HSCは5人に1人。コロナ禍でひっそり苦しむ、生まれつき繊細な子どもたち

文=玉居子泰子
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HSCにとって学校は人生最大の試練

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明橋大二先生

 親としては学校への行きしぶりや不登校が続くと、将来どうなってしまうのだろうと不安を抱いてしまうものだ。だが、長年HSCの子達を見てきた明橋先生は、「将来の不安に負けて、今、無理をさせる方が危険」だという。

「私は、長期間引きこもっていた子をたくさん見てきました。親御さんが心配するのはわかりますが、十分な安心感を得るまで自分を守ることが必要な子は、確かにいるんです。無理をさせては悪化するだけ。

 それに、学校へ行けないと社会でやっていけないという人がいるけれど、そんなことはありません。常に集団生活を強いられ、自分とは異なるタイプの子たちと同じペースで同じことをしなくてはいけない場所って、学校くらいじゃないですか。

 HSCにとって学校ほど過酷な場所はありません。乱暴な子もいれば、大声で騒ぐ子もいる。先生が誰かを叱っていたら、自分が怒られていなくてもHSCの子は傷つきます。

 でも大人になれば、興味関心が似た人で仲良くなれるし、感受性の豊かさという特性を生かして、自分にあった仕事をすることができる。居心地のいい場所はできるものなんです」

 確かに、コロナ対策の休校中には、HSCのわが娘ものびのびと自学自習に励み、趣味の絵画や写真、植物の観察に精を出していた。安心できる自宅でオンラインで授業を受ければ、周りを過剰に気にすることもなく力を発揮していた。

「そうでしょう。学校が世界の全部、と思っているから辛い。学校に行けないと人生が終わると思っている人が多すぎるんです。でも全然そうじゃないんだよということは、大人がちゃんと伝えていかなくちゃいけない。

 コロナ時代と言われる中、多様な学びのあり方につなげていきたいと考えている支援者や教育者はたくさんいます。この苦境が逆にチャンスになって、HSCのような子が理解される機会になることを願っています」

 敏感さがあっても、マイペースでやっていけばいい。そんな自信を持たせることがHSCの子育てにおいてはもっとも大切だという明橋先生。後半では、日常生活で親ができる声かけや接し方、学校への対応について聞いていきたい。

(後編は9月20日に公開予定です)

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