「ツーブロック禁止」校則が波紋 生徒を守る名目で考える力を奪うブラック校則

文=中崎亜衣
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「Getty Images」より

 共産党の池川友一都議会議員が今月13日にTwitterで投稿した動画が、大きな反響を呼んでいる。動画は今年3月12日の東京都予算特別委員会で池川都議が、一部の都立高校が校則でツーブロックを禁止している理由について、東京都教育委員会の藤田裕司教育長に質問した際の一幕だ。

 以下は、池川都議の<実際に、そのことによって指導を受けている生徒もいらっしゃいます。 なぜ、ツーブロックはだめなんでしょうか>という問いから始まるやりとりだ。

藤田教育長<お尋ねの髪型につきましては、それを示している学校もございますけれども、きちんと類型を示しまして生徒に伝えているところでございまして、その理由といたしましては、外見等が原因で事件や事故に遭うケースなどがございますため、生徒を守る趣旨から定めているものでございます>

池川都議<つまり、今の話は、ツーブロックにすると事件や事故に遭う可能性があると。率直にいって意味不明ですよ。驚きの答弁だと思います。ツーブロックだと事件や事故に遭うという、トラブルに遭いやすいという、そんなデータが一体あるんですか。しかも、トラブルに遭ったのは、あなたの髪型に問題があるというメッセージとして伝わりかねません。ツーブロックは、社会全体で広く受け入れられている髪型であり、中高生のみならず、一般的に、若い世代でも、働いている方々の中にも、清潔感ある髪型として実際に受け入れられているのが今、実態だと思います。ツーブロックを校則で禁止するということは、率直にいって、社会の常識、時代の進展などを踏まえたものとはいえないというふうに思います。まさに学校の中の独自のルールになっていると考えます>

 この動画が広く拡散されたことを受け、池川都議は7月14日、現在の校則のあり方について、次のようにTwitterで問題提起した。

<この問題、多くの方々に広げてもらっているが、最大のポイントは校則を決める最終権限が「校長」にあるということ。子どもの権利──意見をいうこと、参加することが保障されていない。カタチばかりでなく、意見を出し合い合意形成をしていくことが大事だなと。>

 16日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)によると、東京都教育委員会は、藤田教育長の答弁にあった「外見等が原因で事件事故に遭う」という言葉の真意について、<ツーブロックがイコール校則違反という意味ではなく、過度なツーブロックについては派手な服装と同様、外見が原因で喧嘩等に巻き込まれる可能性があるため「生徒を守る」という意味で答弁しました>と答えたという。

地毛を「黒く染めろ」指導で不登校に

 「ツーブロック禁止」のほかにも、「ポニーテール禁止」「下着の色は白」「黒染め強要」「地毛証明書」など、理不尽なブラック校則への疑問の声は近年大きくなっている。

 今月14日には、元モーニング娘。の市井紗耶香が、娘が学校から<頭部と毛先の色にムラがあるから黒く黒く染めてきてください>と求められたことをTwitterで明かしている。

 市井の娘は地毛だが、過去に水泳経験があるという。市井は学校側に事情を説明し、<黒く染めることはしませんと伝えた>ものの、<過度に個人の尊厳を損なう行為はあまりに残念すぎる>と学校側の対応に疑問を呈している。

 2018年9月には、大阪府立懐風館高校に通う女子生徒が、生まれつきの茶髪を黒染めするよう度重なる指導を受け不登校に追い込まれたとして、府を提訴。女子生徒は黒染めによって、頭皮がかぶれたという。「生徒を守る」はずの校則が、生徒の人権を侵害し、生徒を苦しめる事例もあるのだ。

 一方で、東京都世田谷区立桜丘中学校や東京都千代田区立麹町中学校のように、校則を撤廃した学校もある。生徒会で問題提起し、生徒たちで話し合い合意を形成して校則を柔軟に変えてきた学校だってある。東京都教育委員会も昨年9月、都立中学校と高校に、生まれつきの頭髪を黒く染めさせる指導を禁止する考えを文書で示した。また、多様な生徒に配慮した制服も徐々に普及してきている。

 教育現場に余裕がなく、一律の校則を生徒に押し付けざるを得ないという実情もあるかもしれない。それでも、何のための、誰のための「校則」なのか、今一度見つめ直すことが必要だ。

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