preppy(プレピー) (プラチナ万年筆)
価格:細字・中字:300円(税抜)極細:400円(税抜)
高級な筆記具のイメージが強い万年筆ですが、近年は低価格のものがいろいろ登場してきました。お値段はリーズナブルだけれど、機能は非常に優秀…というものも少なくありません。
今回紹介するのは、そんな低価格万年筆の先駆け的な一本。2007年に発売され、既に累計販売1000万本を達成しているという「preppy(プレピー)」(以下プレピー)です。
プレピーといえば、まずその価格について触れないわけにはいきません。万年筆は通常安いものでも5000円~10000円前後はするものですが、プレピーは万年筆であるにもかかわらず300~400円台。これはまさに衝撃の安さです。
お値段がお値段だけに、プレピーの見た目、ボディは、高い万年筆のようなゴージャス感はないといえます。しかし、高級でないからこそ、手に取りやすいし、買いやすいというよさがあり、いうなれば、100円台のボールペンよりももう少し高い1ランク上のペンを買うような感覚で買える万年筆。実際、文具店などでも、高価な万年筆がガラスケースにしまわれているのに対して、プレピーは安価なボールペンと一緒に並べられていることが多いです。
値段があまりに安いので書き心地はどうなのだろう?と気になる方もおそらくいるでしょう。しかし、プレピーは、その点でも非常に優秀です。
買ったときに付属でついているカートリッジインクを入れて書いてみると、ペン先がサクサク、シャリシャリするあの万年筆独特の書き心地をしっかり感じることができました。また、これは筆者の個人的な印象ですが、プレピーは安価にもかかわらず、ペン先のしなりが非常によい。カリカリしすぎず、どこかやわらかい書き味を感じながら書いていくことができます。
何万円もする金のペン先の書きやすさにはさすがに及ばないかもしれませんが、それでも間違いなく万年筆らしい書き心地を楽しめるプレピー。使ってみたときに、300円台でこの書き味なら、ボールペンよりもこれを使いたい…と思う人もきっといると思います。安価なだけに、なくしたり壊したりしてしまうこと気にせず使えるのもうれしいですね。
プレピーを語るうえでもう一つ欠かせないのが、インクの鮮度を長く保つ「スリップシール機構」が搭載されていることです。
万年筆には、長い間使わないでいるとインクが乾いてしまうという弱点があります。これを克服すべく、プラチナ万年筆が開発したのが、気密性の高いキャップ「スリップシール機構」。プレピーのキャップもスリップシール機構が組み込まれたもので、こちらのおかげで、キャップをしめたままなら長い間放置してもインクが乾いてしまうことなく、再び使いたいと思ったときに、すぐに筆記を始めることができます。300円台なのにこうした機能まで兼ね備えているのは、すごいと唸るしかありません。
万年筆は、使ったことのない人にとっては未知の領域の筆記具。使ってみたいと思いつつ、書き心地が自分に向いているかわからない、値段が高い、などの理由でためらってしまう場合もあるでしょう。そんな人はまずプレピーから始めてみてはどうでしょうか。値段が極めて安く、一番気軽に試せる万年筆といっても過言はないので、書き心地をまずはこちらで味わってみてほしいと思います。