「ハミングバード」ならインクボトルの底に残ったインクを最後の1滴まで使うことができる

文=出雲義和
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 万年筆にインクを補充する方法には、大きく分けてメーカー純正のカートリッジを使って交換する方法、万年筆インクボトルからコンバーターを使ってインクを吸入する方法、そして吸入式と呼ばれる万年筆の本体に直接吸入する3つタイプがあります。

 ここでは一般的なカートリッジとコンバーター、その両方がつかえる両用式と呼ばれるモデルについてお話しします。

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インク補充の基本はカートリッジとコンバータ

 カートリッジの場合、初心者でも手を汚す心配もなく安心して交換ができるメリットがあります、コンバーターはカートリッジと比べてインクコストが安くすむこと、そして純正のカートリッジにはない、様々なカラーインクを楽しめるメリットがあります。

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ボトルの底に残ったインクは吸い上げる事ができない

 ペン先を直接インクボトルに差してコンバーターで吸い上げる方法は、もっともポピュラーで、万年筆を愛用するユーザーの多くはこの方法を選んでいますが、万年筆の構造上(インクを吸い上げる吸入口の位置)の関係で、インクボトルの底に残ったインクを100%吸い上げる事はできません。

 私自身、まだ不慣れな頃に「同じインクを購入してボトルに注ぎ足せばいいよね」と考えた事がありましたが、メーカーに取材したところ、万年筆インクにも消費期限があることを知らされてから、古いインクに新しいインクをつぎ足すこの方法はおすすめできないと悟りました。

 各メーカーでは万年筆インクの消費期限を概ね約3年と推奨しています、参考までに。

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コスメ用のシリンジを使う方法

 そんな時に、万年筆好きの友人から100円均一ショップで購入できるコスメ用のシリンジ(注射器のようなもの)を使い、空になったカートリッジにインクを移し替える方法を教えてもらいましたが、1本数万円の万年筆を使っているのに、100円均一ショップの道具で補充する行為がいまひとつスマートさに欠ける気がして、他に何かいいツールはないかと探していたところに見つけたのがPentから発売されている「ハミングバード」でした。

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使い方はとても簡単

 Pentのハミングバードは、コンバーター側の吸入口部分に取り付け、長くのびたノズルを万年筆インクボトルに差してインクを吸い上げるためのツールです。

 使い方はいたって簡単、コンバーターにハミングバードを繋げて、インクを吸い上げるだけです。特にマニュアルがなくても、直感的につかえるシンプルさは優れたプロダクトの証です。

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オプションのゴムで安定性をアップ

 付属のゴムは本体にはめることで、滑り止めの機能を果たしてくれます、コンバーターで吸入する際に添えた指がハミングバードにフィットするので、安心してインクを吸い上げることができます。

 ポイントは、インクボトルにノズルが入っている状態で、先にハミングバードからコンバーターを外すと、周囲にインクが飛び散らずにスムーズに作業がおこなえます。

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深いインクボトルにも対応

 国内で販売されている万年筆インクボトルには様々な形状があり、中でも最も深いといわれているのがパイロットコーポレーションの万年筆インク「色彩雫-iroshizuku-」のシリーズです。

 このボトルはよくできていて、底面中央部分にへこみがあり、ペン先を固定してインクを吸い上げやすくする工夫がされていますが、残念ながら残り少なくなるとボトルを傾けてもペン先がインクに沈まず、インクをすべて吸い出すことはできません。

 Pentハミングバードはこの色彩雫のインクボトルにも対応できるように設計されているので、「深いかな?」と思えるインクボトルの隅っこにもノズルが届き最後の1滴まで吸い上げる事ができる仕様になっています。

Pentハミングバードのラインナップ

 万年筆同様に、コンバーターにもそれぞれ種類がありメーカー毎に形状も異なります。

 ハミングバードは各メーカーのコンバーターに対応できる様に3種類のモデルが用意されていて、お手元にある万年筆に対応したタイプを購入すれば、より楽しい万年筆ライフを満喫できます。

◎Pnetハミングバード対応表(代表的なもの)
TypeA
・アウロラno.158-C
・ウォーターマン
・オマス
・シュミット
・ステッドラープレミアム
・パーカーDタイプ、回転式ゴールドタイプ、シルバータイプ、Sタイプ、スライド式
・ペリカン
・モンテグラッパねじ込み(スクリュー式)、差し込み式
・ロットリング
TypeB
・PILOT CON-70N、CON-70
・LAMYLZ24、LZ26、LZ27、LZ28
・モンテベルデ1919198リモナーダ専用
TypeC
・プラチナ万年筆500、700
・シェーファー

対応コンバーター詳細
https://www.pen-house.net/category/PENT_6/34949.html

ハミングバードの想い

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 「ハチドリのひとしずく」という寓話は、山火事となった森の火を消すために、ハチドリ(ハミングバード)が小さなクチバシに水をくみ、運んだことに由来します。

 Pentのハミングバードも小さな嘴に溜められた水と同様に、インクボトルの底に残った最後の1滴までも大切に使いたい、そんなユーザー気持ちに応えるくれる万年筆好きの人のためのツールです。

(出雲義和)

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