三浦春馬さんの死をどう伝えるべきか「自死の理由より、生きた証にスポットを」

文=wezzy編集部
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三浦春馬Instagramより

 三浦春馬さんの訃報から半月近くが経ったいまも、まだ現実味を感じられず戸惑う人は多いように見受けられる。しかし、週刊誌による親族取材および、死の理由を詮索する記事は過熱する一方だ。

 7月30日発売の「週刊文春」(文藝春秋)や「女性セブン」(小学館)は、三浦春馬さんの自室に残されていた日記を一部公開。そこから彼の悩みや死生観を勝手に読み解いた。

 その他にも、親族への取材によって三浦さんの複雑な生い立ち、母親や継父との関係悪化などが自死の遠因であるかのように示唆する内容の記事がとても多く出ている。

 しかしこうした報道は著名人の自死を伝える上で適切とは言えない。メディアによる自殺報道が模倣自殺を誘発する「ウェルテル効果」(ゲーテの小説『若きウェルテルの悩み』に由来する)という現象があるため、取り上げ方には慎重を期す必要があるのだ。

 WHO(世界保険機関)は「自殺報道ガイドライン」を定めており、自殺報道に関してメディア関係者が考慮すべき指標を示している。ガイドラインでは、「自殺をセンセーショナルに表現する言葉、よくある普通のこととみなす言葉を使わないこと、自殺を前向きな問題解決策の一つであるかのように紹介しないこと」「自殺に用いた手段について明確に表現しないこと」「自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えないこと」「センセーショナルな見出しを使わないこと」などを求めている。

 有名人の自殺報道に関してはより注意が必要である。読者や視聴者は死の理由・死にいたった過程などを知りたがるが、ニーズがあるからといってそれらを根掘り葉掘り取材し、情報を提供することは故人の名誉を傷つけることにもなりかねない。

 厚生労働省ホームページ内に日本語訳も掲載されている「自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識(2017年版)」では、<有名人の死を報道する上で自殺の原因がすぐにはわからない場合は注意が必要である>として、明らかになっていない死の理由を詮索するような報道を諌めている。

<有名人の死として考えられる原因を、メディアが不確かな情報に基づいて推測することで悪影響を及ぼす可能性がある。死の原因が知られるようになるまで待つこと、また具体的な状況を慎重に調査することがより適切である>

 ただ、WHOの提示しているガイドラインはあくまで行動規範であり、守らなくても罰則があるわけではない。「報道の自由」の観点とも照らし合わせ、報道することに社会的な意義があるのであれば、遺書に書かれてある言葉を伝えるべき時もあるだろう。

 では、どのような伝え方がより良いと言えるのか。

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