「女性が輝く社会づくり」の安倍政権は7年8カ月かけて女子教育問題を解決できたのか

文=畠山勝太
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まとめ

 もう少し長いスパンで女子教育の課題を見つめると、1980年の時点で女子学生比率が50%を超えていたOECD諸国は僅かに数カ国しかなく、当時、女子教育の拡充はほぼ全ての先進国で課題となっていました。

 しかし、2020年の段階でこれが50%を超えていないのは、日本を筆頭に僅か数カ国となっています。つまり、他国が物凄い勢いで女子教育の課題を解決した中、日本はゆっくりゆっくりと改善しているところというわけです。

 安倍政権はこの歴史の延長線上にあります。7年8カ月という長期政権でありながら、大学/大学院・理系・トップスクール、全ての女子教育の課題で、問題が悪化はしていないものの、他の先進諸国にキャッチアップするためには30年ぐらいはかかるという、極めて低調な改善のペースだったのです。

 同様のことは他の教育課題についても当てはまります。現在の日本の教育の最大の課題は、ICT化の大幅な遅れですが、これについても1980年頃には地球上に存在していなかった課題です。他の先進諸国が教育のICT化物凄い勢いで進めていく中、日本はのんびりのんびりと教育のICT化を進めていき、安倍政権下でもこの流れは続き、新型コロナが来てこの歩みの遅さに国民の皆が気付く事態となりました。

 21世紀に入ってからの日本の経済と、東アジアや東南アジアの経済を見比べると、大胆に言ってしまえば、失われた20年が30年に伸びたことについても、他国が猛ダッシュをしている中で、日本は後退や停止はせずとも、ちんたらちんたらと歩いていた、という教育と同様のことが当てはまっているのでしょう。

 個人的には、次の政権にはジェンダー問題に対して施策を打ち出して何かした気になるのではなく、女子教育の課題に真摯に取り組みジェンダーの問題を解決して欲しいと思います。しかし、数々の面で過去20年のトレンドに乗っかっただけの安倍政権が高支持率を維持したまま退陣するのを見ると、女性管理職の3割目標の実現を2020年から30年代に先送りしたように、女子教育とジェンダーの課題解決は先延ばしを繰り返しながらのんびりと解決していくのが多数派の総意のように見受けられます。

 日本は激動の昭和を生き抜きある程度の豊かさは既に実現しました。国際社会の中で衰退・転落していきながらも、引き籠ってのんびりと進んでいく。これが日本社会にとっての幸せなのかもしれませんね。

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