モンブラン「マイスターシュテック149」一生に一度は手に取ってみたい、輝かしい伝統を誇る万年筆

文=出雲義和
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 万年筆に興味や関心がないひとでも耳にしたことがあるであろうブランド「モンブラン」、その中でも万年筆オブ万年筆の存在感を放つモデルがマイスターシュテック149です。

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高い万年筆はいくら?

 万年筆は高価なイメージがあります。私自身これまでに見た中で最も高額な万年筆は、2013年にパーカーが創業125周年を記念した限定モデル「デュオファールドジャイアント」で、ペン軸に14個ものダイヤモンドが散りばめられ当時4,000,00円(税別)で販売されていました。

 国内では、2019年にプラチナ万年筆が発売したセンチュリー「ザ・プライム」(写真)という全身プラチナ製のモデルが1000,000円と、筆記具というよりも貴金属品か芸術品の域で、おいそれと手にできるものではありませんし、もし購入出来たとしてもキャップを外しただけで手が震えて、とても文字を書けそうにもありません。

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10万円で手に入れる最高の1本

 しかし、各メーカーから発売されている定番ラインナップの最高モデルなら、(決して安いとはいいませんが)ちょっと頑張れば手が届くぐらいの価格で購入することができます。

 世界を代表する筆記具ブランドのモンブランが誇る最高峰のマイスターシュテュック149は10万円で購入が可能な「最高の万年筆」の1本です。

モンブランの万年筆とは?

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149の存在感Meisterstuckの意味

 1924年から続くこのシリーズは、かつてマスターピースと称して、現在はマイスターシュテュックと呼ばれています。マスターピースは英語、マイスターシュテュック(Meisterstuck)はドイツ語での呼び方で、どちらも日本語に訳すと「傑作」を意味しています。

 現在マイスターシュテックシリーズには、「ルグラン146」「ルグラン147」「クラシック145」「モーツァルト114」のラインナップがあり「149」はその頂点に君臨するマイスターシュテックです。

モンブランマイスターシュテック149の魅力

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世界の文豪に愛されたマイスターシュテュック149

 モンブランマイスターシュテック149が、世界でもっとも有名な万年筆と呼ばれる理由のひとつに、王族や政治家、文化人らがこよなく愛した万年筆として伝えられています。

 米国のジョン・F・ケネディ大統領が愛用していたのは有名で、日本人では三島由紀夫や開高健らの小説家が知られています、また条約の調印など署名の場でも活躍したことから「調印モデル」の異名もあり、政治の舞台では歴史の証人的な役割も果たしました。

モンブランマイスターシュテュック149のスペック

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4810はヨーロッパ最高を表すシンボル

 ペン先に刻まれた数字4810はフランスとイタリアの国境に位置するヨーロッパアルプスの最高峰モンブラン山の頂である標高4810mを表し、文字通りヨーロッパ最高の万年筆を表しています。また天冠を飾るホワイトスターはモンブラン山の冠雪を表現していて、隙のないデザインもブランドのシンボルになっています。

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小さなカートリッジは似合わない風格の万年筆

 万年筆のインク吸入方式にはいくつかあるなかで、マイスターシュテュック149は吸入式を採用しています。この太い軸にはカートリッジやコンバーターはあまり似合うとは思えません。

 その貫禄に相応しく、インクボトルから直接吸い上げる姿は万年筆の王者としての風格が感じられます。

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垣根を感じさせない筆記感

 マイスターシュテュック149を手にしてみるまでは、高額な万年筆という先入観がついて回り勝手に自分の中で敷居を高く積み上げていましたが、実際に付き合ってみると意外なほど取り扱いがしやすく、18金ロジウム仕上げのペン先から伝わる筆感は、外観から感じられるイメージとは異なり、とてもフレンドリーな万年筆だと気付かされます。

 もちろん、重厚感もマイスターシュテュック149の魅力のひとつで、この万年筆のために作られたプレシャスレジン(樹脂)が、他の万年筆を寄せ付けない貫禄と気品を纏います。

 日常の傍らにこの万年筆があるだけで、万年筆ライフがとても潤いをもたらせてくれます。

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感謝を届ける万年筆

 長く愛用しているとこの万年筆によく似合うシーンと出会います、そのひとつが手紙です。パソコンや携帯電話なら簡単にメールやメッセージを送ることができる時代だからこそ、手書きの手紙には気持ちや感情といったデジタルのテキスト文字には込めることができないアナラグならでは良さがあります、そんなときの道具としてマイスターシュテック149はもっとも相応しい筆記具と呼べるでしょう。

まとめ

 1924年の登場以来、常にモンブランのフラッグシップとして存在を維持してきたマイスターシュテュック149は、「最高」「傑作」といった賞賛の栄誉を受けてきました。

 そんな万年筆を、ちょっと散歩に連れて行くには抵抗を感じるかもしれませんが、ぜひいっしょに出かけてあげて欲しい。

 マイスターシュテュック149のキャップを外した瞬間、カフェなどサードプレイスの空間をあなただけの書斎に変えてしまう、そんな気分にしてくれる筆記具です。

 数ある万年筆の中で、そんな気持ちにさせてくれるのはモンブランマイスターシュテック149だからこその魅力だと感じます。

データ
モンブランマイスターシュテュック149シリーズ
価格 95,000円(税別)
ペン先 18金 ロジウム仕上げ
インク 吸入式
太さ F(細字)M(中字)B(太字)
重さ 32g
大きさ 149mm
価格は仕様で異なります。

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