お惣菜ポテサラ上等、食費2万円スルーでいい!時は金なり、進む家計の多様化 

文=川部紀子
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 ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。ここ最近、ツイッターで「#ポテサラ」「#食費2万円」が大きな話題となりました。コロナ自粛で誰もが家にいる時間が多くなったため、「女性」や「母親」に対するプレッシャーがいまだに根深く残っていることが露呈したと筆者は感じました。

 今日は、家庭と食事、家計と食費について一緒に考えていただければと思います。

お惣菜を買うことは時間を買うこと

 「#ポテサラ」は、7月8日のみつばち@mitsu_bachi_bee さんの次のツイートから話題になりました。

 男性から女性への発言であること、「母親なら」と料理をする役割を母親に限定するような言葉使い、「ポテトサラダくらい」と調理の労力を知らなそうな空気感、それを口に出すという行動……男性の家事や育児ももはや当たり前になりつつあり、「専業主夫」「イクメン」という言葉を出すことが少し古く感じるいま、どこをどう切り取ってもいつの時代の男性だろう? と思うほど古い感覚の方です。

 でも、実はこういった感覚が古いということすら知らない男性は数多く残存しているのかもしれません。それがテレワーク、外出自粛などの新しい時代に突入し、頻繁に現れるようになったような気がしてきました。

 眠っていたゾンビが起きてしまったような言い方はいささか失礼なのですが、このような男性が大量に残存していることを想像して少し恐ろしくなったのは事実です。

 この投稿の3日後、同じくツイッターでさいみん @saimin_echoによる援護射撃のような画像の投稿がありました。

 「このコーナーで売っているのは時間です」と書かれてるお惣菜コーナーに貼られているPOPの画像が載せられています。

 筆者もこの考えには賛成です。「作った方が安い」という人もいますが、作るためには時間がかかります。「時は金なり」とはよく言ったもので、世の中の便利なものによって時間ができたのであれば、それはお金を生み出したも同然です。つまり経済的な合理性の高い行為とも言えるのです。

 誰もが引け目を感じることなく時間を作るための支出ができるようになることを願います。

5人で食費2万円問題

 さらに7月14日には、『ESSEonline』に掲載された「子ども3人でも食費2万円台。節約上手のスーパーの回り方」という記事をめぐり、ツイッターで「食費2万円」がトレンド入り。大量のリプライやツイートが飛び交いました。

 よくみられたのが記事の内容を「ありえない!」とするもので、根拠を具体的に示した説得力のあるものが散見されました。他にも「(スーパーを回る、完全な自炊をする)時間に余裕のある人なんだろう」というもの、そして「夫にこの情報を入れたくないので、こういう内容はやめてほしい」という趣旨のものもありました。買い物も料理も家計管理もしていない夫がこんな人がいると知ったらどうなることか、というのです。

 食費を抑えて手作りをすることが「優」で、食費が増えるお惣菜を買うことは「劣」という考えがここにも根深く残っていることを感じます。忙しい人、苦手な人、そこに価値を感じない人が「劣」になってしまうのは、多様性を受け入れる成熟した社会とは程遠い気がします。

 実際の平均的な食費はいくらくらいなのか。総務省家計調査(2019年結果)によると、二人以上の世帯の食費は80,461円です。エンゲル係数(消費支出に占める食料費の割合)は25.7%です。

 5人家族で食費2万円がいかにすごい数字なのかがよく分かる結果です。16年間ファイナンシャルプランナーをやっている筆者から見てもちょっと驚きの数字なので目指すべきとは全く思いません。「女の体重は42キロでウエストは58センチ、そのくらいがベスト」なんていうのと同じくらい非現実的な気がします。このような幻想で縛るのはやめてほしいし、縛られる必要もありませんよね。

家計も多様化していい

 ファイナンシャルプランナーという職業をしていると、個人にもメディアにも「家計支出の黄金比」のようなものを聞かれます。いかにも女性向けのメディアで記事を作りやすそうな目安ですが、筆者の結論は、そんなものは自由でいいという考え方です。

 支出の黄金比は女性のプロポーションのようなものです。身長も体重も、体質や理想も違うのに、黄金比なんて簡単に当てはまるはずはありません。それに、他人にそんなことを言われたくもありませんよね。

 家計においても同様です。収入や貯蓄、仕事や時間、家族や付き合い、考え方や価値、好き嫌い、得意不得意、すべて人それぞれです。日々生きやすいことと、幸せに暮らしていくことがお金によって崩壊してはいけませんが、支出可能な範囲なら、その内訳など気にせず、自分なりの使い方でいいと考えています。

 母親ならポテサラ手作り、食費2万円のような幻想的感覚は撲滅されること願います。お惣菜ポテサラ上等、食費2万円スルーでいきましょう。

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