BTSはなぜ日本語でも歌うのか? K-POPアイドルが「日本語バージョン」を出す理由

文=DJ泡沫
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韓国の現地化&カバー文化

 韓国では日本文化が解放されたのがほんの数十年前で、今でも国営放送では日本語の歌は流れないし、ほぼ放送禁止状態である。その反面、日本の歌を韓国語でカバーして国民的なヒットになった曲は「I LOVE YOU(尾崎豊)」「雪の華(中島美嘉)」など珍しくないし、日本の歌だと知らずに聴いていたという人も少なくないようだ。

 アニメや漫画なども、韓国が舞台に変わっていたりキャラクターが韓国人に改変されて韓国のもののように定着してきた文化がある。日本のドラマを放送する場合も、字幕だけではなく画面に出てくる文字、例えば看板や表札、新聞や本、トラックの文字等まで全て韓国語に直して放送されている。

 つまり、韓国では日本の文化を現地化して消費してきた歴史があり、そういう点では日本人が考えるほど「現地化」という行為そのものに抵抗がない部分もあるのかもしれない。

 実際、韓国語のウェブトゥーンが日本に配信される時は人気作品ほど日本が舞台で日本人の名前に変えてあるケースが多い。最近の例だと日本でもドラマがヒットしている『梨泰院クラス』の原作ウェブトゥーンが日本配信バージョンでは『六本木クラス』に「日本化」されており、主人公のパク・セロイは宮部新という名前になっている。

 日本に配信されている韓国のウェブトゥーンはほとんどの配信会社が韓国企業であり、「現地でハネるには現地の名前にした方がいいでしょう(我々にとってのスラムダンクやクレヨンしんちゃんや名探偵コナンみたいに)」というような「韓国的」な感覚でやっている事ではないかと思われる。

 日本の文化的には、舞台設定やキャラクターの名前のような大切な部分をわざわざ変えていいのだろうか? という戸惑いの方が大きく、不必要にも感じられると思うのだが、これは「韓国のアーティストが日本語でパフォーマンスすること」や「日本語バージョン」への抵抗とどこか似ているように感じられる。

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