宝塚歌劇がまもなく公演再開 支え続ける宝塚ファンの強い想いを聞いた

文=雪代すみれ
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「Getty Images」より

 宝塚歌劇の公演再開が迫っています。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今年3月から公演中止をしていた宝塚。実に4カ月ぶりの再開となります。

 兵庫県にある本拠地、宝塚大劇場では花組新トップコンビのお披露目公演『はいからさんが通る』が7月17日(金)~9月5日(土)、東京宝塚劇場では星組新トップコンビのお披露目公演『眩耀(げんよう)の谷 ~舞い降りた新星~』『Ray -星の光線-』が7月31日(金)~9月20日(日)で行われます。その他、宙組『FLYING SAPA -フライング サパ-』、雪組『NOW! ZOOM ME!!』等も公演日程が発表されました。ネット上には公演再開を喜ぶファンの声が溢れています。

 なお、6月15日付けで宝塚歌劇団公式HPでは<政府および自治体等による感染拡大予防のための各種ガイドラインに基づき、施設内の感染予防対策を徹底することに加え、チケットの販売方法や劇場内の各種サービス、舞台の演出や上演体制等につきましても、感染拡大予防のための取り組みを行ってまいります>とお知らせが。宝塚歌劇団公式YouTubeチャンネルにて100期~102期の一部の生徒さん(※)が出演している「宝塚歌劇より、劇場へご来場いただくお客様へのお願い」の動画も公開中です。(※宝塚では、劇団員のことを「生徒」とも呼びます)

 「はいからさんが通る」では、初日から2週間は1日1回公演のみ、8月以降は混雑緩和や客席清掃のため、午後の公演の開演時間が通常より30分繰り下げられます。密集を避けるため当初と演出を変更したり、出演者数の調整をしたりもあるとのこと。また、通常はオーケストラの生演奏を行っていますが、こちらも感染防止のため録音演奏となります。客席の間隔も空けるため、販売チケット数も大幅に減少。ただでさえ入手難易度が高いので、ファンからは「チケットが取れるか不安」という声も見られます。

 観客数を絞ることに伴い、「はいからさんが通る」の初日の翌日、7月18日(土)には、「Rakuten TV」にて公演全編のライブ配信が行われます。また、千秋楽の9月5日(土)には、「Rakuten TV」および「U-NEXT」における配信、全国の映画館でのライブ中継も予定されています。そこで、どの公演を楽しみにしているか、そして公演中止期間中にどのように宝塚を楽しんでいたか、ファンの方に聞いてみました!

公演再開後、一番楽しみにしている公演は?

 まず、再開後、一番楽しみにしている公演について伺いました。

「花組『はいからさんが通る』 漫画でストーリーも熟知しているので、宝塚らしい解釈による再現に期待が高まります。2017年の公演の際も、前評判をはるかに超える柚香さん・華さんのコンビがピッタリでした。更に芸に磨きをかけたお二人の成長ぶりが見られるのを楽しみにしています。柚香さんは、まるで宝塚でトップになるために生まれてきたかのような飛び抜けたビジュアルの美しさがあるのと、ダンスを心から楽しんでいる真摯な姿勢を感じます。舞台以外での素朴で人間味があるところは、公演時のオーラとのギャップがあり、魅かれています」(40代女性・ファン歴1年)

「月組『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』『ピガール狂騒曲』 ポスターの世界観が素敵すぎて、どんな公演になるのだろうとわくわくしています。珠さま(珠城りょうさん)の二役がどう演じ分けられるのか、本当に楽しみにしています。(珠城さんの)持って生まれたスタイルを活かしたダイナミックなダンス、心に伝わる繊細な表現でのお芝居で役柄そのものとして見せてくれるところ、お人柄もよく品もあり、ファンに対しても、とてもお優しく大切に思ってくれることが伝わるところも大好きです」(40代女性・ファン歴5年)

「雪組『NOW! ZOOM ME!!』 歴代トップスターでも有数の歌唱力のある望海風斗さんのコンサートはとても楽しみです。トップスターになり、より一層その歌唱力が際立ってきました。コンサートでは、どんな曲をどのように歌ってくれるのか、大いに期待しています」(50代男性・ファン歴6年)

「星組『眩耀の谷 ~舞い降りた新星~』『Ray -星の光線-』 100周年の頃から宝塚を観始めたのですが、当時からズバ抜けた歌唱力と演技力で光り輝いていた礼真琴さんがついにトップスターになられたので、とても楽しみにしています」(20代女性・ファン歴6年)

「宙組『アナスタシア』 海外で公演されたミュージカルを、宝塚歌劇団ならではの内容で見られるのが楽しみです。ブロードウェイのクリエイティブスタッフにより、真風涼帆さん演じるディミトリ役に新たな楽曲が提供されたと発表もあり、よりオリジナルなミュージカルになると期待しています。真風さんはダンスと歌に安定感があり、ワイルドな雰囲気と目力、宝塚の男役らしい姿が印象的です」(50代女性・ファン歴30年以上)

「宙組『壮麗帝』 ご贔屓の桜木みなとさんの初東上公演作品で、コロナの影響で中止になってしまいました。もう観られないと思っていたので、リスケをして上演されることになり、センターに立つ桜木さんが観られることが楽しみです。桜木さんのキャラクターの人生が見えるような、深い役作りが生きた演技力の高さが好きです」(30代女性・ファン歴20年)

「宙組『壮麗帝』 桜木みなとさんの初東上作品であることと、和希そらさんのひげの姿がとても楽しみです。和希そらさんの抜群のダンスセンスと歌声、トークの面白さが大好きで、下級生の頃から応援しております」(30代女性・ファン歴17年)

宝塚は公演中止期間中でもファンを楽しませてくれた

 約4カ月、公演が中止されている中、ファンはどのように宝塚を楽しんでいたのでしょうか。

「TAKARAZUKA SKY STAGE(宝塚歌劇団専門チャンネル)で昔の公演を見て懐かしさに浸っていました。良い作品は何度見ても良かったです。卒業生の公演も何度見ても良く、思い入れが強くなりました」(50代女性・ファン歴30年以上)

「過去公演のDVDやBlu-rayを観たり、宝塚公式YouTubeの『おうちでタカラヅカ』で名作を振り返ったり、106人のリレーメッセージを観たりしていました。新しいものは見られなくても、今まで積み重ねてきてくれたものたちで再度楽しませてもらい、再開を心待ちにしていました」(20代女性・ファン歴6年)

「今までは月組オンリーでしたが、TAKARAZUKA SKY STAGEで他組の公演も見て、月組以外の生徒さんについても知ることができました。過去の雑誌も今まで飛ばしていた部分も隅々まで読み返し、新たな一面を発見しました」(40代女性・ファン歴5年)

「宝塚カフェブレイクや(iTunesなどで)ダウンロードした歌を聴き、宝塚を思い出すようにしていました」(50代男性・ファン歴6年)

 宝塚の専門チャンネルである、TAKARAZUKA SKY STAGEを楽しんでいたという声がとても多かったです。筆者自身も「タカラヅカニュース(TAKARAZUKA SKY STAGEで放送されている1つの番組)」で、過去に見逃してしまったコーナーが再放送されたのは嬉しかったです。

 また最近放送された「OUR FAVORITE TAKARAZUKA」では轟悠さんと各組トップコンビによる「すみれの花咲く頃」、有志による「未来へ」「この愛よ永遠に(TAKARAZUKA FOREVER)」の3曲が歌唱されています。「涙腺崩壊でとても感動しました。公演中止だからこその企画で、休演中でも宝塚は想像以上に楽しませてくれます」との声もありました。こちらは現在、宝塚歌劇公式YouTubeチャンネル「TakarazukaRevueCompany」でも視聴可能です。

ファンの宝塚への思い 「いつまでも応援し続けていきます」

 その他、アンケートでは多数の宝塚愛溢れるコメントをいただきました。

「宝塚の舞台は特別な存在です。華やかな、夢の中に入れてもらえることがストレス発散になっています」(50代女性・ファン歴30年以上)

「長い期間、公演がなかったことはファンにとってはとても悲しいものでした。今までより、販売座席が減り、チケットを確保するにはかなり大変になると思います。しかし、宝塚の魅力はやはり目の前で素晴らしい舞台を見ることなんです。生徒さんもファンになかなか舞台が見せることができなくて、とても悔しいと感じてると思います。でも、どんな困難でも宝塚ファンは、離れません。いつまでも応援し続けていきます。これからも素晴らしい舞台をファンに見せてもらいたいです」(40代女性・ファン歴5年)

 筆者自身も毎週末、劇場に行くことを心の支えとしていた時期がありました。どんなに辛いことがあっても、劇場にいる間は忘れられる——あの空間には不思議なエネルギーがあると感じています。

 宝塚歌劇は今年106周年です。過去には第二次世界大戦や阪神淡路大震災を乗り越えてきました。まだまだ以前のように観劇ができるわけではありませんが、一ファンとして自分のできる応援をし、今後も宝塚が続いていくことを願っています。まずは7月18日(土)の「はいからさんが通る」の配信を楽しみたいと思います!

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