人気YouTuberが躁うつ病を告白「逃げることって生きることだったんだな」

文=千葉佳代
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 元UUUM社員で人気YouTuberのえっちゃんが、自身のチャンネル『えっちゃんねる/悦子』で躁うつ病(双極性障害2型)と自律神経失調症を患っていることを告白した。

 えっちゃんは、UUUMに社員として入社したのち、『ボンボンTV』のメンバーとして活動し少中学生に大人気に。2018年にソロチャンネル『えっちゃんねる/悦子』を開設し、現在はUUUMを退所して、動画編集を担当する夫のO-LuHA(オルハ)さんと二人三脚で動画を制作している。

 えっちゃんは27日に投稿した動画で、自身の病気について説明。まず、自律神経失調症(自律神経のバランスが崩れ、全身の機能に支障をきたす)で片頭痛や緊張に伴う胃痛などの症状があるという。「自律神経失調症というのは誰もがなる病気」だ。

 また「躁うつ病」は「うつ病」とは異なり、「躁」の元気でエネルギッシュになる時期がある。「躁」の最中、本人はとても楽しいが、周りから見ていると、何時間もノンストップで話し続けたり、突然怒り出したりと、手の付けられない状況になる。躁の時期に気が大きくなって借金をしたり、浮気をしたりして大切な家族や友人、財産を失う躁うつ病患者もいる。躁のあとの鬱状態になると、躁のときにやらかしたことに思い悩み、「死にたい」と起き上がれなくなることもあるという。えっちゃんは、自分は双極性障害2型なので躁の波はそれほど高くはないが、学生時代は繰り返される躁うつの波に振り回されたと明かした。

 えっちゃんが躁うつ病にかかったのは10年前の15歳のときだった。中学3年生のころに集団リンチやいじめを受けて発症したと説明。ひどいときには、1日の中でも躁うつを繰り返し、天井を見て「死にたい」としか思えなかった時期もあったという。

 だがそれでも生きてこられたのは、周りのサポートがあったからだった。小学校の先生だった母親は、「(もっと)頑張りなよ」と娘を責めるようなことをせず、食べられない・動けない時は「ムリしなくていい」と言い、お絵かきが得意だったえっちゃんに芸術科のある高校を勧めたそうだ。

 彼氏や友達の存在も大きかった。男友達が外に連れて行ってくれて、学校以外のコミュニケーションの場ができた。ボランティア活動など、学校のコミュニティ以外の人の輪の中に入れたことで、人の優しさに触れたという。一方で学校の先生とも良い巡り合わせがあったそうで、美術系の高校を受験するにあたり、先生は美術部の活動が終わった後、個別で指導をしてくれた。優しい人たちのサポートのおかげで少しずつ環境が変化した、とえっちゃんは振り返った。

 しかし自殺願望が昂り、自宅の2階の自室から飛び降りたこともあったという。だが落ちた先に倉庫があり、擦り傷だらけにはなったが大事には至らなかった。今思えば、あそこで死ななくてよかった、という。

「(今まで生きてみて)生きているのって楽しいじゃん、って思えるところまで来たんですよ」

 なぜ今回、このことを動画で語ろうと考えたのか。それは、精神疾患やメンタル面の不調を覚えている視聴者へのメッセージでもあり、健康な状態にある人にも不調を抱えた人と付き合ううえで配慮してほしいという思いからだろう。

 えっちゃんは今も躁うつ病と付き合っている。この病気を抱えながら生きていくには、「逃げることをダメとしない」ことが大切だと話し、母親の「頑張らなくていいよ」という言葉に救われ、逃げることで生き延びられたと語った。「逃げることって生きることだったんだな」と思ったのだと。

 嫌なことを逃げることは甘えのように思えて、自分を責めたくなってしまう人もいるだろう。けれど、どうしようもなく辛いとき、自分を守るためなら逃げてもいいのだ。全部やらなくていい。自分のできることだけをする。病気がひどいときには頑張らなくていい。『病気を認めて付き合っていく』ということが大事になる。

 「泣かないで話すつもりだったのに」とえっちゃんは涙目で微笑んだ。現在は夫をはじめ、理解のある人たちにサポートをしてもらっているという。もし、病気で苦しんでいる人が近くにいたら、母や友人がしてくれたような優しい行動をとってほしい、とえっちゃんは呼びかけた。

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