを書いている際にリングが手に当たって上手く書けないスペースができてしまいます。
今回紹介するリヒトラブのソフティツイストノートは、軟質樹脂を使用したリングノートです。最大の特徴は、手で押すと凹むリングです。40枚綴じの薄いタイプと、70枚綴じの厚いタイプが発売されています。
ツイストノート──以前はツイストリングノートと呼称されていたリヒトラブのこのノートシリーズは、2009年3月より販売されているヒット商品です。バインダー金具のような開閉用のギミックは存在せず、ノートの左ページを左上方に、右ページを右下方に引っ張ることによって簡単に綴じ具を開き用紙の交換ができます。ルーズリーフバインダーのようにかさばることがなく、通常のリングノートとまったく同じ感覚で使用できるのが人気の秘密です。
いままでのツイストノートは硬い樹脂製のリングを使用していましたが、ソフティでは軟質樹脂のリングを使用しています。ただ、実はすべてのリングが柔らかいわけではありません。
40枚綴じタイプでは上から3つと下から3つの計6個、70枚綴じタイプでは上から3つと11番目、19番目と、下から3つの計8個が硬いリングとなっています。70枚綴じタイプでは、中間にも硬いリングが出てきます。ぱっと見では違いが判らないのですが、書いていくとそこだけリングの曲がり方が変わります。枚数が多い分強度が必要なのでしょうけど、少し気になる部分でもあります。
本製品のリングの柔らかい部分は、綴じ具としては噛み合っていません。リングは切れており、上下にただ重なっているだけです。なので上から押すとリングは切れ目から内周と外周にずれて潰れていきます。この柔らかなリングだけで綴じ具を構成してしまうと、ノートとして紙を保持するにはあまりに非力です。従来のツイストノートと同様にがっちり噛み合って紙を保持できるリングも必要なのです。上下3つまでのリングがそれに採用されたのは、綴じ具としての強度を出すための必要最小限リング数だからだと推測されます。
上の硬いリングは1行目に、下の硬いリングは下から1行目と2行目にかかっているのですが、1行目を書いている際の手首はもっと下方、柔らかいリング上に載りますので、さほど気にすることはないでしょう。下方は下から10行目あたりから影響が出てきますので、ノートを下一杯までぎっしり書く方にとっては違和感が残るかもしれません。
先ほどから「リングが柔らかい」と書いていますが、押して変形するとはいえ、ソフティツイストノートのリングは「積極的に押すと変形する」リングです。特にフラットに開いている状態での凹み量は少なく、「柔らかい」とまでは言えない反発を感じます。また左利きの方だと、本リングの凹み量では満足いかないかもしれません。左ページを背後に回した状態で右ページを書く場合は凹み量が変化しますので、関心のある方はぜひ店頭で現物をご確認下さい。
ツイストノートの真骨頂は「用紙を交換できること」です。その利便性に「リングが柔らかいこと」がプラスされたのが本製品です。「ツイストノートが便利なのは判るけど、リングノート自体が苦手だから」という方に、いちどお試し頂きたい製品です。
ツイストノートの用紙はルーズリーフピッチ(B5判26穴)とは異なるワンサードピッチ(B5判29穴)で、ルーズリーフを流用することはできませんが、他社のダブルリングノートとはピッチが合います(一部特殊ピッチを除きます)。裏技ではありますが、今まで使っていたダブルリングノートをばらし、必要なページだけをツイストノートに編集することも可能です。リヒトラブでは、ダブルリングノートのリングを破壊する専用のツール「リングノート用リムーバー」も用意しています。こちらもぜひお試し下さい。
(他故壁氏)