三浦春馬さん「優しすぎたんじゃないか」 現場で愛され、信頼された人柄

文=秘密のアツコちゃん
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2019年、第14回ソウルドラマアワードでの三浦春馬さん/GettyImagesより

 三浦春馬さんの訃報がもたらされてから、間も無く一週間が経とうとしています。記者として三浦さんが16歳の頃から何度も取材を重ねてきたアツが、ご冥福をお祈りするとともに、故人の思い出をここに綴ります。

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 皆さん、ごきげんよう。アツこと秘密のアツコちゃんです!

 7月18日の昼下がり。突然飛び込んできたニュースは、三浦春馬くんが亡くなったという訃報でした。

 各社がバタバタする中、横浜流星くんが新型コロナウイルスにかかってしまったり、長瀬智也くんがジャニーズ事務所を退所するというニュースが入ってきたりで、各編集部はどこも忙しく動き始め、なかなか気持ちの整理がつかないままいたのだけれど、何をしていてもどうしたって思い出されるのは春馬くんのことで……。誰と話していても彼の話になってしまって。なので、勝手ながら少し振り返らせていただこうと思います。

ドラマ『14才の母』での緊張感

 アツが初めて春馬くんをインタビューしたのは、2006年のドラマ『14才の母』(日本テレビ系)の時でした。志田未来ちゃんが14才で母親になるという未成年の妊娠と出産を取り上げた社会派ドラマで、当時はかなり話題を呼んだ作品だったの。春馬くんは未来ちゃんの恋人で、やがて子供の父親になるという難しい役。

 弱冠16歳ながら難役に挑戦していた春馬くん。衝撃作ということもあってプレッシャーも大きかったと思うんだけど、監督やプロデューサーたちも折に触れ役どころ等について話し合っていて、「春馬なら大丈夫。絶対にやれる!」と太鼓判を押していてね。彼を信頼していたこともあって、スタッフは“14才の母”である主演の未来ちゃんのケアにあたることが多かったの。あの頃の未来ちゃんは「ツナしか食べない」なんて言うちょっと偏食気味の女の子で、あれこれお世話が大変で。

 共演者はずらりとベテラン揃い、日に日に注目を浴び始めた作品でもあったから緊張の連続だっただろうに、春馬くんは完璧な演技で魅了してくれて、「若手の凄い役者が出てきたな」と感嘆するばかり。だけど初めての取材では心を開いてくれるまで少し時間がかかって、写真撮影でも表情が固くてどうしたもんかなぁと思ったっけ。何度かジャブを打ち続けていたら、ポツリポツリと少しずつ話し始めてくれて。

 とにかく真面目で、とってもシャイで、「子供の頃からこの世界にしかいなかったから、常識とかそういうのがないような気がして」なんて言ってて、心根が真っ直ぐで真っ白なんだろうなと感じたのを今でもはっきりと覚えているわ。

 主題歌であるMr.Childrenの『しるし』を聴いて気持ちを作っていて、端から見ていても本当に健気でね。スタッフからも好かれていて、誰もが「春馬はいい役者になるだろう」と信じて疑わなかったのよ。

撮影の空き時間も黙々と役作り

 それから2年後の2008年、三浦春馬くんは同局の『貧乏男子 ボンビーメン』の時には主演の小栗旬くんたちに可愛がられて、その後はすぐに『ごくせん』の第3シリーズに出演。翌年の『ごくせん 卒業スペシャル´09』や『ごくせん THE MOVIE』にも出演して、人気は不動のものに。髙木雄也くん、石黒英雄くん、中間淳太くん、桐山照史くん、三浦翔平くんたち共演者が、学園ドラマらしく収録合間にキャッキャッキャッキャッしていても、春馬くんはいつも冷静で。

 映画版の撮影で、亀梨和也くんと生徒たちがいつものようにじゃれあって、セットの中でプロレスごっこを始めて、オフはそれはそれは大はしゃぎしていたのだけど、ふと見ると春馬くんは隅っこで黙々とストレッチや筋トレをしていたのよね。つい「どうした?」と聞いてみたら「うん、体を鍛えているんだ。この後、舞台に出るから」と言っていて、それが事務所の先輩でもあった岸谷五朗さん、寺脇康文さんによる地球ゴージャスのプロデュース公演『星の大地に降る涙』でね。

 若いのにストイックに体作りをしていることに感心しつつも、何だか頑張り過ぎているような気もして、「たまにはリラックスして遊んでみるのもよくない?」なんて言っちゃったんだけど、「自分でもそう思う時もある。でも誰にも負けたくないんだ。特に年齢の近い人たちには。『ごくせん』のみんなにも演技だけは絶対に負けられない」と言っていたことを覚えているわ。

 とはいえただの負けず嫌いとは違って、努力を惜しまなかったし、役者として上へ上へと上って行こうとする姿は清々しいもので。だから亀梨和也くんはそんな春馬くんを温かい目で見守っていたし、生徒のみんなも「春馬は本物だ。凄いよ!」と十分に認めてリスペクトしていて、常に切磋琢磨し合って撮影は進められていたの。

 『ごくせん』の後には、初めての連ドラ主演作『ブラッディ・マンデイ』(TBS系)を射止め、舞台も大成功をおさめて、春馬くんの快進撃は止まらず。でね、インタビューをしていて「あら、何かが変わった?」と初めて感じたのは、2009年の『サムライ・ハイスクール』(日本テレビ系)の時だったかな。

余裕が出てきたように見えた20代

 『サムライ・ハイスクール』の共演者にはムードメーカーとしても名高い城田優くんがいて、2人は仲良しで現場でもとっても楽しそうでね。春馬くんが演じたのは冴えない草食系男子高校生だったのが、ある日を境に問題が起きるとサムライに変身し、武士道精神で学園を守っていくヒーローになっちゃうというもので、殺陣もあるし撮影は大変だったのだけど、ロケ先でも春馬くんの屈託ない笑い声が響いていて、ちょっとビックリしちゃったのよね。近くでずっと盛り上げてくれる優くんがいたのも大きかったけど、余裕すら見え隠れしていて。

 それからも何度もインタビューしたけれど、どんどん大人になっていって、一人暮らしを始めた頃は家事炊事がちょっと苦手で「お母さんが来ていろいろやってくれる」なんて言っていたのに、いつの間にか「掃除もするし好きだよ。ご飯も作るようになった。体を作るにはやっぱり食事が大切だから」等としっかり発言を連発するようになって、まぁ美味しそうなお料理を次々と披露するまでに。

 成長著しくて「昔はあんなにとんがっていたのに~」なんて言っちゃっても「うん、何だろね。どうしてあんなに突っかかってたんだろう?  自分でも不思議。でも先輩たちのおかげだと思う。すごい助けられてるから」と苦笑いしながら言っていて。

 ドラマも舞台も、演技もできて、なおかつ歌って踊れて、何もかもが完璧で、性格までこんなに素直で優しくて、「何か弱いとこないの?  欠点がないってのもどうなのよ?  何かつまんな~い」なんて言いがかりをつけちゃっても「あるよ、ダメなとこばっかりだよ」なんて言っていて、大笑いしてたのに。

 春馬くんに影響を与えた偉大なる先輩の岸谷さんや寺脇さんもいつも「春馬の成長が楽しみでしょうがない。アイツは凄いよ!」と手放しで褒めていてね。いつしか友人たちも多くなって、共演した女優さんたちからも可愛がられたり慕われて。去年のドラマ『TWO WEEKS』(フジテレビ系)は主演の他に主題歌も担当してCDデビュー。大活躍をしているそんな中でも「黒木瞳さんが美し過ぎて、最初は目が見られなかった~」なんて言って笑わせてくれてたのに。

 画面を通しては決して分からないけれど、残念ながら芸能人の中には、素顔は「えーっ?」と悲鳴をあげたくなるような人たちもいらっしゃるの。画面ではどっからどう見てもよい人なんだけど実際は……というのは芸能界あるある。でも春馬くんは誰に聞いても、アツが接した十数年の中でも「ストイックでピュアで、真面目で誰よりも努力家で」という印象でね。あるドラマプロデューサーは「もっともっと腹黒くてもよかったんじゃないか?  優しすぎたんじゃないか?  何なんだよ」と泣きながら言っていて、もう胸が締め付けられる思いよ。

 あなたの卓越した演技、人を思いやるその深い人間性、絶対に忘れることはありません。でも最後の最後まで演技を続けていたの?  今はまだうまく処理出来ないんだけど、「何で?  どうして?」なんてことは二度と言わない。聞かない。思わない。金輪際、詮索なんかしません。ねぇ、春馬くん。もう何も考えず、どうぞゆっくり休んでください。こんなにも多くの人に愛された人を私たちは知りません。空の上で笑って過ごせているといいのだけれど……。うん、大丈夫だよね?  どうか笑顔でいてね。とびっきりのあの照れたような無邪気な笑顔、絶対に忘れない。またね! 心よりご冥福をお祈り致します。

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