宝塚歌劇のライブ配信でファンが感じたお得感「ジェンヌさんの表情がよく見える」「ストーリーに集中できる」

文=雪代すみれ
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「Getty Images」より

 7月17日、宝塚歌劇が約4カ月ぶりに公演を再開した。再開のスタートを切ったのは兵庫県にある本拠地、宝塚大劇場での花組公演『はいからさんが通る』だ。新トップコンビ柚香光・華優希の大劇場お披露目公演でもあり、ファンからは「”お披露目公演おめでとう”ってやっと言えた」など喜びの声が上がった。

 『はいからさんが通る』は1975年~1977年に『週刊少女フレンド』(講談社)で連載された、大和和紀氏原作の少女漫画。舞台は大正時代。陸軍少尉である伊集院忍と女学生の花村紅緒の恋愛が描かれる。テレビアニメ化やドラマ化、実写映画化、2017年にはアニメ映画化もされ、宝塚歌劇でも2017年に梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ及び日本青年館にて上演されている。

 当日観劇した人からは「お客さんはいつもの半分しか入れていないのに、拍手や手拍子が大きくて感動した」「久しぶりに宝塚の街に来られて嬉しい」などの感想も。初日は宝塚歌劇の専門チャンネルである「TAKARAZUKA SKY STAGE」にてフィナーレ及び舞台挨拶の生中継も行われた。

 劇場ではさまざまな新型コロナ感染防止対策も施されており、入口での検温・消毒のほか、公式ショップ「キャトルレーヴ」では整理券方式での入場制限があったようだ。「公演記念スタンプは足踏み式となっていた」との報告もネットには上がっている。

ライブ配信のメリット・デメリットとは

 翌7月18日にはRakuten TVにて『はいからさんが通る』の生配信があった。

 今までも千秋楽公演を中心に映画館でのライブビューイングは行われてきたが、ライブ配信は宝塚初。筆者も自宅でパソコンとテレビをHDMIケーブルで繋ぎ視聴した。

 筆者が感じたネットでのライブ配信のメリットは以下の6つ。

 ・価格の安さ
 ・表情がよく見える
 ・ストーリーに集中できる
 ・移動時間の短縮
 ・幕間休憩の時間の余裕
 ・遠方の人でも観やすい
 ・新型コロナの感染リスクがない

 今回のライブ配信は3,500円。劇場で考えると、B席と同じ値段である。B席での観劇ではオペラグラスを用いることが多いが、それと比べてもジェンヌさんの表情がはっきりと見られ、お得感があった。

 またストーリーにも集中できた。「生の観劇は集中できないのか」と疑問に感じられるかもしれないが、生の観劇ではご贔屓をオペラグラスで追うのに必死で、1回目は部分的にストーリーの記憶がないことがある。いや、1回どころか10回見てもご贔屓に集中しすぎて記憶がないこともあり、Blu-rayを購入し確認したこともある。好きな見方をするのが観劇の楽しみではあるが、1回目からストーリーに入り込んで観るのも良いだろう。

 移動時間がかからないことや、幕間休憩にゆっくりとお手洗いを済ませ、ご飯を食べられたのもネット配信ならではだと感じた。筆者は首都圏に住んでいるが、劇場を訪れるために今まで費やした交通費の合計はあまり数えたくないもの……。交通費がかからないのはありがたい。ライブ配信であれば、兵庫も日比谷も遠い人でも、色々な公演が観やすくなるかもしれない。

 一方、デメリットだと感じた部分もある。今回は見逃し配信がなかったため、回線の調子が悪くならないか心配だった(無事、問題なく見られた)。そして、配信ではあまりアップで映らない方や、小道具やお衣装をオペラグラスで追えないのは残念であった。当然、劇場に足を踏み入れた瞬間の高まる気持ちや、会場の盛り上がる空気も感じられないため、生の観劇でしか味わえない良さも改めて実感させられた。

直接観に行けなくても応援したい

 それでも、ネット配信が行われるメリットはやはり大きい。ここ数年かつ筆者の体感での話になるが、宝塚は100周年以降からどんどんとチケットが入手困難になっている。コロナ前では観劇を諦めていた公演でも、ネット配信でなら観られそうだ。

 宝塚ファンの中には、直接観劇に行きたくても、自分や家族に基礎疾患があるため外出を控えている人や、仕事柄リモートワークが不可能なため「無症状でウイルスを運んでしまうのが怖いので劇場などへの出入りを控えている」という声もある。筆者も事情があり、しばらく直接の観劇は難しいが、宝塚を応援したい気持ちはあるため、その気持ちをライブ配信への課金という形で届けられるのは嬉しい。

 9月5日の『はいからさんが通る』千秋楽も、Rakuten TV及びU-NEXTにてライブ配信、映画館でのライブビューイングも行われる予定だ。他、星組公演『眩耀(げんよう)の谷 ~舞い降りた新星~』『Ray -星の光線-』、宙組公演『FLYING SAPA -フライング サパ-』『壮麗帝』、雪組公演『炎のボレロ』『Music Revolution! -New Spirit-』もライブ配信が決定している。

※日程等、詳細は宝塚歌劇公式HPをご確認ください。

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宝塚歌劇のライブ配信でファンが感じたお得感「ジェンヌさんの表情がよく見える」「ストーリーに集中できる」の画像2 ウェジー 2020.07.16

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