「アメリカ人と付き合っている」
「はっ……そうねぇ。白人?黒人?」
現在の夫と交際していることを母に打ち明けた時、こんな会話をした。その後数カ月たって「あんた、まだその人と付き合っているの?」と言われ、口論になった。
広大な米軍基地を抱える沖縄。
この地での国際結婚は、対アメリカ人が7割弱を占める。それは軍人との結婚が多数である。75年前の地上戦の記憶をもち米軍基地に抵抗し続ける沖縄社会では、国際結婚・恋愛をする当事者にとって“軍人と関係をもつこと”が一つハードルとなる。それと同時に「白か黒か」、つまり人種でのハードルが一つある。
私の周辺でアメリカ人と結婚をした人の中には「相手が黒人だから」という理由で、家族との縁を切られた人もいる。
アメリカで起きた警察によるジョージ・フロイドさんの殺害に端を発して、世界でうねりのように起こっているBlack Lives Matter の抗議行動。黒人である私の夫も事件後、数日は精神的に打ちのめされたが、今はSNSでの啓発や、ダンサーとして教えている生徒たちに黒人の歴史を教え始めた。
なぜか。「日本にも黒人に対する差別はあるからだ。学ばないといけない」と彼は言う。