中学校へのスマホの持ち込みは危険? 議論されるメリット・デメリット

文=雪代すみれ
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Getty Imagesより

 文部科学省は7月13日に行われた「学校における携帯電話の取扱い等に関する有識者会議」にて、「学校における携帯電話の取扱い等に関する有識者会議」審議のまとめ(案)を提示した。

 これまで携帯電話について小中学校では原則持ち込み自体が禁止、高校では校内での使用制限があったところ、中学校における持ち込みを一定の条件をもとに認めるというもの。前提として<生徒が自らを律することができるようなルールを学校や保護者が協力して作ることについて検討する必要がある>と言及されており、以下の3つが条件として掲げられている。

・学校における管理方法や、紛失等のトラブルが発生した場合の責任の所在を明確にすること
・フィルタリングが保護者の責任のもとで適切に設定されていること
・携帯電話の危険性や正しい使い方に関する学校及び家庭における指導が適切に行われていること

『ノンストップ』で子どものスマホのメリット・デメリットを議論

 8月7日の『ノンストップ!』(フジテレビ系)では、「SNSに潜む危険性」という特集が組まれ、子どもにスマホを持たせることや、子どものネット・SNS利用等について議論が交わされた。

 番組では<通学途中や帰宅途中に危険なことがあったときに、連絡を取れたり助けを求めたりできるのでいいと思う><スマホがあると子供は無意識に家や外で使っているので学校でも絶対使いたくなると思う 隠れてやったりするんじゃないかと思う>といった街頭の意見を紹介。

 スタジオでは、リモート出演の品川庄司の庄司智春が<(子どもがネットやSNSを利用することについて不安は)もちろんありますね。長男が小学3年生で、今は「見守る携帯」みたいなものは持たせているんです。でもスマホとなると、色々な可能性が広がってくるので。今までは全面的に反対だったんですけれど、徐々に教えていって、親の基準が達成できたら渡そうかなと思っています>と保護者の立場から意見を示した。

 大人でもネットを使っている中でドキッとすることがある。庄司とタレントの千秋は、自身も怪しいサイトにアクセスしてしまった経験があるようで、庄司は<大人の僕でも焦ったので、子どもたちが興味本位でクリックして(怪しいサイトに)入ってしまう危険性はあるからちょっと怖いですね>と話していた。

 また、そうしたことを防止するためにフィルタリングを設定しても、ネットに詳しい子どもが親にバレないように解除してしまうケースもある。

 バナナマン設楽統は<どういうことが起こるかがわかっている状態じゃないと。フィルターかけて「こうしちゃだめ」って言っているだけだと、子どもはどんどんクリアしていっちゃうから、なんでだめなのか理解して話し合わないと>と指摘した。

 一方で、中央公論新社の取締役書籍編集局長の三木哲男氏は<危険性もあるんですけれど、一方でスマホに救われている子どももいることは事実なんですよね。なかなか大人に相談できない、友達に相談できないけれども、スマホで相談して、そこで毎日が過ごせている子も実はいて、スマホの良い機能の面もあるんですよね>とスマホのメリットについて言及。

 ツイッター上でも、いじめや紛失、盗難などのトラブルに巻き込まれることを心配する声や、「冬場は帰り道が心配なので持たせたい」「親も学ばないといけない」とさまざまな意見が見られた。

 また番組では、3年前から携帯電話の持ち込みが許可されている私立順天中学校高等学校の様子を紹介。中学生は朝礼にて、番号が書かれたポケットのついているケースにスマホを入れ回収し、日中は職員室で保管され、下校時に返却とのこと。また定期的にネットリテラシー講座を実施している様子が伝えられた。

 これについて庄司は<(SNSに投稿する前に)一度立ち止まって考えるっていうのもすごい重要だなと思いましたが、なかなか中学生でスマホを持っていたら無敵な感じがしてしまって、立ち止まるのは中学生は難しいのかなと思うんですけれど、失敗したときに親にすぐに相談できる関係性を築く方を重要視した方がいいんじゃないかな。親にばれたくないってなっちゃうと、どんどん悪い方向にいってしまうかなと思うんですよね>と意見を述べた。

 親が一方的に押し付けるのではなく、庄司が指摘するとおり、子どもがいつでも親(もしくは周りの大人)に相談できる関係を構築することが必要なのかもしれない。

 ただ、大人だからと言ってネットリテラシーが身についているわけでもない。筆者も毎日ネットに触れて仕事をしているものの、流行りのアプリ等に特有のトラブル事例までは把握していない。もし子どもがいても、適切に教えられるかは不安がある。今の時代、スマホやインターネットは生活必需品であるため、教育の一環として大人も子どもも一緒に学ぶ必要があるのかもしれない。

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