「LGBT批判」「高校球児が嫌い」の記事依頼も
“「フェミニストが嫌い」「男女平等の主張が苦手」な人”というのは確かにおり、なんらかの需要が発生してこうした依頼も動くのだろう。「MeToo」や「KuToo」などの運動に否定的な姿勢を示す人はネット上では少なくない……ように見える。
だが実際には、こうした依頼を受けてSNSなどで「フェミ叩き」しているアカウントもあるのかもしれず、全体像を把握することはまったくもって困難だ。
ちなみに博報堂生活総合研究所による定点調査「生活定点」(2018年実施)では、「社会全体では、男女は平等になっていると思いますか?」という質問に「どちらかといえ女性が優遇されている」と回答したのは10.2%だったという。
ランサーズの「本サイトの取引に関する禁止事項」には、「人種差別、部落差別その他の差別を意識させる行為」と記されている。この依頼は「利用規約・仕事依頼ガイドライン細則違反のため」として削除されたが、ランサーズでは過去にもガイドラインに反する依頼が掲載されていた。
その一つは、2017年10月の「『LGBTが嫌い』『LGBT擁護が苦手』な人向けの共感してもらえる記事の執筆依頼」だ。
「いま流行りのLGBTが苦手」「彼ら・彼女らの人権はもちろん尊重されるべきだが、LGBTが嫌いなひとの意見も同等に尊重されるべき」 といった“悩み”を持つ人たちの共感を得られるような記事執筆の依頼が寄せられた。端的に言って、その依頼自体、常軌を逸したものの見方である。なお、その依頼も1本648円(税込)だった。依頼文の構成も今回の「フェミ叩き記事」とそっくりで、同じ発注者の可能性は高いだろう。
LGBT差別記事1本につき648円。「みんなの意見」の形成を狙ったクラウドソーシングでの執筆求人
「『LGBTが嫌い』『LGBT擁護が苦手』な人向けの共感してもらえる記事の執筆依頼」 これはクラウドソーシングのプラットフォーム「ランサーズ…
そっくりな依頼といえば、「フェミ叩き記事」と同時に、「『高校球児が嫌い』『甲子園が苦手』な人向けの共感してもらえる記事の執筆依頼」もあった。やはり1本648円(税込)、依頼文の構成もほぼ同じだ。これもすでにランサーズから削除されている。