
GettyImagesより
またにしても、おそロシア!? 素人たちが独自に手がける「民間発酵食品」を個人的に「野良発酵」と呼んでいますが(過去に当連載で取り上げた野良発酵の北極は「赤子ヨーグルト」)、ロシア発という新顔が現れました。「あやしいしょくひんが あらわれた!」。
豆乳に新生児の手を入れてぐるぐるかき回す「赤子ヨーグルト」に発酵食品の神秘を感じている人たちへ
「こういうの好きでしょ?」と、仕事仲間から送られてきたSNSのリンク先には、新生児がギャン泣きしている写真。顔を真っ赤にして泣いている赤ちゃんは、手を…
情報を送ってくれたフォロワーHさんのメールに書かれていた物件名は、「マンモス菌」。ロシアの研究者が永久凍土から発見した新種の菌とのことで、「菌活」「自然派」といったハッシュタグ愛用者たちが、群がっている模様です。
発酵飲料「コンブチャ」といい、おそロシアは菌がお好き? Hさんの周りでは、このコロナ禍から流行が始まったと言います。ステイホームで暇になったか、健康意識がより高まったか、うだるような暑さで思考力が低下したか……まあ全部でしょう。
Hさん:わたしの周りでは「整体院の先生」や「友人」からというふれこみで、人から人に「種菌」をわけてあげる形で広がっています。職場で「免疫をあげるから」ともらった知人は、バカみたいに「かなりのもんだ♡」と喜んでいます。なんでも信じてしまいそうなタイプの人でしたが、この手のものにも弱いとは。元をたどればよく知らない人からまわってきた菌、私なら怖くて飲めません。
その菌、本当に大丈夫?
整体院でもらったその菌は、PCで入力してプリントアウトしたような「説明書」つき(それをすかさず撮影したHさん、グッジョ~ブ)。そこには利用法に加え、マンモス菌を広めている背景が書かれていましたので、ここでご紹介します。
※カッコ内は山田ノジルのつぶやきです。
・コロナウイルスは化学が生み出したものだと思われる。その化学に対抗するものは自然のものではないか?
(なんでだ? 陰陽のバランスを~とかの類の話しじゃなかろうに)
・納豆菌はじめ、さまざまな菌を取り扱う中もっと違うものがないかと探していた時、このマンモス菌という土壌菌をモンゴルの方から頂いた。モンゴル民族の一部の部族が飲んでいるそうで、飲んでいる部族はコロナに感染せず感染しても重症化していないようだ。
(なぜ「違うもの」ではなくていけなかったのか? あと「モンゴルの部族」ってダレ~!? ちなみにうちの子の保育園ではみんなで作った梅ジュースを飲んでいるけど、誰も感染していないし、感染してもたぶん重症化しないとオモイマスヨ★)
・利用法は、150ccほどの種菌に250ccほどの林檎・パイナップル・ブドウなどの100%ジュースを入れて6時間常温で放置→その後はそのまま常温でもいいが、長時間放置すると発酵が進みすぎるため、冷蔵庫保管推奨。
(このへんは普通の野良発酵と同じなんか。サジーや馬乳でなければならぬ……とかにすれば、モンゴル云々の件もそれっぽいですのに)
・普通のペットボトルでは「破裂してしまうほどの強い菌が繁殖」するので、保管は炭酸飲料のペットボトルか専用の容器ですること。
(ペットボトルが破裂するのは「菌が強い」からでも何でもなく、腐ったジュースでも起こる現象なのでは。ガスが出やすい菌というのはありそうですが、それを「強い」と表現している? でも健康効果とは関係なさそう)
なんと言うか、詰めの甘さに軽く脱力。
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