「カラスが懐いて家までついてきた」Twitterが炎上! 巣立ち雛を見かけたらどうすればいい?

文=吉野かぁこ
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写真提供=NPO法人札幌カラス研究会

 「道で会ったカラスが懐いて家までついてきた」というtwitterの投稿が、「野鳥のヒナの誘拐ではないか」と炎上した。

 投稿された写真では、自転車のハンドルにとまったハシブトガラスのヒナが、女性に気持ちよさそうに撫でられたり、肩に乗ったりしている。投稿主は「(カラスが)懐いて家までついてきた」としているが、カラスの足元にゆで卵のようなものが置かれており、「餌づけをして自宅に連れ帰ったのでは」と物議を醸している。

 似たような案件では、6月30日に北海道で撮影された「車のワイパーにしがみつくカラス」がSNS上で500万回以上再生されていた。実際カラスのヒナは警戒心がないため、自転車や人間の肩などに飛び乗ってしまうこともあるという。もちろんこれには個体差があり、冒頭のTwitter投稿の餌づけについてはその真偽は定かではない。そもそも法律上、野鳥を許可なく捕獲することは禁じられている。

 しかし、カラス愛好家としては、ヒナを連れ帰りたくなる気持ちはよくわかる。春から初夏は、ちょうど春先に生まれたカラスたちが巣立ちを迎え、「カラスとして独り立ちするための」訓練を積む時期。まるで人間の幼稚園児や小学生みたいに、頭でっかちのヒナたちがグワグワと鳴いて親に餌をねだったり、おぼつかない飛び方でズサーっと民家の屋根にスライディングする姿などは、カワイイ! の一言に尽きるからだ。

 特に骨抜きにされるのが、嘴の端がピンク色で目がブルーという、カラスのヒナ特有の顔立ち。カラスが嫌いだった人も、そのあどけない姿を見て一気にファンになってしまうこともよくあるくらいだ。

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写真提供=NPO法人札幌カラス研究会

 しかし、だからこそこの時期には、人間の勘違いによる巣立ち雛の誤認保護というトラブルが多発する。地面にお尻をつけて逃げないヒナを「巣から落ちたのでは」「飛べなくなったのでは」と人間が早合点して、自宅に連れ帰ったり病院に運んでしまうのである。

 たとえ逃げるそぶりを見せなくとも、ヒナからしたら単なる休憩で、数時間もすれば飛び去る可能性もあるので、まずは心配でも見守ってあげてほしい。安易な保護は、カラスからしたら「誘拐」となってしまう。親から引き離されたヒナは、野生に戻れなくなることがあるからだ。

 ましてや、無断で家に連れ帰ることはご法度である。飼育下でもカラスは、10~20年はざらに生きる。そして野生の鳥や動物は、通称「鳥獣保護管理法」(※)により無許可で飼うことは違法。勝手に捕獲すれば最大1年以下の懲役または100万円以下の罰金、違法に捕まえた野生鳥獣を飼育すれば、最大6カ月以下または50万円以下の罰金などの刑罰に処される可能性がある。

 では人間は、カラスのヒナを見つけた時、どのような行動を取れば適切なのか。

 カラスのヒナが地面で動かない場合、車通りの多いところで心配なら、草木の茂みや生垣の下などの安全なところに移動させるといい。できれば、塀や枝などの少し高いところに止まらせてあげてほしい。

 カラスがケガをしている場合でも、まずは都道府県の鳥獣保護を担当している部署に連絡をして指示をうけよう。自治体によっては、カラスが保護の対象外にもなっている。

 困ったときは、カラスと人の共生を目指す「NPO法人札幌カラス研究会」が相談に乗ってくれる。カラスの引き取りなどは行っていないが、状況に応じたアドバイスがもらえるはずだ。

 ゴミや畑を荒らす害鳥として嫌われるカラスだが、その行動を見ているととても愛らしく、さまざまな発見をもたらしてくれる。ほら、窓の外を見れば……カラスの子どもたちが元気に飛行訓練をしているかもしれない。

(※)鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律

 

関連Youtube動画 「ひなをひろわないで」

声の出演/ロッキー松村

音声提供/NPO法人札幌カラス研究会

制作・著作/野鳥生活

 

(吉野かぁこ)

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