「モノタフ」は折れにくさを追求したまったく新しいモノ消しゴム

文=他故壁氏
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 押しも押されもせぬ、名実ともに日本で一番有名で、日本で一番使われている消しゴム──それがトンボ鉛筆のモノ消しゴムです。

 もともとは高級鉛筆「モノ100」のダース箱に附属していた消しゴムでした。1967年にモノ100鉛筆が発売されると、その消しゴムが良く消えると評判を呼び、そこからスリーブ(巻紙)を変更したバリエーションを増やし単品発売されたのが1969年。

 以降、ユーザーのニーズに応え、モノ消しゴムは様々な進化を遂げていきました。2020年7月現在、モノ消しゴムは以下のラインナップを誇ります。

・定番のモノ消しゴム
・黒いモノブラック
・軽い消し心地のモノエアータッチ
・消しクズがまとまる黒いモノダストキャッチ
・消しクズがまとまる白いモノノンダスト
・軽い消し心地のモノライト
・薄っぺらいモノスマート
・回転繰り出し小型のモノワン
・一文字消しのスティックタイプモノゼロ
・太めのスティックタイプモノスティック
・砂消しがついたモノ砂ラバー消しゴム/砂消しゴム
・小型で軽く消せるモノもっとかる〜く消せる消しゴム
・クリップとラバーグリップがついたモノノック3.8
・高級軸のモノゼロメタルタイプ

 やや性能被りもありますが、世の中のニーズに応えるべくモノ消しゴムは未だに進化を続けています。

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 今回ご紹介するのは、今までモノ消しゴムのラインナップになかった性能──「折れにくさ」を前面に出した製品です。その名も「モノタフ」。まさにタフな消しゴムです。

 消しゴムを使っていて、折れてしまったり欠けてしまったりした経験はありませんか。力が入ることでスリーブと消しゴムが当たり、そこから切れ目が入って折れてしまうことが多いのですが、消しゴムはそもそもしなる素材ですし、力を込めて文字を消す作業がある限り回避が難しい現象でもありました。

 モノ消しゴムは、スリーブの角に切れ目を入れ、折れ防止策としてきました。ただ、それでもやはり力強く消すタイプのユーザーは多く、消しゴムが折れてしまうことがありました。

 そこでモノタフでは、ふたつの大きな改良を施しています。ひとつは、スリーブに3つの新機能を入れたこと。もうひとつは、消しゴム本体を折れにくい配合にしたことです。

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 モノタフのスリーブは、消しゴムの折れにくさを追求した結果、斜めに切れ上がった独特のフォルムを持つようになりました。持った際、ロゴ面は斜めに切れ上がり、裏面は斜めに下がった縁になるようデザインされています。これにより、消しゴム本体に掛かる負担を分散し、消しゴムが折れてしまわないようにコントロールしています。

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 また、デザイン面で言えば、スリーブ左端に三角形のマークを置いています。ここに指をかけるようデザイン上誘導することで本体を押さえるポイントが縁寄りとなり、消しゴム本体のしなりを抑制します。

 この斜め縁や三角マークを失ってしまうと、せっかくのスリーブの折れ抑制能力がなくなってしまいます。なので、スリーブにはミシン目を入れ、右端──機能のない部分から切り落としてもらうような工夫も施されています。

 本体の改良も効いています。従来のモノ消しゴムよりも硬くなり、消しゴム本体がより丈夫になったのです。消したときの本体のしなり方が違います。改良の結果、抵抗感も大きくなり、結果として消し心地は硬くて重めです。オリジナルのモノ消しゴムがややもちもちした柔らかめのタッチだったので、ここは好みが分かれるところかもしれません。

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 消しカスはモノ消しゴムよりも細く、短いですがひも状に繋がります。粉っぽく細かなカスが出ることはないので、つまんで捨てるのにも苦労はいりません。

 サイズは60円(税抜)の小サイズと、100円(税抜)の標準サイズを用意しています。これだけの新機能を入れ込んでおきながら、モノ消しゴムと同サイズ同額というのは驚異的です。

 モノタフのスリーブデザインは黒を基調としており、ぱっと見モノ消しゴムらしくありません。これは恐らく「今までのモノとは違う、更なる進化を遂げた『もうひとつのモノ』である」という意識の表れではないでしょうか。

 ただのバリエーションではない、21世紀に生まれた新しいモノ消しゴム。一度お使い頂ければ、その違いが判ると思います。

(他故壁氏)

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