子どもも大人もつらい夏バテ。小児科医が教える、バテない夏の過ごし方

文=森戸やすみ
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GettyImagesより

 毎日、むしむし暑いか、雨が降っているかどちらかですね。涼しい日があるとひと息つけるような気がしますが、暑い日は疲れます。

「夏バテ」という言葉があります。よくいわれるけれどどういう意味でしょう? 

 夏にバテるというのはつまり暑い季節に疲れるという言葉ですが、医学用語ではありません。そのため、正確な言葉の定義はありません。一般的には、うだるような暑さと湿度のために食欲ややる気がなくなった状態を指すようです。大人は経験のある方が多いと思いますが、夏は何かを食べたいという気持ちが減り、倦怠感・疲労感が取れなくて、ときに頭が重かったりめまいさえすることがあるでしょう。

「エアコンなどと外の暑さで寒暖の差が激しいと、自律神経が乱れるからバテる」という話を聞くことがあります。それっぽく聞こえるので、なるほどそうなんだと思われる方もいるでしょう。でも私はいつも、「サウナと冷水浴は温度差を利用して自律神経を整え、体によいという人がいるのに、なぜエアコンはダメなんだろう?」と不思議に思っていました。

 自律神経とは、メディアの健康特集などでもよく聞く言葉ですが、一体何なのでしょうか? 私たちの体には感覚や意思を伝える体性神経と、心拍数や体温調節、血圧などを調節する自律神経があります。その自律神経は、さらに交感神経と副交感神経に分類でき、外の刺激から体の中を一定に保つ役割をしています。だから夏バテと関係していると思われているのですね。

自律神経と体温調整の関係

 人間の体は食べたものを消化・代謝して、体を作るものやエネルギーに変えていますが、この際に熱を発生します。その熱は血液に乗って体の表面から外へ逃します。体表近くの血管を広げると、熱をたくさん逃がすことができます。寒いときは血管を収縮させて逃げる熱を減らします。だから寒い季節は、手足が冷たく白くなるんですね。夏は血管を広げて、体内で生じた熱を多く逃がすようにしています。ほかにも交感神経と副交感神経は、広げた血管みんなに血液が行き渡るように血圧を調節したり、汗を出したり、筋肉を震わせたりします。

 おそらくサウナと冷水浴のセットは自分の意志で能動的に短時間利用し、心地いいのでリフレッシュされた気持ちになるのではないでしょうか。気候は人の力で簡単に変えられないので受動的にならざるをえないし、毎日毎日暑いのはサウナに比べて長時間ですから、短時間クーラーの効いた部屋にいても暑いところに行くとぐったりしてしまうのでしょう。
 
 自律神経の乱れというのは、数値で測ったり血液検査をしたりしてわかるものではありません。ですが、暑くて疲れるというのは実際によくあることですね。どのくらい自律神経が乱れるのか、なにかをすればどのくらい整うのかというのを検査で確かめることはできません。まずは、涼しい環境にして体を休めるのがいちばんの夏バテ対策でしょう。

 私の意見ですが、エアコンと外気の温度差が悪いというよりは、自律神経で対応しきれないくらい暑さが厳しいから夏バテになるのではないでしょうか? エアコンを短時間、使ったり止めたりではなく、涼しいところでゆっくり休養を取りましょう。疲れているときにさらになにか特別なことをして負荷をかけるのは、よけいに疲れると思います。

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