「JRだけ終電30分繰り上げ」は意味ない? 社畜化加速の懸念も

文=柴田さとみ
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『とくダネ!』公式サイトより

 JR東日本は9月3日、2021年春に首都圏を走る各路線の終電時刻を30分繰り上げることを発表した。4日放送の『とくダネ!』(フジテレビ系)ではこのニュースを取り上げ、終電が30分繰り上がることで社会にはどのような影響が出てくるかなどを解説。ネット上でも賛否の声が上がっている。

 JR東日本が発表したところによると、東京を中心に半径100㎞が対象とのことだ。北は茨城県水戸駅や群馬県高崎駅、南は神奈川県小田原駅の先まで含まれており、かなりの広範囲。これにより、例えば現在の上野駅から高崎駅の平日終電は23時46分発だが、23時16分発に変わる。上野駅から水戸駅23時12分発は22時42分発に、東京駅23時54分発は23時24分発へと変わることになる。

 JR東日本は終電後から始発までの間に行う保守・点検作業時間を多く確保することで、作業員の負担軽減につなげる狙いがあるようで、コロナ禍により利用客が減少していることが今回の変更に踏み切った理由だとしている。

 『とくダネ!』が実施した街頭インタビューでは、「帰る口実ができて早く帰ることができるのはいい」と賛成の声もあれば、「タクシーで帰らなくてはいけなくなって困る」と反対も。また、飲食業界からは売り上げ減につながるという戸惑いの声も上がっていた。

 スタジオでも賛否双方の立場から、議論が繰り広げられた。

 番組MCを務める小倉智昭が<春になってコロナが収まっていたらどうなるの?>と素朴な疑問を投げかけると、プレゼンターの大川立樹アナは<テレワークの状況は変わらないから、ということで踏み切った、ということです>と返答。伊藤利尋アナも<ポストコロナを睨んだ上で、ということで、朝のラッシュとかも含め大きな社会の変化が待っているのかなって感じます>とコメントした。

 テレワークが推進されているとはいえ、リモートでは業務が回らない職場はたくさんあり、そこで働く人も大勢いる。そのため視聴者からは、「うちの人の帰宅が早くなるから嬉しい」「これを機に深夜残業や長時間勤務のブラック企業が無くなりますように」といった労働環境の改善を期待する声が上がっている。

 一方、「終電30分繰り上げたら、会社に泊まる率30%あがるんだけど」「管理系や設備系で必然的に遅くなる人や通勤距離長い人は転職か引っ越しするしかなくなるじゃない」と不安視する声も少なくはない。働き方にもそれぞれ様々な事情があり、一律に右へ倣えなど到底できない現実がはっきりわかる。

 番組では、第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏による「人の動きが減るということは日本経済においては損失になる」との意見も紹介。最後に小倉は<深夜に働いたり活動する人だっている。JRだけ30分繰り上げても意味ない。社会全体の構造や仕組みを変えていかないと弊害が出てくる>と締めくくった。

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