後ろめたさ抱えながら働くホストも…ホストクラブ閉店決めたローランドなりの「正義」

文=千葉佳代
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 ホスト界の帝王とも呼ばれる実業家のROLAND(ローランド)が、新型コロナウイルスの影響を鑑み、運営する新宿歌舞伎町のホストクラブ「THE CLUB」を閉店した。ローランドのYouTubeチャンネル『THE ROLAND SHOW【公式】』では、カメラマンのソンさんがローランドに数々の質問を投げかけ、ホストクラブ閉店の本音に迫る動画を公開している。

 新型コロナウイルスが世界各地で猛威をふるい始めてから、「THE CLUB」では感染者を出さないために、パーテーションの仕切りを設け、シートを貼ったり換気を十分に行うなど、様々な対策をしていたという。「(閉店は)悔しくないですか?」と問うソンさんに、ローランドは「誰も恨めないし、誰も悪くない」と答えた。「悲しい」とか「辛い」というセリフはない。

 「起業して1~2年目で100年に1回あるかないかの出来事に直面しているので、これさえ乗り越えたら、どんなことがあっても『あのときに比べたら』と思える気がする」

「俺はあきらめの悪い人間なんで」
「意地でももう一回やろうと思っている」

 現在の社会情勢では、「キャストを守りながら、且つお客様に楽しんでもらうサービスがしっかりできないなと思った」と説明。ホストクラブでお客様を楽しませるにはマスクをしないほうがいいし、フェイスシールドやパーテーションがないほうがいい。ホストは特に相手の表情を見て、「こういうことを思っているのかな」と推測していく。コロナの影響でそうしたことができなかったり、声が届きにくかったり、パフォーマンス自体100%出せないと感じていた。

 ローランドはコロナの流行が始まってからずっと、この状態で営業することはいかがなものかと考えていたのだという。“夜の街”への風当たりはどんどん強くなり、ホストたちもみんな、どこか後ろめたさを感じながら働いている部分もあった。

 ソンさんの「臨時休業すればいいのではないか。閉店までしなくてもいいのでは?」という質問に、ローランドはこう答える。

「臨時休業にしても、その期間働けなくなる、そうしたらまた休ませることになる」
「後ろめたさを感じながら働いていたり、営業できないくらいだったら、(ホスト以外の)会社をやっている身として、そこに置いてあげたほうが彼らのためなんじゃないかと思った」

 これは正しいとか正しくないとかではなく、あくまでもローランドの考える“正義”なのだという。自分の中の正義をつらぬいただけだ、と。

 同様に、もともと予定していた拡大移転先の家賃は払い続けることも、彼のポリシーなのだそうだ。その場所を手放したら、ホストとしてのローランドが終わる気がすると感じており、100人いたら90人が無意味なことだと思うかもしれないが、ローランドの中では意味があることなのだという。物件を手放さないことが、まだホストクラブの再興を諦めていない目印となる。この目印を、後輩のホストたちにも示したい。いつでも皆が戻ってこられるような環境を作りたいという。

「世間はローランドが苦しんでいたり、悲しんだりするところが撮りたいのかもしれないですけど、俺そんなにヤワじゃねーぞ」

 もしこの動画で打ちひしがれて落ち込んでいる姿を撮ろうと思っていたなら、「甘いな」だそうだ。

「やれるだけやって復活しますよ。ちゃんと、ホストとしてもそうですし。ローランドはそう簡単に死なない」

 THE CLUBで働くホストの中には、「ローランドが社長だから。この人の元で働きたい」と志願したホストもいる。「もしスタッフが戻ってこなかったら? 裏切られたら?」とソンさんに聞かれると、「戻ってこない、なんて言うつもりはないですし、ゼロからやるつもりです。戻ってくる子がいればもちろん迎えるけど、違う道や夢ができていればもちろん応援してあげたい。スタッフのことはリスペクトしているから、下とは思っていない。対等だと思っているから、その子たちの考えは尊重したい」と答えたローランド。この人の元でなら安心して働けると思わせる、堂々とした受け答えだ。THE CLUBが再会したときに彼の店に皆が戻ってくる絵が浮かんだ。少なくとも、がらんとした空間でローランドが泣いている姿は見えなかった。

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