三浦春馬さんの死をメディアはどう伝えるべきか
2020年5月26日放送『荻上チキ・Session-22』(TBSラジオ)でNPO法人自殺対策支援センター・ライフリンク代表の清水康之氏は、一例として「子どもがいじめで亡くなったのかどうかが論争になっているときに、遺書にいじめが原因だということを示す明らかな記述があることが分かった」という場合などは、報道する意義があるのではないかと説明している。
得た情報が報道すべきものなのか否か、メディアに関わる人ひとりひとりが事例に合わせて判断していかなくてはならない。
ちなみに「自殺報道ガイドライン」では、有名人の自殺報道に関して、<その有名人の人生や、その人が社会にどの程度貢献したか、その死が人にどの程度影響を及ぼすかに着目する方が、自殺関連行動を詳細に報道することや、極端に単純化した自殺の理由を伝えるよりも望ましい>としている。
三浦春馬さんについての情報を扱う場合、自殺の真相を詮索するような記事よりも、『14才の母』(日本テレビ系)、『僕のいた時間』(フジテレビ系)など数多くある出演ドラマでの名演技や、『キンキーブーツ』などの舞台における近年の活躍にスポットを当てる企画の方が推奨されるということだろう。
それに加え、ストレスや自殺念慮に対処する方法や、支援を求める連絡先なども添えた報道であれば、なお望ましい報道になる。
自殺報道に関する問題は、5月に『テラスハウスTOKYO2019-2020』(Netflix、フジテレビ系)に出演していた木村花さんの時にも取り沙汰されたばかり。
新型コロナ感染症の影響によって経済が落ち込み、失職のリスクなども含め社会不安は日増しに高まっている。メディアのあり方がいっそう問われるときであることは間違いない。
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