子供向けYouTubeチャンネルに何が? キッズラインの登録者数日本一達成に誹謗中傷

文=千葉佳代
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 人気YouTubeチャンネル『キッズライン』が、チャンネル登録者数1000万人を達成し、ダイヤモンドの盾をYouTubeから贈呈されたという。だが、このことが「登録者数水増し疑惑」に発展し、炎上。キッズライン側は、誹謗中傷、名誉棄損、侮辱罪、著作権侵害、全て提訴していく構えを見せている。

 キッズラインは、小学生の児童「ねみちゃん・こうくん」が出演し、オモチャの紹介や家族のお出かけ動画などを配信している子供向けチャンネル。炎上とはほど遠い平和な動画を配信してきたが、キッズラインの視聴者数が「伸びすぎている」ことにユーザーが「チャンネル登録者数を水増ししているのではないか」と疑いの目をむけ、炎上した。1000万人超えはHIKAKINを抜く日本一の数字だが、これを報告した動画の低評価率は90%以上になっている。

 8月8日に投稿した動画で、「実は昨年8月にチャンネル登録者数1000万人を達成していた」と明かしたキッズライン。記念のダイヤモンドの盾も公開した。だが2018年頃からキッズラインの登録者数水増しを疑うユーザーは一定数いた。ちょうど、動画関連事業を手がけるエビリー(東京都港区)が「YouTube2018年上半期ランキング」で、同期間に最も登録者数を獲得したのが「キッズライン」(約280万人)と発表したころからだ。登録者数はその後も破竹の勢いで伸び続け、同年9月中旬にはHIKAKINの登録者数を超えていたそうである。

 しかしキッズラインの動画1本あたりの再生数・評価数は2~5万ほどと少なく、低評価率も高い。トップYouTuberは安定して100万再生を超えることが多いため、「なぜキッズラインはHIKAKINやはじめしゃちょーよりも登録者数が多いの?」との疑問を誘発した。この頃から「キッズライン youtube」でGoogle検索をかけると、「なぜ人気」「おかしい」といったサジェストキーワードが表示されるようになり、キッズラインは登録者数と評価数を非公開にした。

 キッズラインは今回、この“疑惑”に正面から立ち向かおうとしている。2019年8月16日頃に登録者数は1000万人を超えたが、炎上を懸念し公表するかとても悩んでいたという。だが、子供の参観会で、廊下に掲示されていた「将来なりたいもの」の絵を見て、心が動かされたそうだ。YouTuberの絵を描いている子がとても多い中、こうくんの絵もやはりYouTuberだった。そこで母親は、「本当にYouTube撮影をやりたいのか、確信が持てずにいた私の背中を強く押された」のだそうだ。

 登録者数の不正水増しについては、シバターら人気YouTuberもキッズラインを擁護。曰く、HIKAKINの総再生回数は約74億再生だが、キッズラインは約95億再生を記録しており、登録者数1000万人に違和感はないという。ちなみにシバターの子もキッズラインを頻繁に見ているそうだ。

 YouTubeでは一気に登録者数が減ることがあるが、それはGoogleが休眠アカウントを処理しているためだ。YouTube側も不正行為に加担したチャンネルには厳しいペナルティを課す。不正がバレればチャンネルを消されるかもしれないのに、1000万人を超える登録者数の水増しをして目立つことはリスクでしかない。せっかくここまで成長したチャンネル、しかも子供が関わっているというのに、わざわざそんなリスクを犯すだろうか。

 また、キッズチャンネルのメイン視聴者が子供たちであることを考えれば、高評価の少なさも納得がいく。再生回数についても、一つの動画を繰り返し再生するより、次から次へと延々動画を垂れ流す見方になることが多いだろう。日本語が分からなくても子供がおもちゃで遊ぶ楽しい雰囲気は伝わるので、たとえば大食い系動画のように、言語の壁を超えて海外のユーザーにも届く内容でもある。

 8月12日現在、キッズラインの登録者数は1190万人。これまでの投稿動画本数は4678本だ。ちなみにHIKAKIN TVは862万人(投稿動画本数は2759本)、はじめしゃちょーは878万人(投稿動画本数は2187本)となっている。

 キッズラインは、「子育てに奮闘するご家族に寄り添うチャンネル運営を目指していきます」という。幼い我が子にちょっとだけ静かにしていて欲しい時、YouTubeのおもちゃ動画に助けられた経験を持つ保護者は多いだろう。なくてはならない必需チャンネル、という家庭もあるかもしれない。

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