メンタルについては、不安のなかにいると子どもにとってどういうことが起こるか、かんしゃくを起こしたり、怖い夢を見たり、落ち着きがなくなったり、攻撃的になったり……といった年齢別の症状とそれに対する方策が載っているのが、『お子さんの成長に応じたケア編』。こころの診療部 児童・思春期リエゾン診療科の先生たちが作った資料で、私のような一般の小児科医にもとても参考になります。WHOの一般向けポスターも簡潔でかわいくていいです。
いま小児科外来は、クリニックも病院もとても空いています。小児科医のネットワークをいくつか見るとどうも全国的なようです。「医療機関に行ってコロナをもらったら怖い」と考える保護者が多いんですね。
でも、どこも感染症対策をしていますし、小児科がクラスターになった事例はありません。病気かもしれないと思ったときには、それが体のことでも心のことでも、かかっていいのが小児科です。
もともと小児科は、子どものことならなんでも相談される外来です。大人のように受診を希望して本人が来るのではなく、子どもは保護者が必要性を感じて連れてきます。そのため、どういう生育環境か、家族がなにをいちばん問題だと考えているか、家庭以外にどういう場所に子どもが通っているかなどを理解していないと、本当の解決にならないのです。
今回のコロナ禍では、特にお母さんたちが消耗している印象です。開業医の小児科では、ご家族の相談にも乗るところが多いので、聞いてみてください。クリニックは家族ごと診る必要性があり、地域に密着しているので、他科や保健所、療養施設などとも連携します。
また、小児科のなかでも専門分野は分かれているので、必要なら高度先進医療を行っている病院や専門家にお子さんを紹介することもできます。ひとりひとりにいつもより時間が取れるこのコロナ禍の時期に、気軽に外来に来てください。
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